お絵かきをするモチベーションが上がらない、維持できない。上手い下手にかかわらず、多くの人が経験する悩みではないでしょうか。
下がったモチベーションを回復するには、まずは原因を特定することが何より重要です。原因が分かれば、自ずと対策法も見えてくるでしょう。
本記事では、モチベーション低下の原因として考えられるものをいくつか挙げ、それぞれに対して改善方法を提案しています。
現在進行形で悩んでいる方だけでなく、これから直面するかもしれないという方も、ぜひ参考にしてみてください。
筆者自身が直面した時の経験も交えながら、乗り越えるためのヒントを共有します。
原因別! モチベーションの改善案
早速ですが各原因毎にモチベーションの改善案を紹介します。
今回挙げた悩みの多くに共通して言えるのは、自分の中でお絵かきに対するハードルを上げてしまっているということです。
前準備が大掛かりになっていないか?長時間の作業にこだわりすぎていないか?…といったように、色々な面からこれまでの自分を振り返ってみましょう。
疲れてやる気が出ない

学校や会社から帰った後は疲れてお絵かきどころじゃないという人。
睡眠時間を確保しろ、働く環境を変えろ…というのは言うだけなら簡単で実践するのは難しいですよね。
現実的な範囲で提案するなら、取り組む時間帯を変えるまたはめちゃくちゃ簡単な日課を取り入れることが挙げられます。
平日は体を休めるのに徹して休日を使ったり、早起きして朝の時間を使ったりするなど、疲れていない時間に取り組みましょう。
もう一つの「めちゃくちゃ簡単な日課」というのは、線一本でもいいから作品の進捗が出せればOKというレベルの日課を指します。
この日課はお絵かきに取り組むための導火線になるため、モチベを取り戻すのに効果的です。
何事もスタート時が一番エネルギーを消費するもので、一度取り掛かってしまえばそのまま自然な流れで作業を進められちゃいます。
「モチベがなくても描け」とアドバイスをする人がいるのは、これが理由…かもしれませんね。

日課って頭の中だけで管理しようとすると忘れたり、まあいいやって辞めてしまったりしがち。
私はHabiticaというアプリを使って日課を管理しています。
Habiticaについてはむか~しに書いた記事があるので、どんなツールか知りたい方は↓のリンクからどうぞ。
他の趣味を優先してしまう

ゲームしたり、SNSを見たり、どこかへお出かけしたり…やりたいことが多くてなかなかお絵かきできないという場合。
まず惰性でやってるものがあればそれを辞めましょう。
なんとなくSNSを眺めてるとか、特別ハマってるわけでもないゲームのデイリーミッションを欠かさずこなしてるとか、そういう時間はお絵描きにまわせるはずです。
それができないというのであれば、スマホを物理的に遠ざけたり、利用制限を設定するといった方法を試してみてください。
慣れるまでかなりキツイですが効果はありますし、想像以上に自分がスマホに依存していることを体感できてなかなか面白いですよ。
あとできることといえば趣味以外の時間、例えば家事の時間や帰宅時間を短縮すれば、お絵かきに使える時間はさらに増えます。
このように「今の時間の使い方は良くなかったな…」とすぐ自覚できるなら空き時間を見つけるのは簡単ですが、誰でもできることではありませんよね。
時間の使い方を見直すなら、普段のスケジュールを書き出してみるのが確実でおすすめです。

この場合もイラスト制作を短時間でも日課に組み込みたいところ。日課をクリアしたいと思えるようになれば、自然とお絵描きに優先して時間を割くようになります。
準備が面倒くさい

お絵かきをしたくなったら画材(機材)を引っ張り出すなどの準備が必要です。毎回の準備が大掛かりだと心理的なハードルが上がり、それだけでモチベーションが削がれてしまいます。

例えばゲーム機で遊ぶたびにケーブル外して元の箱に収納しないといけなかったら、遊ばなくなるんじゃないかな…
部屋をきれいな状態にしておきたいという理由で毎回片付けている人もいるかもしれませんが、それでお絵かきのモチベーションが下がるくらいなら出しっぱなしにした方が間違いなく良いです。
散らかるのが嫌だと言う人は、iPadみたいにサッと取り出して使える機材を手に入れるのが(お金はかかりますが)ベストかと。
他人と比べて劣等感を抱いてしまう

同じ時期にお絵かきを始めた人が自分よりも早く成長し、バズってる姿を見たら、誰でもモヤッとした感情を抱えることでしょう。
そういう時は他人を羨むだけじゃ済まなくて、自己嫌悪にも陥ってしまうものです。
相手の投稿などをミュート設定にしてしばらく距離を置くという方法もありますが、それで根本的に解決できるとは限りません。
独り言でいいので、正直な思いを(SNSじゃなくて)声にして発散させることをおすすめします。感情を抑え込みすぎるのは毒です。
言葉にしておくと自分を客観的に見られますし、胸の中に押し込めていたモヤモヤを吐き出せて気持ちをリフレッシュできますよ。
また考え方を変えることも大切で、比べる対象を他人ではなく過去の自分にしましょう。
人それぞれ成長のペースは違うものなので、自分は自分と割り切り、ひたすら自己ベストを目指してみてください。

ポイントはいかにして自己肯定感を上げるか、です。
私は作品制作ができない時期でもイラスト練習を日課にしていたおかげで「昨日の自分より成長してる」と思えました。
SNSで評価されない

自分ではすごい作品を完成させたと思っていたのに、いざSNSに投稿するとあまり評価されないことがあります。
承認欲求を満たしたい、仕事を得る足がかりにしたいといった人にとって、いいねが増えない状態というのは辛いはずです。
絵の上手さに原因がある可能性も0ではありませんが、バズることだけを考えるなら他にもチェックすべき改善点があります。
投稿時間やタグ付けは適切かSNSの運用方法を見直したり、需要のあるテーマ・トレンドに沿って作品制作をするなど、絵の技術だけでなく人目につきやすくなるような工夫にも力を入れてみてください。

各SNSによって文化が異なるため、色々なSNSに投稿して反応を比べてみるのも有効だと思います
もしそれでもダメだったら、SNSで評価される以外でお絵かきをする理由は何か、見つめ直してみると良いでしょう。
SNSでバズる手段ならお絵かき以外にもあるはずです。なぜお絵かきでバズりたいと思ったのか、そこにモチベを取り戻すヒントがあるかもしれません。
描きたいものがない

昔の自分と今の自分は違うものです。
あなたも描きたい何かがあったからお絵かきを始めたと思うのですが、それが今の自分の描きたいものであるとは限りません。
元々描きたかったものをもう一度描いてみて、それでモチベが戻らなかったら新しく描きたいものを探す旅へと出発しましょう。
アニメやゲームなどのエンタメに多く触れるというのは大事で、少しでも良いと思える瞬間があれば、それが描きたいものを見つけるきっかけになります。
また、そのような瞬間はお絵かきをしている中でも見つけることが可能です。誰かにリクエストしてもらったり、イラストコンテストに応募してみたりして、様々なテーマを経験してみましょう。
自分の絵を好きになれない

思い描いていた理想とは程遠い絵になってしまい、その失望から自分の絵を好きになれないことがあります。
目標にしているレベルが高すぎると理想と現実のギャップが大きすぎるため、モチベを維持するのは難しいです。
ちょっと頑張れば届きそうな範囲で目標を設定し直し、段階を踏んで理想へ近づくことがモチベーションを維持するコツになります。
また、自分の絵を好きになれないということは、少なくとも描き方・塗り方に問題がある可能性も考えられるでしょう。
今のやり方から一旦離れて、他の人の手法を参考にしてみると改善点が見つけられるかもしれません。
書籍やWeb上には、プロ絵師の塗り方解説やメイキングが豊富に存在します。気に入った方法が定着するまでは自己流にこだわらず、外からどんどんノウハウを吸収していきましょう。
絵を描いていても楽しくない

まわりからの評価が気になったり、思うように上達しなくて焦ったりと、様々な要因が重なってお絵かきを楽しめなくなってしまうことがあります。
筆者自身も無意識のうちに「丁寧に絵を描かなきゃ」「ここはこう塗らないとダメ」みたいな強迫観念を抱いてしまうことがありますね。
本来自由だったはずのお絵かきが窮屈なものになっていくにつれて、楽しさが分からなくなってしまいます。
そんなときは一度「作品制作」から離れて、好きなように落書きしてみると昔の感覚を思い出せるかもしれません。もちろん、他人に見せなくてもいいです。
いつの間にかガチガチになってしまった肩の力を、ここで抜きましょう。
また絵を描くのが楽しくない原因として、自分に合わない描き方・テーマを無理に続けている可能性も考えられます。
普段描かないテーマに挑戦してみたり、様々なエンタメに触れて、自分の好きなものがなんなのか探してみましょう。
お絵描きの悩みを相談できる仲間を作る

お絵描きというのは複数人よりも一人で取り組むことが多いです。
上記のような悩みを抱えている時、周りに理解してくれる人がいないと、思うように打ち明けられず孤独感に苛まれることもあるでしょう。
そんな時に悩みを相談できるお絵描き仲間がいると、心強い支えになります。
もちろんSNSやイラスト投稿サイトといったオンライン上で誰かと知り合うのもいいですが、オフラインで直接交流できる仲間はより多くのものをあなたにもたらすはずです。
ネット上の知り合いとのオフ会に行く以外にも、展覧会や同人即売会などのリアルイベントに参加したり、近所の教室に通ったりすれば、気の合う仲間と出会えるかもしれません。

イラスト教室や専門学校に通うメリットとしてプロの先生から学べることが大きく取り上げられがちですが、似たような趣味や目標を持った人たちと出会うのにも絶好の場所ですよね。
まとめ
お絵描きのモチベーションが維持できない原因と、その対処法について提案させていただきました。
最初にもお伝えしましたが、モチベーションを改善したいならまずは原因を特定することが重要です。
どうしてやる気が出ないのか、今までの自分の行動や心情を振り返る時間を作ってみてはいかがでしょうか。
いっそのこと辞めてしまえと言うのは簡単ですが、このページを読みに来た人はそれができなくて悩んでいるのだと思います。
自分を責めず、時間をかけてでもじっくりと向き合っていきましょう。