【2023/11/21追記】日本限定版が現在購入できない状況となっています。S620を購入する際は、通常版をご検討ください。
今回は新しく日本限定版が発売されたGAOMONの板タブS620の実機レビューです。
S620は通常版なら3,000円後半、日本限定版なら約5000円と低価格で購入できるため、「ペンタブを体験してみたい!」という方の候補にもなります。
またサイズがとにかく小さいので持ち運びがしやすく、机の上のスペースを取らない点が魅力です。
本記事ではそんなS620の使用感を、液タブ・板タブを複数台レビューしてきた筆者の経験をもとに解説していきます。
デジタルイラストに挑戦してみたい方や、スマホからのステップアップにペンタブの購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
基本スペック
▶つまり結局このスペックってどうなの?
標準レベルにはわずかに及ばないものの、必要最低限の性能は備えています。
サイズが小さいこと、傾き検知非対応であることの2点さえ受け入れられれば、イラスト制作も可能です。
傾き検知対応をうたいながらもほとんど使い物にならない製品もあるので、それよりはずっとマシに思います。

4~5000円で買えるペンタブとしては妥当です
外観・内容物(開封レビュー)
ここからは実物の外観・内容物をお見せしていきます。
まずは外箱から。日本限定版なので特別なパッケージとなっています。

写真だと伝わりにくいですが外箱のサイズもかなり小さいです。

今までレビューした機種はAmazonから箱で届いていましたが、今回はなんと簡易梱包でした。
次は中身の紹介です。
全部並べたのが下の写真。日本限定版の内容物には「Gift」のシールが貼られています。

全内容物をリストにまとめると、以下の通り。
- S620本体
- デジタルペン AP32
- Micro USBケーブル
- 替え芯 8本
- 芯抜き
- クイックスタートガイド
- ペン入れ
- USB Type-C変換アダプタ
- 替え芯 追加8本(日本限定版)
- オリジナル付箋(日本限定版)
- 2本指グローブ(日本限定版)
通常版と日本限定版は上記付属品の有無とパッケージデザインの2点が異なります。
それ以外に違いは無いため、購入の際は付属品が必要かどうかで判断しましょう。
上のリストを作った後、USB Type-C変換アダプタが見つからないことに気づきました。
先ほどお見せした写真にも写っていないはずです。

必死に探しまわった結果、中枠の裏に入り込んでいるのを発見。
危うく欠品扱いにするところでした。

こういうことが時々あるので確認は念入りに行いましょう
気を取り直してペンタブ本体を見ていきましょう。
表の白いドットが付いている部分が作業領域です。Android接続時は左側3分の1くらいを作業領域として使います。


見た目は決して高級感があるとは言えませんが……まあこんなもんだよね、という感想です。
ちなみに描いている時は右上のGAOMONロゴの「A」の一部がオレンジ色に光ります。

サイズ感が分かるように様々なデバイスを並べて撮影してみました。
スマホを横に2.5台分並べたようなサイズで非常にコンパクトですし、重さもスマホと同等かそれ以下なので、持ち運びやすさに関してはベストに近いペンタブです。
ドライバーのインストール・初期設定
PCでペンタブを使用するにはドライバーのインストール作業が必要になります。
GAOMONのドライバーはインストール手順が少なく画面がシンプルです。
あくまでも他社製と比較しての話ですが、PCを使い慣れていない人でも分かりやすくなっています。
- STEP 1公式ページから製品名を選択してドライバーをダウンロード
- STEP 2
設定ソフトの画面はこのようになっています。

以前同社の製品をレビューした時も思いましたが、相変わらずUIがシンプルですし、日本語の文章が他の海外メーカーよりもしっかりしています。
描き心地のレビュー
描き心地についてのレビューでは
- ペンの握りやすさ
- ペン先の沈み込み
- ペンタブ表面の質感
- 傾き検知の性能
の4項目に分けて解説しています。
気になる項目があればぜひ参考にしてみてください。
ペンの握りやすさ

このペンは以前でレビューしたGAOMON M10K PROに付属していたペンと同じAP32というモデルです。
見ての通り太さが均一に近く、硬めのグリップが付いています。
またスリムタイプというよりは液タブに付属しているペンに近いデザイン・サイズ感です。
ペンボタンは他のペンと比べると硬めの押し心地なので、握っているときの誤操作が比較的起こりにくいように感じました。
全体的にクセがないため、握りやすさに関して不満点は特にありません。
ペン先の沈み込み
ペンが一緒なのでM10K PROの時の動画を使いまわそうかとも思いましたが、一応新しく撮影しました。
ペン先の沈み込みは他製品と比べて小さく、優秀な部類です。
横方向へのブレも少なく、描いていてハッキリと不快に感じるようなことはありませんでした。
ペンタブ表面の質感
紙っぽさというよりは、プラスチック感の強いザラザラです。
平均的な板タブ・液タブはサラサラと粒の細かい感じがする一方で、本製品は少し粒が粗いような感触がしました。
ペン先の素材やペンタブ表面の質感によっては、描いている時に「キュッキュッ」という不快な音が出ることがありますが、本製品のような質感であれば大丈夫でしょう。
傾き検知の性能
上の動画では、CLIP STUDIO PAINT PROで15pxの鉛筆ツール(傾き検知対応)を使用して線を描いています。
筆圧による濃淡以外に変化が見られませんが、そもそも傾き検知に対応していないためこれが正常です。
中途半端に対応しているよりも割り切って使えるので、手描き感を求めない人にとっては逆に良いことなのかもしれません。
まとめ: S620はどんな人におすすめ?
以上、GAOMON S620のレビューでした。
良かった点・気になった点をまとめます。
S620はサイズ込みでコスパを考えると値段相応かなと思いました。
やはり良くも悪くも小型。携帯性に優れる一方で、お絵描きで使うと感度が高く慣れが必要でした。
今まで液タブや大きめの板タブを使ってきた人にはメイン機としておすすめしづらいですが、低予算でデジタルイラストを始めたい人なら候補になりえるでしょう。
他にも小型であることを生かして、音ゲー「osu!」用、PCのマウス代わりといった用途で活躍できそうです。