先日の記事ではTourBoxやTourBox Eliteの特徴を紹介させていただきましたが、今回はTourBox Eliteを実際に使った感想をお話ししていきます。
箱の中身や本体の外見、感想のほか、右手で使ってみた場合の使用感も確認していますので左利きでも使えるか気になっている方もぜひご覧ください。
作業のお供に片手デバイスの購入を考えている方や、新型TourBoxの使い心地を詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。
TourBox Eliteの特徴

TourBoxを知らない方向けに軽く説明すると、特徴は主に2つ。
- 11個7種類の形状をしたボタンと3種類の回転式スイッチを搭載
- 豊富な対応ソフトと設定ソフトによる高いカスタマイズ性
様々な形状のボタンが採用されていることにより、手元を見なくてもどのボタンを触っているのか特定しやすくなるというメリットがあります。
回転式のスイッチも3種類あり、キャンバスの回転やズーム、ブラシサイズの調整など、キーボードではやりづらかった直感的な操作も無理なく割り当て可能です。
また、あらゆるクリエイティブ系ソフト・ビジネス系ソフト・Webブラウザに対応しており、設定用のソフトウェアで自由自在にカスタマイズできます。
TourBox Eliteではこれらの特徴そのままに、
- パーツの刷新(耐久性・汚れにくさ・操作感がUP)
- ワイヤレス化(ダブルBluetooth)
- ハプティクスフィードバック採用
- カラーバリエーション追加
といったパワーアップが施されました。
詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
TourBox Eliteの外観・内容物
まず内容物を一覧でサクッと紹介。
ここからは開封した際の様子を写真でお見せします。

1枚目はパッケージの外観。一面真っ黒でシンプルなこのデザインも好きですが、正式発売された際にはコンテストで選出されたイラストが採用されるそうです。


箱を開けるとこんな感じ。中身は書類と製品がトレイで隔てられた二層構造になっています。
そして黒いポーチから取り出したのがこちら。

※画像の一番右に写っているUSBケーブルは製品版だと付属していませんので、有線でも使用したい方はご注意ください。
本体のカラーは新しく追加されたモダンスモークブラックトランスルーセント……要するにちょっと透明な黒色です。
安っぽさは全くありませんし、どんなデスクでもスッと馴染めそうなデザインになっています。
重さは376gと記載されている通り結構ずっしりしていて、裏の滑り止めも相まって机に置いた時の安定感がバツグンです。
ボタンの押し心地は、そのほとんどがマウスの各種ボタンに近いものとなっていて、サイドボタンだけは「カッ…チッ」と押し込むタイプになっています。
ソフトウェアのインストール・初期設定
TourBoxを使える状態にするために、まずはソフトウェアのインストールと初期設定を行います。
TourBox Eliteは有線と無線(Bluetooth)両方で使用できますが、ここでは基本的な無線での接続手順を見てみましょう。
ここでは細かい解説は割愛していますので、どんな手順が必要なのかざっくりと知っていただけたらと思います。
- STEP 1公式サイトでTourBoxコンソールをダウンロード
今回提供いただいた製品は発売前なので未公開のバージョンを使用していますが、発売後はこのページからダウンロードできます。
- STEP 2TourBoxコンソールをPCにインストール
- STEP 3PCのBluetoothをONにする
- STEP 4TourBox Eliteの電源をオンにする
まずは本体に電池を入れます。フタはちょっとコツが要りますが比較的簡単に外せました。
この電池が切れたら充電池を使いたい 緑色が見える方へスイッチを切り替えるとONに。
- STEP 5TourBoxコンソールを起動し、「Bluetoothデバイスをペアリング」を選択
- STEP 6TourBox Elite裏のBluetoothボタンを表のランプが点滅するまで押す
- STEP 7画面に表示されたTourBox Eliteをクリックし、接続を選択
一度ペアリングを完了させたら、TourBox Eliteを起動した際は自動で接続されるようになります。
二台目のデバイスとペアリングする際は、Bluetoothボタンを押してチャンネルを切り替えた後同様の手順を踏めばOKです。
- STEP 8設定完了!
これで使用するために最低限必要な準備は終わりです。
以降は使うソフトに合わせてプリセットを作成したり、公式サイトからダウンロードしたりして自分好みに設定をカスタマイズしていきます。
TourBox Eliteを使った感想
今回の実機レビューでは、主にCLIP STUDIO PAINTで使用した体験をもとにお話ししていきます。
総評としては間違いなく作業がスムーズになりましたし、見た目以上に使いやすかったです。
以前からJoy-Conを片手デバイスとして使ってきた身としては、ここまで違いがあるものなのかと少し驚いています。
本製品はワイヤレス接続ですが、使用中はワイヤレスであることを忘れるほどに違和感なく使用できました。
またゲームのコントローラとして作られたJoy-Conと、クリエイター向けの入力デバイスとして作られたTourBoxではできることの多さが違いましたし、操作を覚えやすくするための様々な工夫がされている点も見事でした。
3種類のノブで操作の幅が広がった

キーボードではもちろんのこと、Joy-Conでも回転系の入力が苦手だったのですが、TourBox Eliteは3種ノブが搭載されていたおかげで様々な操作を柔軟に割り当てられました。
「スクロール」にズームを割り当てればマウスと同じ感覚で拡大・縮小ができますし、「ダイヤル」ならキャンバスの回転を割り当てることで直感的な操作が可能です。
また「ノブ」にブラシサイズの変更を割り当てて使うのも中々気に入っています。
今までブラシサイズの調節を面倒だと感じていましたが、TourBoxに割り当ててからは文字通りストレスフリーに。
クリスタのブラシサイズパレットも不要となったため、キャンバスの表示スペースを広げることができました。
意外と大事だったハプティクスフィードバック
ハプティックフィードバックをかなりざっくりと説明すると振動機能です。
TourBox Eliteの場合は、ダイヤルなどを回した際に「カチッ」と目盛りを刻んでいる感覚をこの振動で表現しています。
↑音を入れていますので、聞こえない場合は音量を上げてご視聴ください。
一見そこまで重要ではないように思えるこの機能ですが、これが中々侮れません。
ハプティックフィードバックは単純にONにすれば良いというのものではなく、割り当てる操作や自分の好みに応じて使い分けることで使い心地を一段と快適にしてくれます。
僕の場合、グルグルとたくさん回すような操作はスムーズに動かしたいので振動をOFFに、細かい調整が必要な操作は振動をONにするといった具合に設定すると好感触でした。
また振動の強弱や目盛りの細かさを設定できるカスタマイズ性の高さも魅力で、ハプティックフィードバックがしっかり実用性のある機能として組み込まれていることを実感しました。
ボタンの形状・HUDのおかげで操作が覚えやすい
TourBoxは他の片手デバイスと比べても多くのボタンが用意されているのが特徴で、これは手元を見なくても手触りでボタンを特定しやすくなるメリットがあります。
これに関してはまさに期待通りでした。一部のボタンやノブの表面には突起もあるため より分かりやすいです。
また十字キーのHUDに関しても、作業画面上で十字キーの割り当てを即座に確認できて邪魔になりにくく、操作を覚えるのに役立ちました。

自分で一から設定したことも慣れが早かった理由になるかもしれませんが、Joy-Conを使っていた時よりも多くの操作を、しかも短期間で覚えられたのはTourBox Eliteのこういった工夫があってこそだと思っています。
ユーザープリセットをそのまま使うのは注意
TourBoxコンソール内に最初から用意されているプリセットはPhotoshop、Lightroom、Premiere2つの計4種類。
それ以外のソフトのプリセットが欲しい時は、自分で作るか公式サイトからユーザー作成のプリセットをダウンロードする必要があります。
僕はとりあえず公式サイトにあるクリスタのプリセットをダウンロードして使おうとしたのですが、そこでちょっとした問題が発生。
クリスタ側で設定しているショートカットとTourBoxのプリセットで設定しているショートカットが違っていまして、修正を余儀なくされました。
人によってショートカット設定が異なるのは仕方ないし修正すれば解決する話ではありますが、プリセットを追加したらそのまますぐに使えると思っていた身としてはどうしても面倒に感じてしまいます。
また公開されているプリセットはざっくりとした情報しか分からず、ダウンロードして追加しないと内容を確認できない点も不便です。

同じソフトでも人によって使うツールは様々ですので、自分の制作スタイルと相性が良さそうなプリセットを探そうすると なおさら骨が折れます。
結局ユーザー作成のプリセットを使うよりも自分でプリセットを作った方が手っ取り早かったですね。
右手でTourBox Eliteを使ってみた
左利きの人もいらっしゃると思うので試しに右手でもTourBox Eliteを使ってみることに。
まず左手のときと同じ手の置き方をしてみましたが、やはりフィット感で若干劣っているように感じます。

左手で使う時はTourBox全体を覆うような形で手を置いておけば大体のボタンは難なく操作できるようになっていましたが、右手で同じようにすると右下2つのボタンとサイドボタンが押しづらくなります。
特にサイドボタンに関しては親指を伸ばす形で押さないといけないので、小指を少し動かすだけで押せた左手の場合と比べるとやはり遠いです。
とはいえ、あくまでも左手のときと同じ持ち方をすればの話なので、手の位置を変えればサイドボタン含め無理のない範囲で届くようになります。

もちろん左利き向けのモデルが発売されるのが理想ですが、こちらのデザイナーさんのように左利きのユーザーもいらっしゃるようなので、試してみる価値は十分にあると思います。
まとめ: TourBox Eliteはこんな人におすすめ
- スクロールやダイヤルなどの回転式の入力が欲しい人
- 振動やスピード、マクロなどの多種多様な設定で自分好みのデバイスを追求したい人
- 片手デバイスに興味があるけど操作を覚えられるか不安な人
回転系の操作を3種類の回転式入力に割り当てられ、直感的で覚えやすいのはTourBoxならではの魅力と言えます。
また様々な形状のボタンが配置されているおかげで指の感触でどのボタンか特定がしやすかったり、十字キーに割り当てた操作をHUDで確認できたりと操作しやすく・覚えやすく作られている点も個人的に気に入っています。
僕の場合は設定を自分で作成したのも早く慣れた一因だったかもしれませんが、こういった製品側の工夫が無ければ慣れるまでにもっと時間が必要だったはずです。
そのため今まで片手デバイスを使ったことのない方でも、最初の1台としてTourBoxを選ぶというのはアリなのではないかと考えています。
値段はお世辞にも安いとは言えませんが、その分長く愛用していけるだけの使いやすさ・カスタマイズ性は折り紙付きですので、興味があればぜひとも検討してみてください。
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