こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。
インターネットが生活の一部となった現代では、電子書籍や無料で視聴できるイラスト講座などを通して、必要な情報へ手軽にアクセスできるようになりました。
実際、SNSやYouTubeなどで活躍しているイラストレーターの中にも、独学でスキルを身につけた方がたくさんいます。
しかし一方で、「独学には限界があるのでは?」と不安を感じる方もいるはずです。
そこで今回は、イラストを独学で学ぶ場合のメリット・デメリットから「独学の限界はどこか」を確認した上で、上達に必要なことを解説していきます。
独学のメリット

▶自分のペースで学べる
忙しい社会人や主婦の方でも、好きな時間に好きなだけ練習できるのが独学の最大の魅力。プレッシャーなく、のびのびと描けます。
様々な生活スタイルに対応できる柔軟性の高さにおいて、独学以上の学習方法はないでしょう。
▶お金がかからない
イラスト制作を始めるには画材・機材を買いそろえる必要があります。そこからさらに教室や学校へ通うとなると、出費はかなりのものとなるでしょう。
教室に通ったり通信講座を受講するなら数万~数十万円は必要ですし、専門学校で学ぶなら数百万円~という規模に。そう簡単に出せる金額ではありません。
その点、独学ならお金がなくてもすぐに学習を始められます。
YouTubeやSNS、無料のイラスト講座サイトなど、今は無料で学べる教材が豊富。書籍も1冊2,000円前後とリーズナブルです。
▶好きなジャンル・スタイルに集中できる
自分の描きたいものだけを重点的に練習できるので、目標に必要なスキルを効率よく身につけることができます。
また、好きなジャンルに取り組むことで「もっと上手くなりたい!」という気持ちが自然と湧きやすく、継続して練習する原動力になります。
「努力は好きには勝てない」という言葉があるように、夢中になれる分野があるなら独学でとことん突き詰めてみるのも良いでしょう。
▶1人で完結できる
誰かに会うとなると、会話の受け答えや身だしなみなど、イラストの学習とは関係ない考え事が増えてしまいます。
独学なら動画や書籍を通じて学習できるため、一人が好きな人にも非常に取り組みやすい方法です。

独学環境の充実は、私のように他人との会話に抵抗感がある人にとって嬉しい傾向です
独学のデメリット

▶上達が実感できなかった時がつらい
一人で学ぶと、壁にぶつかったときに挫折しやすいです。
上達を実感できないと、自分の能力を疑ったり、ライバルの成長ぶりに焦りを感じたりと、ネガティブな感情が次々に襲い掛かってきます。
モチベーションを保てるかどうかは「自分で目標を立てて、淡々と続けられるか」「壁にぶつかっても自分で対処できるか」に大きく左右されます。
このあたりはどうしても個人差が出やすいため、限界だと思ったら無理に続けようとはせず、オンライン教室やコミュニティを頼りましょう。

私はこのつらさを乗り越えるために、「今まで練習に費やした時間は全部無駄だった」→「この方法が自分に合わないことが分かって良かった」とポジティブに考え直すことを意識しています。
▶客観的なアドバイスが得にくい
自分の絵の「どこが良くて、どこが直すべきか」を客観的に判断するのは難しいもの。間違った描き方やクセに気づかず、成長が頭打ちになることも。
たとえば、顔のバランスやパース、色使いなど、本人が気づかない部分に改善点があっても、自力では発見しづらいのです。
学校や教室では講師が改善点を教えてくれますが、独学の場合は自分で課題を見つけ、自分でやるべきことを考えなければなりません。
▶情報が多すぎて迷う
ネット上にはさまざまな情報があふれており、「どれを信じればいいの?」と迷子になることも。基礎を飛ばしてしまったり、効率の悪い練習を続けてしまうリスクもあります。
今ならPerplexityなどのAIツールを活用する方法も考えられるでしょう。しかし、必ずしも適切な答えが得られるとは限りません。
AIは古い情報や、似ているけど異なるモノの情報をごちゃ混ぜにしてしまうことがあるので、結局私たちにも真偽を見極められるだけの知識が求められるのです。
独学で上達するコツ
独学でイラストを上達させるには、基礎を大切にし、模写やトレースでプロの技術を吸収しつつ、他人の意見や目標設定を活用して継続することが重要です。
これらを意識して取り組むことで、効率よく着実に画力を伸ばすことができます。
基礎をしっかり学ぶ
イラストの上達には「デッサン」「パース(遠近法)」「色彩」などの基礎力が不可欠です。デッサンやクロッキーは観察力を養い、物や人体の形を正確に捉える力を身につけるのに役立ちます。
おすすめは、信頼できる書籍(例:「やさしい人物画」など)や、プロが解説するYouTubeチャンネルを活用して、基礎から体系的に学ぶことです。
基礎を身につけることで、応用やオリジナル作品の幅も広がります。

ただ、始めたての時期からこういった基礎に時間を掛けすぎるのは、モチベ維持・効率の面からおすすめしません。描きたいものを描いて、必要だと感じた部分から学んでいくとよいでしょう。
模写やトレースを活用する
模写は、好きなイラストレーターの作品や写真を観察してそっくりに描き写す練習法です。これにより、形やバランス、プロのテクニックを体感しながら吸収できます。
トレースは、参考イラストの上から線をなぞることで線の引き方や構造を学ぶ方法です。どちらもただ写すのではなく、「なぜこう描かれているのか」「どんなバランスなのか」を意識して取り組むことが大切です。
模写やトレースを繰り返すことで、徐々に見本なしでも描ける力が身につきます。

何を身につけるにしても、真似から入るのが有効です。私は無意識にオリジナリティに固執してしまったせいで、遠回りの道を歩くことになってしまいました。
定期的に他人に見てもらう
自分だけで描いていると、どうしても気づけないクセや改善点が出てきます。
SNSにイラストを投稿してフィードバックをもらったり、イラスト仲間を作ってお互いにアドバイスし合うことで、客観的な視点を得られます。
また、プロの添削サービスを利用するのも効果的です。第三者からの意見は、成長のヒントや新しい発見につながり、モチベーションの維持にも役立ちます。
目標を設定する
「1ヶ月で10枚描く」「このキャラクターを自分が満足できるレベルで描けるようになる」など、具体的な目標を立てることで、日々の練習にメリハリが生まれます。
目標があると進捗を実感しやすく、達成感も得られるため、挫折しにくくなります。自分のペースに合わせて、短期・長期の目標を組み合わせるのもおすすめです。

目標は自分の力だけで実現できる目標にしましょう。例えば「多数のいいねをもらう」のように、様々な外部要因が絡む目標はNGです。
まとめ
イラストは独学でも十分に上達できますが、「自分の弱点に気づきにくい」「途中で挫折しやすい」という限界もあります。
本気で上達したい場合は、独学+αでオンライン教室や添削サービスを活用すると、より効率よく成長できます。
まずは独学で気軽に始めてみて、「もっと上手くなりたい!」「プロの目線でアドバイスが欲しい!」と感じたら、教室や講座を検討してみてはいかがでしょうか。
独学+αで効率アップ!オンライン教室・添削のススメ
独学でイラストを学ぶのは自由度が高くコストも抑えられますが、「自分の弱点がわからない」「壁にぶつかったときに行き詰まる」といった課題も出てきます。
そんなときにおすすめしたいのが、オンライン教室や添削サービスの活用です。
- 客観的なフィードバックで弱点が明確になる
- 自分に合ったカリキュラムで効率的に学べる
- プロのアドバイスで成長スピードが加速する
- モチベーション維持につながる
といったメリットがあり、独学の短所をきれいに補ってくれます。
ここでは、独学と組み合わせて効率よく上達できる人気サービスをいくつかご紹介します。

一部無料で試せるサービスもあるので積極的に活用しましょう!
Coloso.

Coloso.はVOD型(ビデオ・オン・デマンド)のオンライン教育サービスで、一回購入すれば無制限で視聴できます。
プロのイラストレーターや業界の第一線で活躍するクリエイターによる高品質な講座が多数揃っており、美術解剖学・キャラクターデザイン・背景・アニメーションなど専門性の高い内容が学べます。
基本的には動画視聴型で添削サポートは標準では付属していませんが、メールでの質問が可能な場合もあります。
無料では出会えないような深い内容を取り扱った講座が多いため、特に本格的にスキルアップしたい中級者~上級者におすすめしたいです。
パルミー

パルミーは動画視聴形式のオンライン講座。200超の講座が視聴でき、初級者から上級者まで幅広い層におすすめです。
講座は1コマ約30分と短いため、スマホやパソコンがあればスキマ時間に受講できます。
また各テーマに絞ったコース授業も用意されており、たくさんありすぎてどれを受けたらいいか分からないという人も安心です。
さらに長期プラン限定で月に1回プロによるイラスト添削も受けられます。
料金は月額定額制。予想外の出費がなく、オンラインに特化しているため比較的リーズナブルに抑えられます。
7日間の無料お試しがあるので、長期休暇などの機会に一度体験してみては。
sessa

sessaは、プロのイラストレーターによる添削専門サービスです。自分の描いたイラストを送ると、プロが構図・塗り・バランス・色使いなど多角的に詳細なフィードバックをしてくれます。
依頼者がイラストを提出し、希望する添削者を選ぶか、募集をかけて応募者の中から選ぶことができます。
添削はコメント付きで返却されるほか、修正例やclipファイルなど具体的なデータを受け取れる場合も。
自分の弱点や改善点をプロの視点で客観的に知ることができ、過去の添削事例も多数公開されているため、他人の添削結果を見て学ぶことも可能です。
初心者から上級者まで幅広く利用でき、特に「自分の絵のどこを直せばいいか分からない」「ピンポイントでプロの意見がほしい」方におすすめします。
egaco home

egaco homeは、画力診断をもとに一人ひとりに合ったカリキュラムを提案し、プロ講師が添削指導を行う通信型サービスです。
最初に画力診断を受けることで、自分の得意分野や苦手分野が明確になり、目標に合わせた最適なレッスン内容が提案されます。
有料レッスンは1ヶ月単位で調整できるため、モチベーションやスケジュールに合わせて柔軟に取り組めます。
カリキュラムは「色彩力」「デッサン力」「構図力」「キャラクターの魅力」「世界観・背景」の5つがあり、イラスト制作に必要な要素を網羅。
無料の画力診断や一部レッスンも用意されており、気軽に始められます。
ココナラ
ココナラは、多彩なジャンルのクリエイターが集まるスキルマーケットで、イラスト添削も多数出品されています。
自分のイラストデータを送信するだけで、希望するクリエイターから添削やアドバイスを受け取ることが可能です。
添削内容や料金、納期などは出品者ごとに異なり、プロフィールや実績、口コミを確認しながら自分に合った添削者を選べます。
依頼方法が簡単で、料金も比較的リーズナブル。添削者の選択肢が多く、初心者から上級者まで自分に合ったサポートを受けやすいです。
Skeb

Skebは、有名なイラストレーターやクリエイターに直接添削やアドバイスを依頼できるコミッションサービスです。
「アドバイス」のジャンルを受け付けているクリエイターさんへリクエストを送ることで、イラストの添削や簡単なアドバイスを依頼できます。
依頼内容はイラストだけでなく、漫画や小説など幅広く対応しており、憧れのクリエイターに自分の作品を見てもらえる点が大きな魅力です。
ただし、金額ややり取りの細かな相談はできず、依頼が必ず受け付けられるとは限らないため、その点は注意が必要です。
これらのサービスは、それぞれ特徴や強みが異なるため、自分の目的や学習スタイル、予算に合わせて選ぶのがおすすめです。