動画編集にイラスト制作、デザイン、CAD、3DCG……といった様々な創作活動に適したPCを、メーカーはクリエイターPCとして売り出しています。
メーカーごとに展開しているクリエイターPCですが、どのPCを購入すればいいのか悩みどころではないでしょうか。
本記事では、クリエイターPCの購入を検討している方へ向けて、デスクトップ・ノート(ラップトップ)ごとにおすすめのクリエイターPCを紹介します。
またゲーミングPCとの違いやクリエイターPCの選び方も合わせて解説していますので、気になる方はそちらもぜひ読んでみてください。
クリエイターPCの選び方
普通のクリエイターPCに関してはメーカーが用途別に製品を用意してくれていることが多いため、それに従うのが一番失敗しづらいです。
ただ、それ以外からPCを選びたいという人もいると思いますので、筆者の独断と各PCストアで調べたスペックを元に、簡潔におすすめのスペックを紹介しておきます。
CPU | 最新 or 1世代前のCore i5 / Ryzen 5以上 |
グラフィック (GPU) | 最新 or 1世代前のGeforce RTX シリーズ |
メモリ | 16GB以上(8GBx2枚推奨) |
ストレージ | M.2 MVNe SSD 500GB~ |
筆者のPCはCPUがちょっと古い以外は上記のスペックにかなり近いのですが、これまでイラスト制作・デザイン・フルHDの動画編集・ゲーム・生成AIなど、様々な要求に対応してくれました。
用途によってはより多くのストレージが必要かもしれませんが、後からパーツを増設してもいいですし、それに抵抗がある人でも外付けストレージを使う形で補えます。
これだけの性能があれば、大抵の分野で入門レベルまたはそれ以上のPCとして十分通用するはずです。
おすすめのクリエイターPCメーカー
高い人気や品質へのこだわりがあり、かつ用途ごとに製品が用意されているという条件で、初心者にもおすすめなPCメーカーを厳選しました。どこで購入するか迷った際の参考にどうぞ。
・マウスコンピューター
DAIVというクリエイターPCを販売しています。著名なクリエイター達の使用実績に裏付けされた確かな性能と国内生産(※一部製品を除く)による信頼性の高さが強みです。デスクトップPCのケースはハンドル・キャスター付きで移動がしやすいデザインになっています。
・パソコン工房

SENSE∞というブランドで展開しており、高いコストパフォーマンスを誇ります。ラインナップが他のメーカーと比べてもより細かく分かれており、自分に合ったクリエイターPCを選びやすいです。また、ノートPCの液晶ディスプレイに関してはiiyama製を採用しており、高品質です。
・ドスパラ

ゲーミングPCブランドのGALLERIAが人気のメーカー。クリエイター向けPCはRaytrekというブランドで、お絵かき用としてタブレット型の製品を出した実績もあります。過去に起こした電源まわりの問題が尾を引いてるのかネット上では悪評が散見されますが、当然ながら現在では改善されていますし、もし初期不良があったとしても無償修理に対応しています。

ずっと質が悪いままだったら今日まで生き残ることはなかったでしょう
・Sycom

品質重視で丁寧な組立にこだわっており、製品の信頼性が高いです。カスタマイズの幅も豊富かつ検証済みなので安心して好みのPCスペックに変えられます。ノートPCの取り扱いがなく、コスパ面では他メーカーが優秀ですが、より確かな品質のPCを求めるならSycomがおすすめです。
クリエイター向けデスクトップPCのおすすめ
10万円以下、エントリー向け、ミドルクラス、ハイエンド、ワークステーションの5つに分けておすすめのデスクトップ用クリエイターPCを紹介します。各PCがどの用途に合っているかも記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
10万円以下
低予算で購入したい方向けに10万円以下で購入できるクリエイターPCを掲載しています。安い分性能が物足りない場合がありますのでご注意ください。

メーカー | パソコン工房 |
製品名 | iiyama SENSE-M0P5-R55G-EZX-CSP [CLIP STUDIO PAINT] |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 |
価格(執筆時点) | 85,800円~ |
CPU | Ryzen 5 5600G |
グラフィック | Radeon Graphics(内蔵) |
メモリ ◎ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ ◎ | 500GB NVMe M.2 SSD |

この製品の注意点ですが、搭載されているOSが一つ古いWindows10となっています。Windows11搭載機をお求めの場合は別のPCを検討しましょう
エントリー向け

メーカー | パソコン工房 |
製品名 | iiyama SENSE-M07A-134-RBX [Windows 11 Home] |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 軽度の動画編集 / 3DCG制作 / 配信 |
価格(執筆時点) | 153,800円~ |
CPU | Core i5-13400 |
グラフィック | GeForce RTX 3060 12GB GDDR6 |
メモリ ◎ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ ◎ | 500GB NVMe M.2 SSD |
ミドルクラス

メーカー | ドスパラ |
製品名 | raytrek 4CXF |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 / 動画編集 / 3DCG / CAD / 配信 |
価格(執筆時点) | 239,980円~ |
CPU | Core i7-13700F |
グラフィック | GeForce RTX 4070 12GB |
メモリ◎ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ◎ | 1TB NVMe M.2 SSD |
ハイエンド

メーカー | マウスコンピューター |
製品名 | DAIV FX-I9G90 |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 / 動画編集 / 3DCG / CAD / 配信 |
価格(執筆時点) | 629,800円~ |
CPU | Core i9-13900K |
グラフィック | GeForce RTX 4090 24GB |
メモリ ◎ | 64GB (32GB×2) |
ストレージ ◎ | 2TB NVMe M.2 SSD |
ワークステーション
メーカー | Sycom |
製品名 | Lepton WS3900WRX80A |
おすすめの用途 | 科学技術計算 / 動画編集 / 3DCG / CAD |
価格(執筆時点) | 1,002,720円~ |
CPU ◎ | Ryzen Threadripper PRO 5975WX |
グラフィック ◎ | GeForce GT1030 2GB |
メモリ ◎ | 32GB (8GB×4) |
ストレージ ◎ | 1TB NVMe M.2 SSD |

標準のOSがWindows10である点、標準のグラフィックボードの性能が低い点には注意。どちらもカスタマイズ可能なので必要な方はお忘れなく
クリエイター向けノートPCのおすすめ
次はクリエイター向けノートPCのおすすめ紹介です。持ち運びが多い方、一からPC環境を揃える必要がある方はノートPCを検討してみてはいかがでしょうか。
10万円以下
低予算で購入したい方向けに10万円以下で購入できるノートPCを掲載しています。その分ディスプレイも含めて性能が物足りない場合がありますのでご注意ください。

メーカー | パソコン工房 |
製品名 | iiyama SENSE-15FH123-i5-UXSX [Windows 11 Home] |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 |
価格(執筆時点) | 99,800円~ |
CPU | Core i5-1235U |
グラフィック | Iris Xe Graphics(内蔵) |
メモリ ◎ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ ◎ | 500GB NVMe M.2 SSD |
エントリー向け

メーカー | マウスコンピューター |
製品名 | DAIV S4-I7G50CB-A |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 軽度の動画編集 / 3DCG制作 |
価格(執筆時点) | 149,800円~ |
CPU | Core i7-1260P |
グラフィック | GeForce RTX 3050 4GB |
メモリ ◎ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ ◎ | 512GB NVMe M.2 SSD |
ミドルクラス

メーカー | パソコン工房 |
製品名 | iiyama SENSE-16FX163-i7-RM1X [Windows 11 Home] |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 / 動画編集 / 3DCG / CAD / 配信 |
価格(執筆時点) | 212,800円~ |
CPU | Core i7-13700HX |
グラフィック | GeForce RTX 4060 8GB |
メモリ ◎ | 32GB (16GB×2) |
ストレージ ◎ | 1TB NVMe M.2 SSD |
ハイエンド

メーカー | パソコン工房 |
製品名 | iiyama SENSE-17WG191-i9-XLZX [Windows 11 Home] |
おすすめの用途 | デザイン / マンガ・イラスト制作 / DTM / 写真編集 / 動画編集 / 3DCG / CAD / 配信 |
価格(執筆時点) | 499,800円~ |
CPU | Core i9-13900HX |
グラフィック | GeForce RTX 4090 16GB |
メモリ | 64GB (32GB×2) |
ストレージ ◎ | 1TB NVMe M.2 SSD |
クリエイターPCとゲーミングPCの違いは?
純粋なスペックだけ見るとゲーミングPCと変わらないように思いますが、クリエイターPCは一体何が違うのでしょうか?
メーカーによって異なる場合があるものの、クリエイターPCには次のような特徴が見られます。
- 用途ごとにラインナップがあり、パソコンに詳しくなくても選びやすい
- NVIDIA RTX A/Tシリーズのような業務向けのグラフィックボードが採用されているモデルがある
- SDカードスロットやUSBポートなどが豊富に搭載されていたり、高速で万能なThunderbolt端子を採用していたりと、接続端子まわりに力が入っている
- デスクトップPCのケースは見た目より利便性重視。現場での移動がしやすいようにキャスターや持ち手が付いたデザインのものもある
- ノートPCなら色の再現性・精度の高い液晶画面が採用されているため、グラフィック系の作業で即戦力になる
周辺機器の拡張性をUSBハブで補ったり、ケースに利便性を求めなければクリエイターPCにこだわる必要性は低いでしょう。
ただ用途ごとにラインナップが用意されている点や、USBハブのような機器を揃えなくてもはじめから豊富な拡張性を備えているのは、慣れないPC初心者にとって魅力的なメリットです。
特にクリエイター向けのノートPCでは色の再現性・精度が高いディスプレイも付いてくるため、初心者だけでなく外出先で作業をしたいプロの方でもおすすめできます。

以上、参考になれば幸いです