板タブ・液タブ

【初心者向け】液タブってなに?タブレットとの違いやメリット・デメリットを解説

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デジタルイラスト・マンガの制作に興味がある人なら、液タブという単語を目にしたことがあるはずです。

液タブが何か簡単に説明すると、画面がペン入力に対応したデジタルイラスト用の機材のことであり、アナログの画材に近い操作性でお絵かきが可能になります。

本記事では、液タブがどんな機材かをより理解できるように、特徴やタブレットなどとの違いを初心者向けに解説します。

液タブのことを正しく知れば、自分に必要なのかどうか判断できるようになりますので、タブレットとごちゃ混ぜになっている方はぜひ読んでみてください。

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液タブでできること

液タブとはペンで画面をタッチして操作できるモニターです。指でのタッチができるのは一部の高級機のみで、基本的には対応していないと考えてください。

液タブ単体では何もできず、PCに接続することで機能します。

最近だとスマホ・タブレットと接続できる製品もありますが、スマホ・タブレット側の対応機種が少なく、執筆時点ではまだまだこれからといった感じです。

デジタルイラストを制作する手段は数あれど、直感的な操作性で、かつ大画面に直接ペンを走らせてお絵かきできるのは液タブならでは。

画面が大きいと拡大・縮小の手間が減るため、作業スピードの改善も期待できます。

またお絵かき用として使うだけでなく、動画編集や3DCG制作などのクリエイティブ作業とも相性が良いです。

液タブのデメリット

1. 単体だとただの板

「ペンで操作できるモニター」と表現したように、液タブはあくまでもマウスやキーボードのような周辺機器であって、PCがないと何もできません。

京時
京時

見た目がタブレットっぽいせいで、単体で動くと誤解されがち…

一から機材を揃えるならPCも必要となるため、ある程度の出費は覚悟しておくべきでしょう。

PCと一体化していて単体で動く液タブが存在しますが、数が少なく価格も非常に高いです。本記事では一般的な液タブの場合を前提に話を進めていきます

2. バッテリー非搭載

液タブ本体にバッテリーは内蔵していないので、使用時には必ずPCやコンセントから給電する必要があります。

また、22インチや24インチくらいの液タブになるとACアダプターを使って給電するようになるため、ケーブルが邪魔になりやすいです。

移動しないならそこまで気になりませんが、持ち運ぶ際はほぼ確実に足を引っ張ることになるでしょう。

3. スペースを取る

普通のモニターと違って机の上に置く&倒して使うわけなので、その分のスペースが必要になります。

当然大型の液タブであるほど場所を取るため、液タブに合わせてデスク周りをセッティングしなくてはなりません。

京時
京時

さらにPCの分もスペースを取られるので、机の上が窮屈になりやすいですね

小型の液タブならタブレット相当のサイズですが、それだと液タブにこだわる意味が薄くなってしまうのが悩ましいところです。

4. 持ち運びは得意ではない

最近の液タブは薄く、軽くなってきているとはいえ、タブレットのコンパクトさには勝てません。

液タブを使うためのノートPCが必要な時点で荷物が増えますし、仮にスマホへ接続できるとしてもケーブルを持ち歩くことになります。

京時
京時

スマホ接続はバッテリー消費が不安になるので、モバイルバッテリーも欲しくなりますね

持ち運ぶことが多いなら、素直にタブレットを使った方が快適です。

液タブのメリット

1. 大画面でお絵かきできる

(画像元: Amazon

大きな画面の上にペンを走らせたいなら液タブ一択。タブレットと違って持ち運びやすさを考えなくてよいため、22~27インチといったサイズが実現できています。

一方でタブレットと同等サイズの小型液タブも存在するように、制作スタイルに合わせた製品選びがしやすいのもメリットです。

2. お絵かきに必要な機材が一気に揃う

液タブを買うだけでペンタブ・モニターの両方を手に入れられるといっても過言ではありません。

専用のペンがついてくるだけでなく替芯も数本入っていますし、製品によってはスタンドが付属していることだってあります。

別売りのアクセサリーのことであれこれ悩まなくていいという点では、初心者にやさしいです。

3. 充電不要・ペアリング不要のペンが付属

充電不要・ペアリング不要のペンが付属

液タブなら、ペンを接続するためだけにBluetoothのペアリングをするなんて手間とは無縁です。

またペンはバッテリーなしで使えるため、バッテリー残量に怯えることなくお絵かきに集中できます。

4. 画面に指が触れても大丈夫

液タブはペンだけにしか反応しないため、指や手が触れることによる誤操作の心配がありません。

iPadだとパームリジェクションという機能がついたペンを使ったり、手袋を着けたりといった対策が必要です。

液タブでも対応している機種がまれに存在しますが、そういった製品でもオンオフが自由に切り替えられるようになっています。

5. 安価な液タブでも十分なスペック

怪しいメーカー(※)の商品でもない限りは、Apple Pencilの値段にちょっと足した程度で買えるようなエントリー向け液タブであっても必要最低限のスペックがおさえられています。

どの液タブも液晶画面は非光沢のIPSパネルを使ってますし、ペンの遅延も体感ではわからないレベルです。

※液タブメーカーはWacomHuion、XP-Pen、Xencelabsあたりがおすすめです。

6. サブモニターとしても使える

サブモニターとしても使える

新しい液タブに買い替えたり、お絵かきしなくなったりして使わなくなったときも、サブモニターとして有用です。

液タブに採用されている液晶画面は視野角が広いため、多少角度のある場所からでも問題なく画面の色が見えるようになっています。

類似品との違い

ここまで解説した液タブの特徴を踏まえて、今度は各デバイスと比べてみての違いをみていきましょう。

どれがベストだというものではないので、自分に合っているかどうかを基準に機材選びをしてみてくだださい。

ペンタブ(板タブ)

ペンタブ(板タブ)

ペンタブを一言で表すと、液タブから画面を取り除いたようなもの。映すためのモニターが別途必要になります。

モニターを見て描くということは、ペンを動かす場所と表示される場所が別々になっているわけで、この独特の使用感には慣れが必要です。

ただ液タブのように下を向くことが少なくなるため、身体への負担が軽いという点ではメリットともいえます。

液タブがまだ高価だった頃はペンタブで描くのが一般的でしたが、低価格帯が充実してきた今では液タブの方が主流です。

とはいえペンタブの方が安く買えるのは相変わらずで、1万円前後でデジタルイラスト環境を手に入れたいならこれ一択になります。

初心者には液タブが無難に使いやすくておすすめですが、ペンタブを好む絵描きさんもいるように、必ずしも『液タブがペンタブの上位互換』になるとは限りません。

もし液タブが合わないと感じたのなら、一度ペンタブを試してみるというのもアリだと思います。

タブレット(iPadなど)

タブレット(iPadなど)

タブレットは画面が大きくなったスマホのようなものですね。

iPadを使う絵描きが増えているように、高性能なタブレットであればデジタルイラストの機材として有力な選択肢となっています。

液タブと違って単体で機能するため、PCが必要ありません。

お絵かきをしなくなっても色々な使い道があるおかげで腐りづらく、これからデジタルイラストを始める初心者にもおすすめできます。

またタブレット1つで動くということはケーブルに縛られることがないですし、ノートPCを一緒に持ち歩かなくてもいいので持ち運びにも最適です。

欠点を挙げるなら、PCの完全な代わりにはなれない点(フル機能でアプリが使えないなど)、画面の大きさで液タブに及ばない点でしょうか。

液タブとiPadについて比較した記事も書いているので、どちらかで迷っている人はそちらも参考にしてみてください。

2 in 1 PC(タブレットPC)

2 in 1 PC(タブレットPC)

(画像元: Amazon

タブレット状に変形できるノートPCを2 in 1 PCといいます。

普通のノートPCが開けるのはせいぜい180°以内ですが、2 in 1 PCは360°開けるようになっています。表に画面が、裏にキーボードが見える形となるわけですね。

液タブとの違いは、これ自体がPCであるため、タブレット同様に単体で動作する点です。

ただし、液タブのようにお絵かき用を想定して作られているわけではないため、購入する際は念入りに調べておかないと後悔するかもしれません。

またタブレットと比べると重め・大きめで、まともな性能を求めようとすると価格も高くなりがちです。

しかし豊富な端子を生かして環境をグレードアップできたりクリエイティブ系ソフトをフル機能で使えたり(※OSがWindowsの場合)など、価格相応の強みがちゃんとあります。

そして何よりPCである=液タブが接続できるという点を忘れてはいけません。

外出先では2 in 1 PC単体で、家に帰ったら大画面の液タブに接続してお絵かきをする…といった柔軟な使い分けができるのは非常に魅力的です。

もし2 in 1PCを購入するのであれば、Windowsを搭載した製品がおすすめです。

Chromebookは対応している液タブが現状少なく、クリエイティブ系のソフトも使える機能がタブレット相当になります。

タッチパネルモニター

(画像元: Amazon

画面上で直接操作できるモニターという意味では液タブにかなり近い存在かもしれません。

タッチパネルモニターは指でのタッチができるのに対し、液タブは専用のペンだけに反応するという点が異なります。

対応するタッチペンを用意すれば、液タブっぽく使うのは一応可能です。だからといって、お絵かき用としてタッチパネルモニターを選ぶというのはおすすめしません。

大型サイズが比較的安く買えたり、ベゼル(縁)が薄くて見た目が良かったりするくらいで、最初からクリエイティブ用途を想定して作られた液タブの代用としては厳しいです。

同じ価格帯、または少し余分に払って液タブを買いましょう。

液タブの値段は?

2~4万円

(画像元: Amazon

小型(~13インチ)の液タブがほとんどの低価格帯で、セール次第では2万円切りも狙えます。

大手メーカーWacom(ワコム)の最安価モデルもこの価格帯で購入可能です。

旧型の15.6インチがアウトレットなどでこの価格で買えることもありますが、性能も旧型相応なのであまりおすすめできないですね。

もうちょっと奮発して新しい機種を買った方が快適にお絵かきできます。

▶4~6万円

(画像元: Amazon

中型(15.6インチ前後)の液タブはこの価格帯に集中しています。4万円前半でも十分なサイズ・使用感の液タブが入手可能です。

また22インチの大型液タブも視野に入ってくるため、液タブの選択肢が一気に広がります

液タブを購入するなら最低でもこのくらいの予算を確保しておくのがおすすめです。

▶6~10万円

(画像元: Amazon

大型(21.5~23.8インチ)の液タブやプロ仕様の中型液タブは6~10万円であることが多いです。

定番の液タブ『Wacom Cintiq 16』は値上げされましたがギリギリこの価格帯に入ります。

解像度2K(WQHD)の製品も候補になるため、ちょっと背伸びしてリッチな環境を求めるなら狙い目と言えるでしょう。

▶10万円~

(画像元: Amazon

Wacomの大型・プロ向け機種や、PC一体型液タブを考えているなら10万円を超えます。

製品によって価格が大きく異なり、10万円台で買えるものもあれば、30万円や50万円で販売されている機種もあったりと様々です。

もちろん初心者が手を出せるような価格帯ではないため、標準的な液タブで満足できなくなってから検討しましょう。

まとめ: 液タブはこんな人におすすめ

あらためて液タブとは何かを説明すると、クリエイティブ作業向けの、ペンで操作できるモニターです。

単体では動かないですし、タブレットほど持ち運びが得意ではないですが、液タブならではの強みが確かに存在します。

  • 大きな画面でお絵かきがしたい
  • ペンが充電不要・指で触れても反応しない点に魅力を感じる
  • PCを中心に快適なデスク環境を作りたい

という人にはぜひ液タブを検討していただきたいです。

本ブログでは初心者におすすめの液タブも紹介している記事もあるので、あわせてそちらも読んでみてくださいね。