クリスタの使い方

【クリスタ】絶対に覚えておきたい選択範囲の作成方法&活用術

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こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。

レイヤーの一部を変形させたり、はみ出さずに色を塗ったりと、様々な用途で重宝する選択範囲。

クリスタの選択範囲も例外ではなく、使い所も機能も多いために初心者の方は混乱してしまいやすいです。

そこで本記事では、クリスタの選択範囲について基本的な作成方法から編集・活用法までをまとめました

ツールを使いこなせば時短につながるので、余った時間を作品のクオリティアップや別の作品制作に費やせるようになります。

知らなかった操作などあれば、この機会に使えるようになっておきましょう。

京時
京時

一気に全部詰め込もうとするのは大変です。まずは実際に手を動かしてみて、分からないことが出てきたらその都度確認するようにしましょう

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選択範囲の作成方法

選択範囲は主に選択範囲ツールと自動選択ツールの2つを使って作成することになります。

場合によっては、レイヤーから選択範囲を作成する方法や、キャンバス全体の選択範囲を作成する方法も役立ちますので、できれば4つとも使えるようになっておきましょう。

選択範囲ツールを使った作成方法

・何ができる?

各種ツールを使って手動で選択範囲を作ります。

長方形や楕円といった形に作れるツールから、フリーハンドで作成できるツールまで様々です。

・どこから使用できる?

ツールパレット内から、点線の入ったアイコンまたは「Q」みたいな形のアイコンを探しましょう。

長方形選択

ペン(マウス)をドラッグして長方形の形に選択範囲を作成できます。

デフォルトの設定ではペンを置いた場所に長方形の角が来るようになっていますが、設定を変更すれば中心から開始することも可能です。

またShiftキーを押しながら使えば、正方形の選択範囲が作れます。

・楕円(だえん)選択

ペン(マウス)をドラッグして円状に選択範囲を作成できます。

正円にする必要がある場合は、Shiftキーを押しながら操作しましょう。

狙った位置に円を作るのが難しい場合は、「中心から開始」を有効にするのをおすすめします。

とはいえ作成後に移動できるため、一発で目的の位置に作れなくても問題ありません。

ちなみに「中心から開始」が無効の時は、同じ距離をドラッグしてできる長方形の4辺と内接する位置に楕円が作られます(下画像)。

・投げ縄選択

囲った領域を選択範囲として作成できる、フリーハンドのツールです。

引き始めと引き終わりは直線でつながるため、滑らかな形にしたいならできるだけ最後まで囲い切るようにしましょう。

・折れ線

タップ(クリック)した位置を角として選択範囲を作成します。

必要な角を設置したら、ダブルタップまたは始点をタップして選択範囲の形状を確定させましょう。

作成の途中でキャンセルしたい時はEscキーを、1つ前の角に戻りたい時はDeleteキーを押します。

・選択ペン/選択消し

選択ペンはペンツールのような使用感で選択範囲を作成・追加でき、選択消しはドラッグした部分の選択範囲を解除するのに使います。

選択範囲作成後の細かい修正に便利なほか、アンチエイリアスの設定を利用して選択ペン・消しならではの活用が可能です。

・シュリンク選択

シュリンク選択で囲むと、囲んだ領域内の閉じた部分を選択範囲として作成します。

上の画像では花の周りをシュリンク選択で囲い、花の外周に沿った選択範囲を作成しました。

作成したい場所の全体が入るように囲むのがポイントです。

思い通りの範囲を作成できない時は、ツールプロパティの「対象色」を切り替えると解決することがあるので覚えておきましょう。

自動選択ツールを使った作成方法

・何ができる?

タップ(クリック)した場所と色が近い部分を選択範囲として作成できるツールです。

選択範囲ツールを使うと時間がかかってしまうような箇所を選択するのに重宝します。

・どこから使用できる?

トゲトゲと棒がくっついたアイコンが目印です。

京時
京時

自動選択ツールのショートカットキー「W」はWand(魔法の杖)から取っているらしいので、おそらくこのアイコンは魔法の杖を表しているのだと思います

・編集レイヤーのみ参照選択

編集中のレイヤーの色だけを基準に選択範囲を作成します。

上の画像では線画が別レイヤーになっているので、線画に遮られることなく黄緑の領域すべてを選択範囲にできました。

・他レイヤーを参照選択

編集中のレイヤー以外の色も参照して選択範囲を作成します。

上の画像では「編集レイヤーのみ参照選択」の時とは変わって、線画レイヤーの内側にある黄緑色の部分だけが選択範囲として作成されました。

デフォルトの設定ではすべてのレイヤーを参照しますが、ツールプロパティの「複数参照」や「参照しないレイヤー」の欄から参照するレイヤーを変更できます。

・参照レイヤー用選択

参照レイヤー用選択

参照レイヤーに設定されたレイヤーを参照して選択範囲を作成します。

やっていることは「他レイヤーを参照選択」で複数参照の欄を「参照レイヤー」に設定した時と同じです。

・自動選択が上手くいかない時は?

自動選択ツールを使った際に思い通りの範囲を作成できない場合はツールプロパティの設定を見直してみましょう。

「隙間閉じ」は選択範囲にしたい領域が完全に閉じられていない時におすすめです。

下の画像のように、隙間閉じが有効だとある程度までは閉じているものとして扱ってくれます。

値を大きくするほど大きな隙間にも対応できるようになりますが、さすがに限度はありますので過信は禁物です。

「色の誤差」では、選択範囲の対象となる色の幅を調整できます。

例えば下の画像のような、ぼかしやアンチエイリアス、グラデーションが使われている場所で選択範囲を作成したい時に便利です。

自動選択を使ってみて、対象となる色が多すぎる場合は値を低く、少なすぎる場合は値を高くしましょう。

「拡縮領域」は選択範囲を指定された値の分だけ拡張(縮小)します。

「色の誤差」とは違い、選択先の色の影響を受けません。状況に応じて上手く使い分けるか組み合わせましょう。

京時
京時

色の誤差を大きく、拡縮領域を+の値にすることで隙間なく選択しやすくなります

色域選択

・何ができる?

タップ(クリック)で指定した色から選択範囲を作成します。

やっていることは「隣接ピクセルをたどる」をオフにした自動選択ツールとほぼ同じです。

色の許容値(=色の誤差)、選択タイプ(=作成方法)、複数参照といったように、ダイアログのメニューを見ても自動選択ツールのツールプロパティと共通している項目しかありません。

自動選択ツールと使い分けるというよりは、好きな方だけ覚えておけばOKです。

・どこから使用できる?

メニューの「選択範囲」の中から「色域選択」の項目を探しましょう。

レイヤーから選択範囲を作成する

何ができる?

レイヤーの描画部分から選択範囲を作成できます。

フォルダーを選択すれば、フォルダー内のレイヤーすべての描画から選択範囲を作れます。

・どこから使用できる?

  • Ctrlを押しながらレイヤーのサムネをタップ(クリック)
  • 「レイヤーから選択範囲」→「選択範囲を作成」を選択

といった2通りのやり方があります。キーボードが使えるなら1つ目の方法が簡単でおすすめです。

↓メニューから選択範囲を作成する場合

ちなみに2番目の方法は、メニューの「レイヤー」からでも行えます。

キャンバス全体の選択範囲を作成する

何ができる?

文字通りキャンバス全体を選択範囲にします。

選択中のレイヤーがどんな状態でも、作成される選択範囲に影響はありません。

・どこから使用できる?

ショートカットキーCtrl+A
メニュー「選択範囲」>「すべてを選択」

頻繁に使うことはないかもしれませんが、メニューから作成するのはテンポが悪いので、キーボードが使えるならショートカットキーを使えるようになりましょう。

選択範囲を編集する

前の章では選択範囲の作成方法を解説しましたが、ここからは選択範囲がある状態でできる操作を紹介します。

解除や反転などはよく使うと思うので、作成方法とセットで覚えておきましょう。

ちなみに、ここで紹介している操作には、選択範囲ランチャーから可能なものが多数あります。

デフォルトでは表示されていない操作もあるため、もし見つからない場合は選択範囲ランチャーの編集方法を解説した記事を参考に追加してみてください。

選択範囲の解除

選択範囲ツールで選択範囲外をタップすれば解除できますが、ちょっとでもドラッグしてしまうと新しく選択範囲が作られてしまいます。

誤操作が多発するようならショートカットキーや選択範囲ランチャーから解除するようにしましょう。

ショートカットキーCtrl+D
選択範囲ツール(※誤操作に注意)選択範囲外をタップ(クリック)
メニュー「選択範囲」>「選択を解除」
選択範囲ランチャー下画像を参照

↓「選択範囲を解除」アイコン

選択範囲の移動

選択範囲そのものを移動させる方法です。

選択ペン・選択消し以外の選択範囲ツールを使って、移動させたい場所へ向かってドラッグします。

選択範囲の反転

「選択範囲の反転」を行うと、作成した選択範囲が選択範囲外に、選択範囲外だった場所が選択範囲になります。

例えばキャラのシルエットを選択範囲にしたい場合、キャラ以外の部分を選択した後に反転を行うことで簡単に作成可能です。

京時
京時

上記の例に関してはシュリンク選択の方が早いこともあるので、状況に応じて使い分けられるようになりたいですね

ショートカットキーCtrl+Shift+I
メニュー「選択範囲」>「選択範囲を反転」
選択範囲ランチャー下画像を参照

↓「選択範囲を反転」アイコン

選択範囲の拡張・縮小

形を保ったまま選択範囲のサイズを変更できます。

選択範囲を微調整したい時や、縁取りのような表現をしたい時などに便利です。

京時
京時

縁取りに関しては「境界効果」の「フチ」でも作成できるので、そちらで満足できない・できない表現をする場合に使うとよいでしょう

メニュー「選択範囲」>「選択範囲を拡張(縮小)」
選択範囲ランチャー下画像を参照(左が拡張、右が縮小)

↓「選択範囲の拡張・縮小」アイコン

選択範囲を拡張または縮小をする際には下のようなダイアログが表示されます。

「拡張(縮小)幅」は文字通りどれだけ大きく(小さく)したいかで調整しましょう。

「拡張(縮小)タイプ」は選択範囲の角の処理を選択します。

角を角のままにしておきたいなら左を、丸みのある形にしたいなら右を選びましょう。

また、縮小には「キャンバスの端でも縮小」という項目が存在し、キャンバスの端に掛かっている部分を縮小の対象にするかどうか設定できます。

選択範囲の複数作成(追加)

作成済みの選択範囲に対して選択範囲を追加します。

ショートカットキーShiftキーを押しながら選択範囲ツール
ツールプロパティ「作成方法」>「追加選択」に切り替えて使用
(下画像を参照)
ツール選択範囲ツールの「選択ペン」

↓選択範囲ツール(選択ペン・消し除く)のツールプロパティ

選択範囲を削る

作成済みの選択範囲を一部解除して形を整えます。

ショートカットキーAltキーを押しながら選択範囲ツールを使用
ツールプロパティ「作成方法」>「部分解除」「選択中を選択」に切り替えて使用(下画像を参照)
ツール選択範囲ツールから「選択消し」を使用

↓選択範囲ツール(選択ペン・消し除く)のツールプロパティ

通常のブラシ・機能を使った編集方法

選択範囲の編集にペンやエアブラシを使ったり変形させたりしたい時は、「クイックマスク」や「選択範囲をストック」の出番です。

選択範囲がレイヤーと同じ扱いになるため、通常のブラシや機能で編集できるようになります。

これらは選択範囲の作成後、選択範囲ランチャーまたはメニューから項目を選ぶことで利用可能です。

メニュー「選択範囲」>「クイックマスク(選択範囲をストック)」
選択範囲ランチャー下画像を参照
(左がクイックマスク、右が選択範囲をストック)

クイックマスクを実行すると、選択範囲は一時的にレイヤーへ変換され、半透明の赤色でクイックマスクの描画部分が表示されます。

これをペンや塗りつぶしなどを使って編集したら、先ほど紹介した方法で再びクイックマスクを実行し、選択範囲に戻しましょう。

京時
京時

選択範囲ランチャーを表示したい時は、レイヤー名の上にあるアイコン(赤い四角を丸でくり抜いた形)をタップしましょう

クイックマスクの注意点は、あくまでも一時的なものであるということです。

保存する際には選択範囲に戻ってしまうため、レイヤーとして残せません。使い回す必要がない場合にクイックマスクを利用すると覚えておきましょう。

また画像を見ても分かるように、選択範囲に色がついて見やすくなるため、選択範囲の確認をしたい時にも便利です。

「選択範囲をストック」も「クイックマスク」と同じように編集できます。

ストックして作成したレイヤーから選択範囲を呼び出したい時は、メニューや選択範囲ランチャーから「ストックから選択範囲を復帰」を選びましょう。

こちらは選択範囲を復帰させてもそのままレイヤーが残り、Clipファイルでの保存も可能です。

同じ選択範囲を何度も使い回したい時には「選択範囲をストック」を使いましょう。

選択範囲の境界をぼかす

ペンで塗った時などに、選択範囲の境界がぼやけた表現になります。

選択範囲の作成後、選択範囲ランチャーまたはメニューから項目を選ぶことで利用可能です。

メニュー「選択範囲」>「境界をぼかす」
選択範囲ランチャー下画像を参照

ぼかしを強くする場合は、「境界をぼかす」選択後に表示されるダイアログから、ぼかす範囲の値を大きくしましょう。

ちなみに「クイックマスク」や「選択範囲をストック」なら、フィルターやブラシを使って同等以上のことができます。

ただ、「境界をぼかす」の方が手っ取り早いので、どっちを使うかは目的次第ですね。

選択範囲を活用する

選択範囲はただ「はみ出さずに塗る」ような使い方にとどまらず、ほとんどの操作・機能と組み合わせて使えます。

使い方の例を複数紹介していますので、何か1つでも役立ちそうなものが見つかれば幸いです。

選択範囲を塗りつぶす・消去する

選択範囲の形に色を塗りつぶし・消去を行えます。

ショートカットキーや選択範囲ランチャーから選択範囲外の消去も簡単にできるので、セットで覚えておきましょう。

ショートカットキー塗りつぶし: Alt+Delete
消去: Delete
選択範囲外を消去: Shift+Delete
メニュー「編集」から
選択範囲ランチャー下画像を参照
(左から塗りつぶし・消去・選択範囲外を消去)

選択範囲内を移動・変形させる

選択範囲内の描画部分を移動したり変形させたりする方法です。

ここでは「拡大・縮小・回転」操作を変形の一例として紹介します。

ショートカットキーCtrl+T(拡大・縮小・回転)
メニュー「編集」>「変形」>「拡大・縮小・回転」
ツールオブジェクトツール(移動のみ)
選択範囲ランチャー下画像を参照

移動だけなら、オブジェクトツールでも可能です。

選択範囲内の色を変更する

塗りつぶすだけでなく、選択範囲内の色を変更するのにも便利です。

例えば下の画像のように花の部分だけ囲って、線画レイヤーを選択した状態で「線の色を描画色に変更」を実行すれば、範囲内の線画の色だけを変えられます。

もちろん、「色相・明度・彩度」のような色調補正も可能です。

これらは基本的にメニューの「編集」から選択しますが、追加していれば選択範囲ランチャーからでも行えます。

選択範囲内を複製する

選択範囲はコピー(切り取り)&貼り付けとも組み合わせ可能です。

模様や背景など、同じ絵を使い回したい場合に活用しましょう。

ショートカットキーコピー: Ctrl+C
切り取り: Ctrl+X
貼り付け: Ctrl+V
メニュー「編集」から
選択範囲ランチャー下画像を参照
(左からコピー・切り取り・貼り付け)

ちなみに上画像の選択範囲ランチャーに黒背景の2つのアイコンがありますが、これらは「切り取りと貼り付け」「コピーと貼り付け」がそれぞれセットになったコマンドです。

選択範囲ランチャーに追加する際には「オプション」>「編集」の欄から選択できます。

選択範囲にキャンバスサイズを変更する

選択範囲の大きさにキャンバスサイズを合わせることができます。

当然ですが、どんな形で選択範囲を作っていてもキャンバスは長方形のままです。

メニュー「編集」>「キャンバスサイズを選択範囲に合わせる」
選択範囲ランチャー下画像を参照

選択範囲をマスクする

選択範囲を作成していれば、その範囲のレイヤーマスクを作成することができます。

メニュー・「レイヤー」>「レイヤーマスク」>「選択範囲をマスク」
レイヤーパレット「レイヤーマスクを作成」アイコンをタップ
または
レイヤー名の上で右クリック>「レイヤーマスク」>「選択範囲をマスク」
(下画像を参照)

↓「レイヤーマスクを作成」アイコン

↓レイヤー名の上で右クリックしてメニューを開く

選択範囲にトーンを貼る

トーン化したベタ塗りレイヤーが作成され、選択範囲外がマスクされます。

メニューからトーン化したレイヤーを作成し、選択範囲&レイヤーマスクを作成することで一応同じことができますが、基本的に選択範囲ランチャーから行う方が早いです。

メニュー1.「レイヤー」>「新規レイヤー」>「トーン」
2.選択範囲を作成
3.選択範囲からレイヤーマスクを作成
選択範囲ランチャー下画像を参照

まとめ

以上、選択範囲の使い方を解説しました。

選択範囲を使いこなせるかどうかでデジタルイラスト・マンガの制作効率は大きく変わります。

今回紹介した操作を一度にすべて詰め込む必要はありませんが、いずれは状況に応じて使い分けれられるように少しずつ身につけていきましょう。