お絵描き用モニターの選び方&おすすめのイラスト向けモニター

※本サイトにはアフィリエイト広告が含まれています
イラスト用機材

パソコンの液晶モニターって色々あるけど、イラスト用ってどれがいいんだ……

事務作業するだけならあまりこだわる必要がないモニターですが、イラスト制作やデザインなどを行うクリエイターなら注意して選ばなければなりません。

そこで本記事では、モニターを選ぶ時に重要な要素の解説や、イラスト制作向けモニターのおすすめ紹介をしていきます。

モニター選びの基準をしっかりおさえて、自分にマッチするモニターを見つけましょう。

>>おすすめモニター紹介へスキップする

広告

イラスト制作向けモニターの選び方

モニター選びをする時に見ておきたい項目を7つ解説します。

  • 解像度
  • サイズ
  • 駆動方式
  • 色域
  • 表示色
  • 光沢
  • 入力端子

イラスト制作に適したモニターがどんなものか、ここで確認しておきましょう。

解像度

解像度は画面の表示に使われている画素の密度で、高ければ高いほど画質がなめらかでキレイになります。

その理屈で選ぶなら4K(3840px × 2160px)が理想になるのですが、どうしてもお金がかかってしまうので主流であるフルHD(1920px × 1080px)以上をおすすめとしています

エントリー向けの液タブにフルHDが多いことからも分かるように、それだけの解像度があれば十分です。

そもそも4KだとPCによっては出力できない可能性もあるため、古いPCを使っているならWQHD(2560px × 1440px)までにとどめておくのが無難でしょう。

サイズ

モニターのサイズは解像度に合わせて考えるのがおすすめです。

サイズに対して解像度が小さいと画面の粗さが目立ってしまい、逆にサイズが小さすぎると文字が細かくて見づらくなってしまいます。

フルHDは24インチ、WQHDは27インチ、4Kは32インチあたりをおすすめしますが、それよりまず置けるスペースがあるかどうかの確認を忘れないようにしましょう。

またサイズの大きいモニターを配置する際には、自分との距離にも注意が必要です。あまり近すぎると視線の移動が長くなって疲れるため、十分に離せるだけの奥行きがあるかもチェックしましょう。

駆動方式(パネル)

駆動方式という言葉から難しそうなイメージを持つかもしれませんが、モニターの作りに種類があるとだけ覚えておけばOKです。

TN方式、VA方式、IPS方式の3種類に大別でき、それぞれ向き・不向きがあります。

TN方式VA方式IPS方式
視野角
色再現度
応答速度
コントラスト比
価格安い普通高い
向いている用途ゲーム(FPS等)映像鑑賞グラフィック系

表を見ると分かる通り、発色を重視するグラフィック系の用途に向いているのはIPS方式のモニターとなります。

どうしてもTN方式やVA方式の安いモニターを選びたくなりますが、買うとしてもサブモニターとしての使用にとどめておいたほうがよいでしょう。

ロメ
ロメ

色再現度が悪いと、思い通りの色で塗りづらくなってしまいます

ADS方式について

紹介した3つ以外にもADSと呼ばれる駆動方式が存在します。
作りが違うだけで特徴はIPSと同様に発色が良く、視野角が広いためイラスト制作向けのモニターとして選択肢に入れても良いでしょう。

色域

色域は、モニターが表現できる色の範囲になります。

色域には『sRGB』や『AdobeRGB』などの様々な規格が定められており、それぞれで表現できる色空間(RGB、YMCKなど)の範囲が異なります。

ロメ
ロメ

例えばsRGBのカバー率が100%なら、その機器はsRGBで定められている範囲の色をすべて表現できることを意味します

Webで作品の投稿・共有を行うのが目的ならば、広く用いられている『sRGB』規格のカバー率が99%以上のモニターを選びましょう。

ちなみにiPhoneやiPadなどのApple製品はP3という色域をカバーしており、これはsRGBよりも35%大きい色空間になります。『DCI-P3』という規格に準拠しているため、Apple製品での見え方も意識するならDCI-P3のカバー率が高いモニターだとベターです。

また仕事上イラストを印刷して使うようなことがある場合は、プリンターの再現可能な色域にも気をつける必要があります。特に高品質なプリンターで印刷するならAdobeRGBもカバーしているモニターを選ぶとよいでしょう(参照元: Adobe RGBとsRGB、用途に合った色域のモニター選び)。

『カバー率』と『比』の違い

液晶モニターや液晶タブレットのスペックを色々見ていると、『〇〇比~%』という表現を見かけるかと思います。
カバー率と同じように思えますが、〇〇比はあくまでも色空間の面積比でしかなく、まったく同じ色空間をカバーしているとは限らないのです。
極端に簡略した例を出しますと、「赤・黄・緑」の3色が表現できる色域に対して「赤・黄・青」は比だと100%(3色)ですがカバー率は3分の2(約66.7%一致)になります。
モニターを選ぶ際は、比とカバー率の表現の違いによく気をつけましょう。

参照: 第1回 大事なのは”正しい色”を表示できること――液晶ディスプレイの「色域」を理解しよう | EIZO株式会社

表示色

表示色とは、モニターが表現できる色ののことです。

「…ん?色域と何が違うの?」

と思った人もいることでしょう。

色域のカバー率が表現できる色の範囲なら、表示色はその範囲にいくつの色があると区別できるかを示しています。例えばsRGBカバー率が100%、表示色が1677万色のモニターの場合なら、sRGBの範囲を1677万通りの色として扱うわけです。

表示色が多いほど色が細かく分けられるため、グラデーションの表示が滑らかに見えるメリットがあります。

ただイラスト制作用で考えるなら、広く採用されているフルカラー(約1677万色、8bit駆動)のモニターで十分です。『FRC』という仕組みを使った『疑似フルカラー』もありますが、本来のフルカラーよりも劣るので注意しましょう。

表示色の多さがそこまで重要ではないというのは、10億色(10bitカラー)対応のモニターを持っていても、モニター以外の機器や取り扱うデータが10億色に対応していないと表示色の多さを生かせないためです。

これは作品を閲覧する人たちにも同じことが言えます。一般的なモニターがフルカラーなのに、わざわざ10億色対応の環境を想定して作品制作するのは合理的ではありません。

ロメ
ロメ

ちなみにペイントソフト『CLIP STUDIO PAINT』は執筆時点だと10億色に非対応です。10億色対応のモニターでも1677万色を扱うことになります。

ただこれはコスパを考えた場合の意見なので、予算に余裕があるなら写真・動画編集用や観賞用として、10億色対応のモニターを選ぶのは全然アリだと思います。

光沢

光沢・非光沢の比較
液タブの画面は非光沢

モニターパネルの反射のしやすさに影響する要素です。

グレア(光沢)とノングレア(非光沢)の2種類があり、前者は見栄えが良いですが反射・映り込みしやすく、後者は見栄えは劣る代わりに反射・映り込みしづらいのが特徴です。

グレアパネルの方が映りがキレイで鑑賞には向いていますが、長時間の作業でも疲れにくいノングレアのモニターをおすすめします。

入力端子

デバイスからモニターに映像を送るケーブルにも様々な種類があります。

主な入力端子
  • DVI
  • D-Sub
  • HDMI
  • DisplayPort
  • USB・Thunderbolt

全種類の端子に対応しているわけではないため、自分が所持しているPCと同じ端子を持ったモニターを選びましょう。

ただ相当古いPCでない限りは、HDMIに対応しているモニターを買っておけばOKです。

またUSBから映像出力できるパソコンもあるので、もしパソコンの入力端子が足りない・見つからない場合などはそちらに対応しているかも確認してみるとよいでしょう。

△ 目次へ戻る

イラスト用モニターの選び方まとめ

ここまで解説したモニターの選び方をまとめます。

イラスト制作向けのモニターのおすすめ基準は以下の通りです。

  • 解像度はフルHD(1920×1280)以上
  • サイズの目安はフルHDなら24インチ、WQHDなら27インチ、4Kなら32インチ(置き場所に注意)
  • モニターの駆動方式はグラフィック向けのIPS or ADS方式
  • 色域はWeb向けならsRGBカバー率99%~、高品質な印刷にはAdobeRGBカバー率ができるだけ高いものを
  • 表示色はフルカラー(約1677万色、8bit駆動)で十分
  • パネルの光沢は長時間作業向けのアンチグレア(非光沢)
  • 端子は接続したいデバイスに対応したものを

モニターによってはスタンドの有無や目の疲労を抑える機能(フリッカーフリー※、ブルーライトカット)などの特徴があるので、そのあたりも考慮しながら自分に最適な商品を見つけてみて下さい。

※フリッカーフリー……モニターのちらつきを防ぎ目の疲れを軽減させる

△ 目次へ戻る

広告

イラスト制作におすすめのモニター

上記の基準を満たしている&発色の良さに定評のあるメーカーをメインにおすすめのモニターをピックアップしました。

比較的安価で買えるものからプロ仕様のものまで幅広く紹介していきますので、ぜひモニター選びの参考にしてみてください。

記載の価格は記事更新時のものです。時期や情勢によって変動しますので、実際の価格は各ストアページでご確認ください。

iiyama ProLite XUB2493HSU-B1

ロメ
ロメ

必要最低限のスペックで値段を抑えたい人におすすめです

価格(Amazon)18,182円
サイズ23インチ
解像度フルHD(1920×1080)
色域未公表(類似製品調べでsRGB 99%の情報あり)
表示色約1677万色
駆動方式AH-IPS方式※
光沢アンチグレア(非光沢)
入力端子HDMI / DVI-D / D-Sub端子
保証メーカー3年間保証
特徴ブルーライトカット機能
オーバードライブ機能
高可動域スタンド
ECOモード機能搭載

※AH-IPS方式……従来のIPS方式よりも色再現性・安定性・低消費電力で優れたパネル

>>Amazonで詳細を見る

ASUS ProArt PA248QV

ロメ
ロメ

クリエイター向けとして必要なスペックを満たしながらも3万円で買える高コスパが魅力です

価格(Amazon調べ)28,618円
サイズ24.1インチ
解像度WUXGA(1920×1200)
色域sRGB 100%, Rec.709 100%
表示色約1677万色
駆動方式IPS方式
光沢アンチグレア(非光沢)
入力端子VGA / Display Port / HDMI
保証3年保証・3年無輝点交換保証
特徴色精度 ΔE<2
CalMAN認証取得
高可動域スタンド
USBハブ

>>ASUS公式ストアで詳細を見る

Benq AQCOLOR PD2705Q

ロメ
ロメ

5万円台で色精度の高いWQHDモニターを狙うなら候補に。

価格(Amazon調べ)57,455円
サイズ27インチ
解像度WQHD(2560×1440)
色域sRGB 100%, Rec.709 100%
表示色約1677万色
駆動方式IPS方式
光沢アンチグレア(非光沢)
入力端子USB Type-C(Alt mode) / Display Port / HDMI
保証3年保証
特徴色精度 ΔE≦3
Pantoneカラー・CalMAN認証取得
KVMスイッチ(2台のPCの映像を1つの画面に表示)
高可動域スタンド
USBハブ
HDR10対応
>>Amazonで詳細を見る

EIZO ColorEdge CS2400S

ロメ
ロメ

sRGBだけでなくAdobeRGBもカバーしたい人におすすめ。専用のツールを用意すれば自分で色のキャリブレーションを行えます

価格(Amazon調べ)99,000円
サイズ24.1インチ
解像度WUXGA(1920×1200)
色域AdobeRGB 99%
表示色約10.7億色
駆動方式IPS方式
光沢アンチグレア(非光沢)
入力端子USB Type-C(Alt mode) / Display Port / HDMI
保証5年保証・無輝点交換保証(半年以内)
特徴輝度・色度ムラ補正機能
ハードウェア・キャリブレーション対応
高可動域スタンド
USBハブ
>>EIZO公式ストアで詳細を見るicon

Dell 4K カラーマネジメントモニター 27インチ UP2720Q

ロメ
ロメ

高解像度と色の再現度の高さが特長。内蔵の測色計を使って色補正を行えます

価格(Amazon調べ)217,800円
サイズ27インチ
解像度4K(3840×2160)
色域AdobeRGB 100%,DCI-P3 98%,BT.2020 80%
表示色約10.7億色
駆動方式IPS方式
光沢アンチグレア(非光沢)
入力端子Display Port / HDMI×2 / Thunderbolt 3
保証3年間無輝点交換保証
特徴色精度 ΔE<2(ユーザーガイド参照)
内蔵キャリブレーション搭載
フード付き
USBハブ
高可動域スタンド

※購入の際はパソコンが4Kで出力可能か必ずご確認ください。

>>Dell公式ストアで詳細を見る