かつてワコム一強だったペンタブ業界も、近年では競合メーカーが力を付けてきました。そのメーカーの一つが、今回紹介するHuion(フイオン)です。
安いだけで品質が悪かったら価値を見出すのは難しいですが、性能も高水準なHuionの製品は、非常に高いコスパを誇っています。
かくいう私自身も、Huion製の液タブには長らくお世話になっており、次の買い替え先でもワコム製と迷っているほどです。
本記事では、そんなHuionの液タブを各シリーズごとに解説していきます。
自分に合った液タブを探している、液タブ選びで失敗したくないという方はぜひご覧ください。
Huionにはどんな液タブがあるのか、どういった特徴があるのか、この記事を通して確認していただけたら幸いです。
Huion製液タブの特徴
「HUION(フイオン)」は2011年設立のペンタブレットメーカーで、本社は中国にあります。日本を含め、欧米やアジアの100を超える国と地域で展開しているグローバル企業です。
▶コスパが良い
ただ安いだけでなく、性能・品質ともに高水準にまとまっており、コスパが良いとはまさにこのことだと思います。Huionの会社情報で品質管理の徹底ぶりをアピールしているのも納得です。

私自身長く使ってきましたが、不具合や不良を見つけるのが難しいくらいで、品質にはかなりの信頼を置いています。
また高解像度の液タブが他社よりも比較的安い価格で入手できるため、限られた予算で少しでもリッチな環境を整えたいという人にピッタリです。
▶Android対応機が充実している
Huion製の最新液タブであれば、一部のAndroidスマホ・タブレットに接続して使用できます。
個人的に驚いたのが、22インチや24インチといった大型の液タブまでもがAndroidに対応している点ですね。
12~16インチの液タブなら他社でもAndroid対応機は充実しているのですが、大型まで対応しているのは私が見た限りではHuionだけです。
PCを持っていない・買う予定がない、かつ液タブに対応するAndroidデバイスがあるなら、Huionの液タブは最有力の候補となるでしょう。
▶日本限定の豪華版がある
一部のモデルに限られるものの、内容物が充実した日本限定版なるものが存在します。
追加されるのはステッカーやカードなどの、いわゆるオマケ的なアイテムが多めです。しかしUSBケーブルのように、使用環境次第では重要なものが含まれていることもあるので侮れません。
もし通常版と豪華版が存在する製品を購入する場合は、事前に両方の内容物を比較しておくことをおすすめします。
ちなみにAmazonの商品ページで確認したのですが、保証が18ヶ月と通常版よりも長く設定されているようです。ただ公式ストアでは1年となっているので、これは鵜呑みにしない方がいいかもしれません。
▶ペンが優秀
Pentech3.0を採用したペンが使いやすいのも長所として挙げられます。グリップのおかげで握りやすいですし、ペン先も高い安定性を誇ります。
デザインの面でも銀が差し色として使われており、安っぽくないというのも良い点と言えるでしょう。

表現の広さではワコムまでとはいきませんが、ペン先のガタツキや沈み込みが少なく、液タブの上を走らせている時の摩擦感にムラが少なかったりと描き心地が良いです。
個人的には、標準芯で使うこのペンが今まで使ってきた中でのお気に入りだったりします。
ただ一点、テールスイッチ(消しゴム)部に何も付いていないことには留意しておきましょう。
▶商品説明の日本語が不自然

製品そのものへの不満ではないのですが、翻訳が不自然だったり、使われている漢字が日本のとは微妙に違っていたりと、商品説明の日本語はお世辞にも良いとは言えません。
ユーザーマニュアルの方は翻訳がしっかりしているだけに、なおさら気になるんですよね。
商品の魅力を伝える大事な部分なので、できればこういった部分も頑張ってほしいと思います。
こんな人におすすめ! Huion製の液タブ紹介
ではここから、Huionが販売している液タブをシリーズごとに紹介していきます。
Huionの液タブを選ぶコツは、新しめのペンを採用している製品に絞ること。2023年9月現在では、Pentech3.0以降のペン(PW517・PW550系)がおすすめです。
描き心地は重要なので、技術が向上している新しいペンを優先しましょう。
販売サイトによっては古い製品が混ざってることもあるのでご注意ください。
Kamvasシリーズ

製品一覧(公式ストア参照) |
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Kamvas 16(2021) |
Kamvas 12 |
Kamvas 13 |
Kamvas 22 |
Kamvas 22 Plus |
Kamvas 24 |
Kamvas 24 Plus |
【予算の目安: 2万5千円~】
KamvasはHuionの液タブではエントリーモデルにあたるシリーズで、ワコムで言うところのWacom One・Cintiqシリーズに近いです。
ラインナップは12インチの小型から24インチの大型までと、幅広いサイズが揃っています。
低価格でありながらも不足を感じさせない高い性能を兼ね備えているため、このシリーズで満足できてしまうかもしれません。
内容物も充実しているので、これから始める初心者にはなおさらオススメです。
Kamvas Proシリーズとの大きな違いは画面の解像度に出ており、24インチ以外はフルHD(1920×1080)と控えめになっています。
Kamvas Proシリーズ

製品一覧(公式ストア参照) |
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Kamvas Pro 24(4K) |
Kamvas Pro 16(2.5K) |
Kamvas Pro 13(2.5K) |
Kamvas Pro 16(4K) |
Kamvas Pro 16 Plus(4K) |
Kamvas Pro 12 ※旧型 |
Kamvas Pro 13 ※旧型 |
Kamvas Pro 16 ※旧型 |
【予算の目安: 5万円~(旧型は3万円~)】
名前のとおり、Kamvasの上位互換にあたるシリーズ。主に解像度や色域といったディスプレイ性能が高くなっているほか、フェルト芯が付属していたり設定メニューが使いやすくなっていたりなどの違いがあります。
KamvasもKamvas Proも16インチのモデルを使ったことがありますが、使用するペン自体が一緒なのもあってか、解像度や色合いを除けば使用感に大きな差は感じられませんでした。
予算に余裕がないならKamvasシリーズでも十分だと思っています。Kamvas Proは少しでも快適な作業環境が欲しい人向けですね。
もし解像度が4Kの液タブを検討しているなら、16インチよりも思い切って24インチを選んだ方が高解像度のメリットを感じやすいと思います。
Kamvas Studioシリーズ

製品一覧(公式ストア参照) |
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Kamvas Studio 16 |
Kamvas Studio 24 |
【予算の目安: 30万円~】
PC一体型液タブであるKamvas Studioシリーズは、普通の液タブと異なり単体での使用が可能です。
24インチモデルでも電源ケーブル1本で動くのでデスク周りがスッキリしますし、16インチモデルならバッテリー搭載なので持ち運びも視野に入るでしょう。
また、マルチタッチ対応という点もKamvas Studioならではの特徴で、多様な入力方法により作業効率の向上が期待できます。
PCとしての性能も中々高く、24インチモデルに内蔵されているパーツは、エントリー向けのゲーミングPCと肩を並べるほどです。
値段が非常に高いですが、それに見合ったオンリーワンの魅力がギッシリと詰まっています。
まとめ
Huionの液タブは、とにかく高いコストパフォーマンスが魅力です。
特にKamvasシリーズは安価にもかかわらず十分すぎるほどの性能で、初心者から経験者まで幅広くおすすめできます。
ペンに関してもグリップのおかげで滑りにくく、ペン先の沈み込みやガタツキが少ないなど、全体的に優秀です。
お手頃価格で使いやすい液タブを探しているという方は、ぜひHuionを検討してみてはいかがでしょうか。
最後に各シリーズの比較表を掲載しましたので、購入時の参考にお役立てください。
(2023年 9月時点) | Kamvas | Kamvas Pro (旧型除く) | Kamvas Studio |
予算の目安 | 2万5千円~ | 5万円~ | 30万円~ |
画面解像度 | ・フルHD (1920×1080) ・QHD (2560×1440) | ・QHD (2560×1440) ・QHD+ (2560×1600) ・4K (3840×2160) | ・QHD (2560×1440) |
画面サイズ | 12: 11.6インチ 13: 13.3インチ 16: 15.6インチ 22: 21.5インチ 24: 23.8インチ | 13: 13.3インチ 16(4K): 15.6インチ 16(2.5K): 15.8インチ 24: 23.8インチ | 16: 15.8インチ 24: 23.8インチ |
ペン | PW517 | 旧型: PW507 現行機: PW517 | PW550 / PW550S |
マルチタッチ機能 | × | × | ◯ |
その他特徴 | – | ディスプレイ性能が高い フェルト芯が付属する製品も | 単体で使える OSがWindows Pentech3.0+の新型ペン付属 |