変形機能を何となくで使ってるけど、クリスタでどんな変形ができるか知らないままだったな……
変形機能は絵を描いていく中で使い方を覚えていった人も多いのではないでしょうか。
機能を全部知らなくてもイラスト制作はできますが、もっと楽に、思い通りに形を変えられるので知っておいて損はありません。
そこで本記事では、クリスタの変形機能の特徴や使い方を一通りまとめてみました。
基本的な変形からメッシュ変形、ゆがみの使い方などを一緒に確認しましょう。
使い分けられるようになれば、今まで苦戦していた変形も簡単になる……かも?
変形機能を使用する際の共通操作
▽変形適用範囲の指定(事前準備)
- 変形したいレイヤーを選択する(複数レイヤー選択可)
- 一部を変形させるなら更に選択範囲を作成
「変形対象がありません」と出る場合は、選択中のレイヤーが間違っていないかチェックしましょう。
▽変形機能の場所
「編集」メニュー→「変形」
▽移動
ガイド線上・内側をドラッグして移動させる
間違えて中心点をドラッグしていることがあるので、斜めの矢印と十字矢印が組み合わさったポインターが表示されているか確認しましょう
▽回転(「拡大・縮小」では不可)
・ガイド線の外側をドラッグ → 回転
・中心点を動かす → 回転の中心を移動
・Altを押しながらキャンバスをクリック → クリックした位置に中心点を移動
・Shiftを押しながら中心点をドラッグ → 水平・垂直・斜め45°に中心点を移動
・Shiftを押しながらドラッグ → 45°ずつ回転
拡大・縮小・回転(Ctrl+T)
文字通り画像の拡大・縮小と回転が行えるスタンダードな変形です。
変形機能の中に「拡大・縮小」「回転」といった項目が別でありますが、基本この機能でまとめてできるので覚える必要はないかと思います。
Ctrlなどの修飾キーとの組み合わせで様々な変形ができるので、必要な時に使えるよう覚えておきたいですね。
【使い方】
- ハンドル(ガイド線上の□)をドラッグ → 拡大・縮小
- Ctrlを押しながらハンドルをドラッグ → 「自由変形」
- Altを押しながらハンドルをドラッグ → 中心点を基準に拡大・縮小
- Shiftを押しながらハンドルをドラッグ → 縦横比を固定した状態で拡大・縮小
- ShiftとCtrlを押しながらハンドルをドラッグ → ガイド線の向きに沿ってハンドルを移動(ゆがみ)
- 「ツールプロパティ」で「縦横比固定」をオフ → 縦横比を固定せず拡大・縮小
自由変形
通常の変形で固定されていた角度や縦横比が自由に変えられるようになります。
大きさや向きだけでなく、形もざっくり変えたい時に使うと良いでしょう。
【使い方】
- ハンドルを自由な角度にドラッグ → 自由変形
- Shiftを押しながらハンドルをドラッグ → ガイド線の向きに沿ってハンドルを移動(「ゆがみ」と同じ変形)
- Ctrlを押しながらハンドルをドラッグ → 拡大・縮小
- CtrlとShiftを押しながらハンドルをドラッグ → 縦横比を固定して拡大・縮小
- CtrlとAltを押しながらハンドルをドラッグ → 中心点を中心にして拡大・縮小
ゆがみ
ガイド線の向きに沿ってハンドルを移動できる変形です。
動かせる方向が制限された自由変形のようなもので、辺の平行を維持しながら変形したい時に使います。
【使い方】
- ガイド線中央のハンドルをドラッグ → 辺ごとガイド線の向きに沿って移動(平行ゆがみの代替になる)
- Ctrlを押しながらハンドルをドラッグ → 拡大・縮小
- CtrlとShiftを押しながらハンドルをドラッグ → 縦横比を固定して拡大・縮小
- CtrlとAltを押しながらハンドルをドラッグ → 中心点を中心にして拡大・縮小
※紛らわしいことに、クリスタにはこれとは別に「ゆがみ」というツールが存在します。どちらも便利なので、余裕があればゆがみツールについても学んでみてくださいね(→ゆがみツールでできること・使い方)。
平行ゆがみ
辺全体がガイド線の向きに沿うように移動できる変形。
四隅のハンドルでもガイド線中央のハンドルでも、辺ごと移動します。
正直、「ゆがみ」機能の方で同じことができる&手間もそんなに変わらないと思っているので、僕の中での重要度は低めです。
【使い方】
- ハンドルをドラッグ → 辺全体をガイド線の向きに沿うように移動
- Ctrlを押しながらハンドルをドラッグ → 拡大・縮小
- CtrlとShiftを押しながらハンドルをドラッグ → 縦横比を固定して拡大・縮小
- CtrlとAltを押しながらハンドルをドラッグ → 中心点を中心にして拡大・縮小
遠近ゆがみ
四隅のハンドルのいずれかをドラッグすると、ドラッグしたハンドルが移動すると同時にドラッグした反対側のハンドルも逆方向に移動します。
名前に遠近とあるように、奥行きがある作品を制作するのに一役買いそうですね。
他の変形では代用しづらく、ぜひとも覚えておきたい機能です。
【使い方】
- 四隅のハンドルをドラッグ → 遠近ゆがみの変形を行う
- ガイド線中央のハンドルをドラッグ → 辺ごとガイド線の向きに沿って移動(平行ゆがみの代替になる)
- Ctrlを押しながらハンドルをドラッグ → 拡大・縮小
- CtrlとShiftを押しながらハンドルをドラッグ → 縦横比を固定して拡大・縮小
- CtrlとAltを押しながらハンドルをドラッグ → 中心点を中心にして拡大・縮小
左右(上下)反転
画像を中心点を基準に反転させることができます。
イラストのバランスをチェックする際などに使われる表示の「反転」だと作品に反映されませんが、変形機能の「反転」では反映されます。
同じようなものを左右(上下)対称に描く時などにコピー&反転させれば手間を省けますね。
対称定規で描くという手段もありますが、そこは好みということで。
反転は他の変形機能では代用できないので、覚えておいて損はないかと思います。
【使い方】
- 「編集」メニュー→「変形」→「左右反転」or「上下反転」で実行
- 中心点を基準に反転させたい時は、変形操作中の状態でないと中心点の移動ができない点に気をつける
- べた塗りレイヤーと色調補正レイヤーは非対応
メッシュ変形
画像に対して格子で分割したガイド線・ハンドルを作成し、それらをドラッグして細かく変形させる機能。
PROとEXで使用可能です。
湾曲した面に貼り付けたい時などに使うと、普通の変形を使うよりも馴染ませることができます。
【使い方】
- 変形したいレイヤーを選択(複数可)
- 選択範囲を作成(作成しない場合はレイヤー全体)
- 「編集」メニュー→「変形」→「メッシュ変形」を選択
- 「ツールプロパティ」パレットで格子点(ハンドル)の数を設定
- ガイド線・ハンドルをドラッグして変形
- Shiftを押しながらハンドルをドラッグ → 水平・垂直・斜め45°にハンドルを移動できる
- 「確定」で変形完了
- Escでキャンセル
変形機能はツールプロパティでも操作可能
メッシュ変形のみは別のツールプロパティとなりますが、それ以外の変形なら同じツールプロパティでまとめて操作できます。
反転ならパレット上部のアイコンを、反転以外の変形は「変形方法」から選択します。
画像の拡大率や回転角、位置の自動調整など、プロパティ独自の設定ができるので、ハンドルでの調整が難しい時はツールプロパティの活用も検討しましょう。
まとめ: 存在だけでも覚えておこう
ここまでクリスタの変形機能について紹介してきましたが、なんか色々あって混乱した人もいるのではないでしょうか。
無理に操作方法を頭に詰め込もうとせず、「そういう変形機能があるんだ~」ぐらいで良いと思っています。
各変形機能の存在を知っていれば、必要になった時に思い出せるかもしれませんし。
初心者ならなおさら全部を覚える優先度は低いので、とにかく基本の変形を使いこなせるようになりましょう。