こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。
ペンタブ・液タブといえばワコムのイメージが根強いですが、他のメーカーと何が違うのか気になったことはありませんか?
本記事ではワコム製品の特徴と、執筆時点で展開されている液タブの各シリーズを解説します。
近年は他のメーカーもクオリティが上がってきており、非常にコスパよく液タブを入手できるようになりました。
そんな中でワコム製を選ぶことにどんなメリットがあるのか、記事を通して確認していただけたらと思います。
ワコム製液タブの特徴
・日本メーカー
HuionやXP-Pen、Gaomonといった多くのペンタブメーカーが中国という中で、ワコムは数少ない日本のメーカーです。
「数少ない」と表現していますが、液タブではワコム以外のメーカーを聞きませんね。
応援の気持ちを込めてワコム製品を購入するというのも、理由としてありだと思います。
ただし日本メーカー=日本製というわけではないため、メイドインジャパンに強いこだわりのある方はその点だけ注意が必要です。
実用面でのメリットは、説明書やオンラインマニュアルがまともな日本語で書いてある点が挙げられます。
操作が不慣れな初心者にとっては、これだけでワコムを選ぶ理由になり得るのではないでしょうか。
・最大手でユーザーが多い
競合他社が力を付けてきたとはいえ、依然としてワコムが最大手です(参照元)。
2021年時点の情報ではありますが、変わらず高い人気を維持していると考えてよいでしょう。
これほど多くの人に買われ続けているということは、相応に良い商品だからこそだと言えます。
ユーザーが多いとネット上の関連情報も充実するため、トラブルに見舞われても解決策を探しやすいです。
またワコム製の液タブは取り扱っている家電量販店が多く、気軽に実物を試用できるという強みもあります。
・ペンの性能が優秀
他メーカーの液タブをいくつか使ってきた上での個人的な意見になりますが、ペンの性能に関してはやはりワコムが一番な印象です。
ペンの沈み込みや安定感、滑りといった点では他社製も引けを取らない反面、傾き検知を使った際の表現幅では頭一つ抜けています。
↓Huion Kamvas Pro 16(2.5K)の場合
縦・横はそれなりに幅が出ますが、斜め方向が安定しません。
↓Wacom Cintiq 16の場合
同じツール・設定でここまで描画に違いが出ます。
最初に使った液タブがCintiq 16だったので、他社の液タブに触れるまではこれが当たり前だと思っていましたね。
実は私が現在使用しているのはKamvas Pro 16(2.5K)なのですが、傾き検知を多用するスタイルだったらCintiq 16を使い続けていたと思います。
・コスパの良さはいまひとつ
ワコムの液タブは他社の同等クラスの製品と比べて値段が高いです。
いくらワコム製が優れていると言っても、今では他社の製品とそこまで大きな差がありません。
9万円のワコム製と同等の性能を持った液タブが5~6万円で買えるなら、果たしてどれくらいの人がワコム製を選ぶでしょうか。
とはいえ、安物買いの銭失いをしたくない人なら、多少高くてもワコムの液タブを買うのが確実です。
後で買い直すくらいなら、初めから良いものを買っておいた方が結果として出費が安く済みますからね。
おすすめはどれ? ワコム製液タブのラインナップ
普段の記事では数点に絞り込んで紹介するところですが、今回はワコム製品のみで数が多くないため、各シリーズの紹介と、それぞれがどんな人におすすめかを解説する構成になっています。
多くの人にとっては何よりまず予算の問題があると思うので、価格の安いWacom Oneシリーズから順に解説を進めていきます。
ぜひ予算内で自分に合った液タブを探してみてください。
Wacom One
(出典: Amazon)
製品一覧 |
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Wacom One 液晶ペンタブレット 12 |
Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch |
【予算の目安: 5万円~】
ワコムで一番安いエントリー向けの液タブがWacom Oneシリーズになります。
12~13インチと液タブとしては小型で、持ち運びがメインの人にもおすすめ。一部のAndroid機でも使用可能です。
ペンについては、上位機種とは異なるWacom One独自のものが採用されています。
文房具メーカーからも専用ペンが発売されており、様々なペンから好みのものを使えます。
デメリットは先程も述べたように小型であることです。画面が窮屈なので、キャンバスのズームや移動を多用することになります。
また筆圧レベルは4096段階となっており、現行の液タブの中では控えめです。
予算の目安は5万円~としていますが、サイズやモデルによって大きく変動します。
※下の商品リンクは3in1ケーブル付属モデルではないため、PCで使う方は注意してください
Cintiq
(出典: Amazon)
製品一覧 |
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Wacom Cintiq 16 |
Wacom Cintiq 22 |
【予算の目安: 9万円~】
元々エントリー向けでしたが、Wacom Oneが登場してからはアマチュア向けのような位置づけに。
初心者・アマチュアにとどまらず、このシリーズを使用しているプロの方も見かけます。
このシリーズの大きな特徴と言えるのが、Cintiq Proと同じWacom Pro Pen2を採用している点です。
個人的には、今でも表現の幅に関してはWacom Pro Pen2が他のメーカーより同等以上だと思っています。
描き心地といえばiPad Proも評判が良いですが、Cintiqはサイズの大きさで差別化できます。
画面が大きいと作業の疲労感も少ないため、一度慣れてしまうとスマホでお絵描きするのが考えられなくなるかもしれません。
Cintiq Pro
(出典: Amazon)
製品一覧 |
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Wacom Cintiq Pro 16 |
Wacom Cintiq Pro 17 |
Wacom Cintiq Pro 22 |
Wacom Cintiq Pro 24 |
Wacom Cintiq Pro 24 ペンモデル |
Wacom Cintiq Pro 27 |
【予算の目安: 20万円~】
名前の通り、プロ向けとして作られた液タブがCintiq Proシリーズです。
Cintiqと比べて解像度が4Kと高めで、16インチから27インチまで幅広いサイズが揃っています。
色域もAdobeRGBをほとんどカバーしているほどの広さで、ペンモデル以外はタッチ機能に対応している点もこのシリーズの特徴です。
そして新型のCintiq Pro(17/22/27)には、Wacom Pro Pen3が採用されている点も大きなポイントと言えます。
なんとWacom Pro Pen3では、作業スタイルに合わせてグリップの太さやサイドスイッチの数、ペンの重心をカスタマイズできちゃいます。ここまでできるペンは他に聞いたことがありません
プロ向けなだけあってあらゆる要素が高レベルに仕上がっているCintiq Proシリーズですが、なにせとんでもなく高価ですので、初心者がいきなりこのシリーズを購入するのはおすすめしません。
Wacom Movink
(出典: ワコム)
製品一覧 |
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Wacom Movink 13 |
【予算の目安: 11万円~】
Movinkシリーズは、いわば「ワコムがどこでも持ち運べる液タブを本気で作ったらこうなった」という製品です。
最薄部はわずか4mm、重量も420gとワコム史上最軽量を実現しています。これは現行のiPad Proと比べても薄く軽いです。
また、ワコム初の有機ELディスプレイを採用しており、従来よりも応答性能は早く、視差はより少なく、発色はより鮮やかになりました。
Pantone®認証も取得済みで、正確な色再現性にも長けています。
対応ペンも多く、Wacom Pro Pen 2と3の両方と、文房具型のデジタルペンが利用可能です。
その上タッチ入力もできるため、私ならWacom One 13 touchよりももうちょっとお金を出してこっちを買いますね。
ただ一点、タブレットのように単体では使えないので注意しましょう。
まとめ
日本のメーカーであること、長年の実績と高いシェア率に裏付けされた信頼性の高さがワコムの魅力です。
確実に良い製品を手にしたい人にとっては、依然としてワコムが有力な選択肢となるでしょう。
同じワコムの液タブでもシリーズごとに価格も特徴も大きく異なるため、各々の予算や目的に合わせてじっくり比較検討していただけたらと思います。
最期に各シリーズについて表でまとめましたので、ぜひそちらもご活用ください。
(執筆時点) | Wacom One | Cintiq | Cintiq Pro | Wacom Movink |
予算の目安 | 5万円~ | 9万円~ | 20万円~ | 11万円~ |
画面解像度 | フルHD (1920×1080) | フルHD (1920×1080) | 4K (3840×2160) | フルHD (1920×1080) |
画面サイズ | 11.6インチ 13.3インチ | 15.6インチ 21.5インチ | 15.6インチ 17.3インチ 21.5インチ 23.6インチ 26.9インチ | 13.3インチ |
ペン | Wacom One スタンダードペン | Wacom Pro Pen2 | 16/24: Wacom Pro Pen2 17/22/27: Wacom Pro Pen3 | Wacom Pro Pen2 Wacom Pro Pen3 文房具型デジタルペン |
マルチタッチ機能 | 12: × 13: ◯ | × | ペンモデル: × それ以外: ◯ | ◯ |
その他特徴 | 一部のAndroidに対応 文房具メーカー製の対応ペンが使用可能 | – | 高い色表現力 ExpressKey搭載 ※16インチモデル除く リフレッシュレート120Hz(新型) など | 有機EL 高い色表現力 ワコム史上最薄・最軽量 一部のAndroidに対応 |