イラスト関連機材板タブ・液タブ

Huion Inspiroy Frego Mを自腹レビュー! 性能良し・利便性良しの”雑に使える”ペンタブ

4.0
当ブログのリンクには広告が含まれています。

こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。

今回はHuionの「Inspiroy Frego M」を自腹で購入。ここ数年液タブを使ってきた私が、久々にメイン機として迎えた板タブとなりました。

1ヶ月ほどガッツリ使ってみたので、良いところ・気になったところをありのままお伝えします。

この製品をレビューされている方は少ないようですので、本記事を通して私のように不安なまま購入する方が少しでも減れば幸いです。

自腹で購入してレビューしました。プロモーション案件ではありません。

Sponsored Link

Inspiroy Frego Mのスペック&仕様

項目内容
製品名Inspiroy Frego M
メーカーHUION
通常価格14,998円
寸法304 × 220 × 8 mm
作業エリア254 × 158.8 mm(10 × 6.25インチ)
重さ546 g
筆圧レベル8192レベル
傾き検知±60°
接続方式USB Type-C(有線)、Bluetooth 5.0(無線)
対応OSWindows、macOS、ChromeOS、Linux、
Android、iOS(一部対応)
バッテリー持続時間最大24時間(待機時、フル充電:約2.5時間)
主な付属品本体、USB Type-A to Cケーブル、スリムペン、標準替え芯10本、クイックスタートガイド

▶つまりこのスペックってどうなの?

1万円台半ばという手頃な価格ながら、8192レベルの筆圧感知、±60°の傾き検知、Bluetooth 5.0対応のワイヤレス接続、そしてiOS/Androidを含む幅広いOS対応といった、上位機種に匹敵するスペックを備えています。

競合機種は16,384レベルの筆圧やショートカットキーの多さで差別化していますが、Inspiroy Frego Mはシンプルな操作性と描き心地、コストパフォーマンスの高さが強みです。

ショートカットキーの少なさやカスタマイズ性はやや劣るものの、初心者から中級者まで幅広くおすすめできるバランスの取れたモデルです。

開封・セットアップレビュー

まずは開封レビューを通して一つ一つの内容物を見ていきます。

外箱はこのようなデザインです。

外箱

ペンタブ本体はこちら。

↓表側

Inspiroy Frego M本体 表側

ショートカットキーやダイヤルが付いていないので、非常にスッキリしていますね。表面は他の板タブと同じ、マットな質感です。

鋭く出っ張っている部分がないので、万が一落としてしまっても、床や机に傷が付きづらくなっています。

↓裏側

Inspiroy Frego M本体 裏側

四隅に滑り止めが付いています。

木製のデスク上で使用した場合だと、手で押すと流石に滑ってしまいましたが、描いてる途中に滑るようなことはありませんでした。

↓右側面

Inspiroy Frego M本体 右側面

本体の手前側は、わずかにですがカーブ状になっており、作業の負担を軽減してくれています。

↓上側面

上側面

本体の上側にはボタン類がまとめて配置されています。

左から順に電源ボタン、Bluetoothペアリングボタン、有線接続/充電用のUSB接続口です。

本製品に付属するペンは、スリムタイプです。ご覧のように同社の標準タイプと比べて細く直線的なフォルムをしており、ボールペンに近い感覚で持てます。

Inspiroy Frego M付属のペン(PW550S)

ペンを持った状態でのキーボードタイピングも可能でした。

ボタンはグリップ部分の2つのみで、テール部に消しゴム機能はついていません。

ペン先はデフォルトでフェルト芯が装着されています。1本だけとは言え、付いているのは嬉しいですね。

ペンの技術にはPentech 3.0+が採用されており、これは最新であるPentech 4.0の、一つ前の世代のマイナーチェンジ版になります。

↓の画像(左2本がPentech 3.0+)でペン先を見比べると、Pentech 3.0と比べてペン先が若干細くなっていることが分かります。

PW550Sの替え芯と旧型の比較
左の2本がFrego Mの芯(Pentech 3.0+) 、右がPentech 3.0の芯

そのため、私が元々使っていたペンとは替え芯の互換性がありませんでした。仕方ないけど残念。

ペン立て・ペンケースは付属していないので、ペンは本体上部のホルダーに挿しておくか、別途用意する必要があります。

残りはケーブルと標準替え芯10本(+芯抜き)、そしてクイックスタートガイド。2本指グローブやクリーニングクロスなどは入っておらず、内容物は必要最低限といった印象です。

Inspiroy Frego Mの付属品

接続用のケーブルは、USB Type A to Cケーブルになっており、長さは150cmほどあります。

足りない場合は延長ケーブルを用意しましょう。

セットアップ

有線接続とワイヤレス接続の両方を試してみました。

有線接続は付属のUSBケーブルを差し込むだけでOK。ランプが赤色(充電中)または緑色(充電完了)に点灯します。

有線接続時のランプ点灯(赤)

ワイヤレス接続については、他のBluetooth機器と同様に設定を行います。

詳しい説明が見たい場合はオンラインマニュアルを参照しましょう。

接続に成功すると、本体上部にあるランプが青色→白色に点灯します。

ワイヤレス接続時のランプ点灯

セットアップが完了し、作業環境はこのようになりました。

セットアップ例

ボタンがない分、サイズが小さくまとまっているおかげで、私の狭いデスク環境でも難なく設置できました。

ソフトウェアの使用感

ペンタブを使うのに必要な設定ソフト(ドライバー)は、ダウンロードページからダウンロード後、インストールします。

Huion最新ドライバ・マニュアルダウンロードセンター
最新のHuionドライバとユーザーマニュアルをダウンロードしてください。Windows、macOS、Linuxに対応。最適なパフォーマンスのためにドライバを最新に保ちます。

インストール作業は指示どおりに進めるだけで終わるため、特に難しいと感じる部分はありませんでした。

他社のペンタブ・液タブから乗り換えた方は、干渉防止のために、使っていた設定ソフト・ドライバーのアンインストールも忘れないようにしましょう。

設定ソフトの画面はこのような感じです。

設定ソフト画面(プレスキー)

本製品にはショートカット用のボタン・キーはないため、「プレスキー」の項目は使用しません。

設定ソフト画面(作業領域)

板タブを使うなら、必ず作業領域が適切か確認しましょう。

画面と板タブの作業領域で縦横比が異なると、思い通りに線が引きづらくなります。

設定ソフト画面(デジタルペン・プレスキー)

「デジタルペン」の「プレスキー」の項目ではペンボタンの操作を設定できます。画面下の「ゲームモード」は「osu!(リズムゲーム)」を遊ぶ時以外はオフでOKです。

設定ソフト画面(デジタルペン・プレスキー割当)

ペンボタンの1つに操作画面の切替を割り当てました。こうすることでお絵かき用と全画面操作用で板タブを使えるようになります。

ただ、ペンボタンは他にも割り当てたい機能があるので、欲を言えば本体かペンにもう1個ボタンがほしかったですね。

設定ソフト画面(筆圧感度設定)

こちらは筆圧設定画面。左のグラフから直接調整してもいいですし、真ん中にある5つのプリセットから選んでもOKです。

設定ソフト画面(オプション)

画面右上の歯車アイコンを押すと表示される設定です。設定のバックアップも行えるので覚えておきましょう。

Inspiroy Frego Mの描き心地

特徴評価
感触一般的な液タブより摩擦感強め
本物の紙ほどの摩擦感はない
筆圧検知感度が高く優秀
傾き検知多くの場合で優秀なパフォーマンス
作業エリアの端だと上手く機能しない
ペン先の安定性沈み込み・グラつきともに、指で触れないと分からない程度で実使用に影響なし

これまで何台もレビューしてきましたが、板タブは液タブよりも若干摩擦が強い傾向にあるように感じます。

Inspiroy Frego Mも同様に液タブよりも摩擦感があった一方で、「紙のような描き心地」には一歩届かずといった印象でした。

ペン先の安定感、傾き検知の効きも高水準にまとまっており、全体を見て大きな欠点がないのが魅力といえます。

↓筆記音

筆圧検知

Inspiroy Frego Mの筆圧検知

デフォルトの筆圧カーブ設定で試し書きをしてみました。

筆圧の強さに応じて、線の濃淡や太さがしっかり変化してくれています。

現在では16,384段階の筆圧検知に対応したペンタブが登場していますが、Inspiroy Frego Mは8,192段階です。

数字で見ると2倍も違うのでインパクトがありますが、実際には全く違いが分かりません。

今回の試し書きを通して、あらためて8,192段階で十分だと確信しました。

傾き検知

傾き検知もテストしてみました。

ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT」の鉛筆ツール15pxを使用して、「立てて描く→寝かせて描く」といったことを行っています。

Inspiroy Frego M傾き検知テスト

傾きによる変化は、同メーカーの最新液タブや、ワコムの「Wacom Pro Pen2」と遜色ないレベルで表現可能です。

ほとんどのエリアではスムーズに機能する一方で、端付近や左上→右下方向になると効きが弱くなるのが少し気になりました。

ペン先の安定性

指を押し当ててみると、標準タイプのペンと比べて、わずかに横への揺れがあるように感じました。

逆に言えばその程度の差でしかなく、ペン先が接触した時のブレや沈み込みは体感できないレベルなので、使用感は快適です。

一昔前までのペンタブとは明確に異なる、高水準の安定性を備えています。

Inspiroy Frego Mの利便性

本製品を評価するにあたって、使い勝手の良さも見ていきます。今回は以下の4点に着目しました。

  • バッテリー持続時間
  • ワイヤレス接続
  • 耐久性
  • 取り回しの良さ
  • 同メーカーの液タブとの併用

バッテリーの持続時間

公式のスペック表は24時間とありますが、あれはあくまでも待機(何もしてない状態)での最大時間なので過度な期待は禁物です。

実際に1日5~6時間ほどお絵かきに使ってみたところ、2、3日に一回のペースで充電が必要なのが分かりました。

持続時間は、実作業で12~15時間ほどになると推測します。個人的にはもう少しだけ保ってくれると良かったですね。

ワイヤレス接続の使い勝手(遅延など)

最初に接続した時は早い動きを追いきれていないように感じていましたが、液タブとの併用を検証する過程で、いつの間にか遅延が解消されていました。

京時
京時

つなぎ直したり、設定ソフトを再起動したりしていたので、そのあたりが影響していそうです。

スペック上だとワイヤレス時(≧133PPS)の読み取り速度は有線の時(≧300PPS)よりも遅いので、多少の遅延は覚悟していたんですよ。

ところが、実際に使ってみると差が分からないレベルで、いい意味で期待を裏切られました。

また、この製品にはオートオフがあります。ワイヤレスペンタブには付き物の、賛否両論ある機能ですね。

今までの製品はオートオフの設定を変更できない場合があって不満だったのですが、この製品では時間を変えたり無効化したりできました。

オートオフ(スリープ設定の項目)

この設定項目を設けてくれた開発者の方には、心からの称賛を送りたいです。

京時
京時

ちょっと席を外した後に、作業に戻ろうとしたらオフになっていた……という、地味にストレスを感じるような場面がなくなるだけでも嬉しい

このように、ワイヤレス接続での使用は十分満足できるクオリティに仕上がっていたと思います。

強いて気になった点を挙げるとすれば、ペンを近づけた状態でいると、たまにカーソルがどこかへ飛んでしまうことくらいでしょうか。

ただこれは、一旦ペンを離せば解消されますし、描いている最中には発生しないので個人的には許容範囲です。

耐久性・汚れの目立ちやすさ

Inspiroy Frego M 本体の耐久性・

上の画像は、1ヶ月使った本製品を、アルコールティッシュとクリーニングクロスで拭いた時の状態です。

描き傷はほとんど見えないレベルですが、手を置いた跡のようなムラが見えます。

取り回しの良さ

タブレットスタンドに立てかけていた状態から片手で取り出せる軽さが、利便性の高さという面で好印象を与えています。

ワイヤレス対応で電源オンにすればすぐに使えるのもあって、板タブならではの高い機動力を実感できました。

京時
京時

電源ボタンが押しやすく、短押しで電源が入るのも良いんですよね。オートオフからの復帰もほとんどストレスに感じません。

使いたい時だけパッと取り出して、使わない時はサッと収納できる小回りの良さが板タブの魅力だと思っているので、このサイズでその強みを残したのは大いに評価したいです。

本体の形状も変に飛び出した部分がなく、扱いに繊細さを求められない点も日常使いに適しています。

同メーカーの液タブとの併用

ワイヤレス/有線両方で試してみた結果、完璧とは言えませんが併用自体は可能でした。

有線接続で使う際は、Inspiroy Frego M→液タブという順に接続することで無事認識されました。

液タブとの併用(成功時の様子)

ただし設定によって、液タブ・本製品どちらかの筆圧検知または傾き検知が機能しなくなります。

例えばペイントソフトの環境設定で「使用するタブレットサービス」を「WinTab」にすると、Inspiroy Frego M側はフルで使える代わりに、液タブ側の筆圧検知・傾き検知が機能しません。

「TabletPC」を選択すると、両方で筆圧検知が機能する代わりに筆圧検知がほとんど効かなくなってしまいます。

「同じメーカーの液タブ・板タブ同士なら問題なく併用できるだろう」と考えての購入だったので、併用に関しては期待を下回る結果となってしまいました。

そもそもこんな使い方をする人なんてレアでしょうから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんね。

ライバル製品との比較

最後にInspiroy Frego Mを、競合製品と比較してみます。

今回はXP-Pen Deco Pro LW (Gen2)」・XP-Pen Deco LW「Wacom One ペンタブレット medium」・「Wacom Intuos Medium ワイヤレス」の4製品を比較対象に挙げました。

製品名Huion
Inspiroy Frego M
XP-Pen
Deco Pro LW (Gen2)
XP-Pen
Deco LW
Wacom One
ペンタブレット
medium
Wacom
Intuos Medium
ワイヤレス
通常価格14,998円22,900円14,980円14,630円~21,780円
製品寸法304 x 220 x 8 mm333 x 258.1 x 10.66 mm315 x 187 x 8.8 mm252 x 181 x 8 mm264 x 200 x 8.8 mm
作業エリア
(読取範囲)
254 × 158.8 mm279.4 x 177.8 mm254 x 152.4 mm152 x 95 mm216×135 mm
筆圧レベル8,19216,3848,1924,0964,096
ボタン・ダイヤル-(片手デバイス付属)ボタン ×8ボタン ×4
利用可能ペンPW550
PW550S
など
X3 Proペン
X3 Proスリムペン
など
X3 Eliteペン
X3 Elite Plusペン
Wacom One スタンダードペン
文房具メーカーデジタルペン
Wacom Pen 4K
接続方法有線
無線(Bluetooth)
有線
無線(Bluetooth)
有線
無線(Bluetooth・ワイヤレスレシーバー)
有線
無線(Bluetooth)
有線
無線(Bluetooth)
バッテリー持続時間最大24時間
※待機時
最大10時間以上最大10時間以上最大15時間最大15時間
主な付属品PW550S(スリムペン)
通常芯 10本
フェルト芯 1本
X3 Proペン
片手デバイス
通常芯 4本
フェルト芯 4本
ペンケース
X3 Eliteペン
USB変換アダプター
通常芯10本
ワイヤレスレシーバー
Wacom One スタンダードペン
通常芯10本
バンドルソフトウェア
Wacom Pen 4K
通常芯3本
バンドルソフトウェア
その他特徴Android対応
iPhone/iPad一部対応
薄型(8mm)

軽量(546g)
Android対応
iPhone/iPad一部対応
Bluetooth2台登録可
Android対応
iPhone/iPad一部対応
薄型(8.8mm)
軽量(456g)
Android対応
超軽量(350g)
薄型(8mm)
Android対応(要OTGアダプタ)
軽量(410g)
薄型(8.8mm)

Inspiroy Frego Mはこの中だと2番目に広い作業エリアを持っており、大きいモニターでも比較的快適に使えます。

接続面や対応デバイスに関しては柔軟性が高く、様々な環境に対応可能です。

比較対象の中ではXP-Penの2製品を使用したことがあるのですが、Inspiroy Frego Mはその中間に位置するような製品だと感じました。

本体はDeco Pro LW(Gen2)と同じくシンプルなデザイン&リストレスト状のエッジ加工がされており、ペンのクオリティに関してはDeco LWよりも上です。

それでいてDeco Pro LW(Gen2)よりも軽量で取り回しが良く、価格は1万円台前半に収まっています。

個人的にはボタンがあと1つか2つほしかったのですが、それを考慮してもすべてがちょうど良いと言える、良コスパな製品です。

京時
京時

一言でいうと「付属品を減らして、持ち歩きやすくしたDeco Pro LW (Gen2)」といったところでしょうか

まとめ:まさに無難なペンタブ!ボタン不要派ならこれでいい

気になった点
  • 作業エリア(読取範囲)端では傾き検知が上手く機能しない
  • ボタンがあと1~2個欲しい
  • バッテリーの持続時間はもう少し長いと嬉しかった
  • 同メーカーの液タブと(フル機能では)併用できなかった
良かった点
  • 本体の省スペースさと、手を邪魔しないエッジ加工
  • サイズの割に軽量で取り回しが良い
  • 筆圧検知・傾き検知など、描き心地が全体的に高水準
  • 付属のスリムペンがプログレードと遜色ない品質
  • ワイヤレスは遅延も感じられず、オートオフの設定や電源の入れやすさもあって快適

何かに特化しているわけでもなければ、致命的な欠点もない、優等生タイプの板タブです。

値段も1万円代前半とお手頃ですし、それなりのサイズと取り回しの良さを両立した絶妙なバランスで、非常に使いやすいと感じました。

ボタンの数が少ないという点は好みが分かれるところですので、その点さえ許容できれば初心者から上級者まで幅広くおすすめできます。

京時
京時

バランスの取れた性能と優秀なコストパフォーマンスから、評価は星4.0としました。この製品のプロ仕様を見てみたいですね。