こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。
今回は、ペンタブメーカーであるHuionの片手デバイス「Keydial mini(キーダイヤル ミニ) K20」のレビューです。
案件でお貸しいただいたKamvas Pro 19に付属していまして、せっかくなので使ってみました
ここでは購入を検討している方向けに、使って良かった点・気になった点をお伝えしていきます。
簡易的ですが音や反応速度もチェックしてみましたので、お役に立てば幸いです。
Keydial Mini K20のスペック&仕様
基本スペック | |
---|---|
本体寸法 | 146 × 92.9 × 10.8 mm |
本体重量 | 115g |
接続方法 | 有線 / ワイヤレス(Bluetooth5.0) |
対応製品 | ・ペンタブレット ・液晶ペンタブレット ・PC一体型液晶ペンタブレット |
対応OS | Windows 7以降、macOS 10.12以降 |
通常価格 | 9,999円 |
同梱物 | |
・Keydial mini 本体 × 1 ・USB Type-C to A ケーブル × 1 ・ステッカー × 1 ・クイックスタートガイド × 1 |
片手デバイスは製品によって形が様々なので、スペック表を見ただけでは良し悪しが分かりません。
この中だと、有線・ワイヤレス両対応という点は嬉しいですね。
逆に気をつけたいのは対応OS。WindowsまたはmacOSが搭載されたパソコンでのみ使用可能なので、AndroidデバイスやChromebook、iPadなどでの使用はできません。
Keydial Mini K20の外観・接続レビュー
まずは外箱です。Kamvas Pro 19に付いてきたものなので、単品購入時とはデザインが異なります。
中身を取り出すと、本体と有線接続・充電用のUSBケーブル、説明書が入っていました。
単品購入した場合には目印として使えるステッカーが付属しているようですので、ぜひ活用してください。
本体のサイズ感は、スマホを縦は少し短く・横を太くしたようなイメージです。
手に持つと一番遠いキーに親指が届かないので、基本的に置いて使うことになるでしょう。
意外だったのは、重量が115gと、置くタイプにしては非常に軽いという点です。
置いた時の安定感という面では少し心もとないですが、こまめに場所を変えたり、外出先へ持っていくような場面ではメリットとなります。
さらにワイヤレス接続と最大70時間のバッテリー持ちという特長もあって、サイズとは裏腹に持ち運びへの適性は非常に高いです。
また、有線接続時にケーブルに引っ張られて動かないか心配しましたが、ケーブルの長さに余裕があれば問題ないことがわかりました。
Keydial miniはBluetooth 5.0によるワイヤレス接続に対応しています。
このバージョンは一つ前のBluetooth 4.2と比べてデータの転送速度・通信距離が倍に、そして低消費電力化しているのが特徴です。
ここで一つ注意しておきたいのは、デバイス側が対応しているBluetoothバージョンです。
例えば本機が5.0に対応していても、接続先のデバイスが4.2までの対応なら、4.2に合わせる形で通信が行われてしまいます。
接続元と接続先の両方が対応していて初めて最高のパフォーマンスが発揮できるのです。
もし古いデバイスを使用しているなら、多少なりとも影響が出る可能性を理解の上で使用しましょう。
接続を終えたら、パソコンへのドライバーインストールが必要です。こちらのページからダウンロードできます。
ちなみにWindowsデバイスで使用する際には、Huionのペンタブ・液タブを使っているかどうかでダウンロードするドライバが異なります。
自分の環境に合わせて選びましょう。
Keydial Mini K20の使用感
ダイヤルは感触・使い勝手ともに良好でした。
ダイヤルの中にあるボタンを押すことでダイヤルの操作を手軽に切り替えられるので、見た目以上に多くの操作が行えます。
キーの多さも相まって、作業の8割くらいは本機で完結しそうなくらいです。
一方で見ないで操作をするのは難しく、直感的に使いこなすにはユーザー側で一工夫が必要だと感じています。
キー・ダイヤルの操作感は
ダイヤルは適度に厚みがあって回しやすく、カチカチという感触が癖になりますね。
音は少し主張が強い気がしますが、回していて心地よいので気になりません。
キーについては、薄型のワイヤレスキーボードを叩いているような感覚です。
1つ1つがくぼんでいるので、指のフィット感があるのも良いと思いました。また、長方形のボタンだけ少し押した時のスイッチ感が強いように感じられます。
ワイヤレスの反応は十分早い
有線とワイヤレスで反応速度を簡単に比べてみましたが、目視だと全くわからないレベルでした。
ただしデバイスに大きな負荷がかかっている場合も、同じように反応してくれる保証はありません。
とはいえ、これは他のワイヤレス片手デバイスでも同じことが言えるので、このデバイス特有のデメリットとして挙げることではないと考えます。
Keydial miniに関しては、もしワイヤレスに不満があっても有線接続という手段がありますからね。
ホームポジションを見失いやすい
1つのキーに突起が付いていますが、感触が弱くてあまり役に立っていないのが残念です。もう少し大きくしても良かったのではないかと思いましたね。
また、手の置き方が終始しっくりこなかったのも気になりました。どんな置き方をしてもどこかしら押しづらいキーが出てきてしまいます。
このような理由から、画面から目を離さずに操作するのは難しいという結論となりました。
色のついたステッカー(シール)を貼って視界に入る範囲で使えば、ある程度は改善するかもしれません。
設定ソフトの使用感
すでに似たようなデバイスを使用した経験があるなら、そこまで使い方に困る場面はないでしょう。
片手デバイスとして必要な設定・機能は一通り揃っていますが、キー割り当ての柔軟性は他の製品に比べるとそこまでという印象を受けました。
初めて片手デバイスを使う人にとっては、むしろできることが制限されている方が理解の助けになるかもしれませんので、一長一短といったところでしょうか。
設定できる項目数は十分
キー割り当ての他に、スリープに入るまでの時間やLED設定、ダイヤルの操作(機能のカスタマイズ・Radial・オフ)、ダイヤル速度(感度)を設定できる点が魅力です。
ダイヤルの操作でRadialを設定した場合、カスタマイズはOS側の設定から行うことになりますね。
Windowsを例にすると、設定>デバイス>ホイールの項目から変更が可能です。
PC起動時の自動起動設定やバックアップ機能もあり、初期設定に戻せるボタンも用意されていて、このデバイスで必要なことは一通りできる印象を受けました。
設定項目からは少し外れるのですが、設定ソフト内で具体的なバッテリー残量(◯%)が確認できないのはちょっとした不満点ですね。
キー割り当ては改善の余地あり
本機では、割り当てたいキーを入力した後に、登録画面のどこかをクリックすると設定が反映され、画面が閉じてしまいます。
設定を完了とする操作がなく、初見だとちゃんと設定できているのかどうか不安になりましたので、OK(または適用)ボタンがあった方が良いと感じました。
また、短押し・長押しで使い分けたり、キーの組み合わせに特有の操作を割り当てられるとよりカスタマイズの幅が広がったはずです。
1つのアプリで複数のキー割り当て(プリセット)を使えない点も惜しいと思いました。
ダイヤルはプリセットの切り替えにも使えそうだと思っていますので、今後の実装に期待したいところです。
アプリごとに割り当てを設定できるのが優秀
1つのアプリで複数のプリセットを使えないと述べましたが、アプリごとに設定することは可能です。
お絵かきアプリにはお絵かきアプリ専用の設定を、ブラウザを使うときにはブラウザの操作が快適になる設定を個別に登録できます。
しかもわざわざ設定アプリを開いて切り替える必要はなく、自動で切り替わるのが嬉しい点ですね。
キー割り当ての例
デフォルトでも使えなくはありませんが、取り消し操作を何度も行っていると手に無駄な力が入って疲れてしまいます。
このまま使い続けるのは厳しいと考え、20分くらいかけてクリスタ用に割り当てをカスタマイズしたのがこちらです。
キーボードの左側の配列をベースに、自分がよく使うショートカットを割り当てました。
確認用に設定プレビューを割り当てているので、慣れてきたら別の操作に変更してもよいでしょう。
まとめ: 品質十分 コスパは△ セールならおすすめ!
いくつか改善してほしい点はありましたが、それでもキーボードだけで作業するよりずっと効率的に作業できるようになることは間違いありません。
ただこの製品の価格を改めて確認すると、通常価格は9,999円と中々高価な印象を受けます。
もう少しお金を出せば優秀な競合製品が候補に入ってくるので、非常に悩ましいところです。
セール価格なら7千円前後になってコスパが改善するため、もし購入するなら積極的に狙いましょう。
もちろん、液タブの付属品で入手できたのなら喜んで使い倒してくださいね。
私はベストな使い方を見つけられませんでしたが、品質は普通に良かったので評価は星3.5とさせていただきました。
↓1万円付近の競合製品↓