最近クリスタを使い始めたけど、もう少し使いやすくならないかな……
そんな人は、ワークスペースをカスタマイズしてはいかがでしょうか。今よりももっと快適・効率的にイラスト制作ができるようになりますよ。
こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。
今回はクリスタのワークスペースでおすすめのパレットや配置の考え方、配布されているワークスペース素材の紹介をします。
ワークスペースの作成方法については別の記事でまとめています。初めてワークスペース作りをする人は、まずこちらから読むのがおすすめです。
イラスト制作に最低限必要なクリスタのパレット
基本レイアウトのワークスペースでも必要なパレットは一通り揃っています。
しかしアニメーション関連のようなイラスト制作で使わないパレットも表示されているため、最適であるとはいえません。
イラスト制作用のワークスペースを作る際には、最低でも以下の7つがあればOKです。これをベースに他のパレットを必要に応じて追加していくとよいでしょう。
- ツール
- サブツール
- ツールプロパティ
- カラーサークル (or カラースライダー)
- レイヤー
- レイヤープロパティ
- 素材
線画用と塗り用でワークスペースを使い分ける人もいますが、今回は線画から塗りまで1つのワークスペースで作業する場合を想定しています。
ツール
各種ツールのボタンが並んでいるパレットです。
特にショートカットキーを使い慣れていないうちは、このパレットが無いとツールを切り替えるだけで一苦労するでしょう。
ショートカットキーでの切り替えがメインになったとしても、めったに使わないツールが必要になった時にサッと呼び出せます。
縦長にしておけばスペースもほとんど取りませんし、基本的に出し得です。
ちなみにツールに表示されるアイコンは選択中のサブツールのものに切り替わります。
下部のカラーアイコンはカラーサークルパレットで十分なため、そこまで重宝しません。使わないなら設定で非表示にしてしまってもいいです。
サブツール
実際に描画に使用するブラシやペンを選ぶ時はここから。
例えばツールでペンを選択している時なら、ペンに属しているサブツールが一覧になって表示されます。
また、選択中のツールを確認できるという点でも表示しておきたいです。
ツールプロパティ
サブツールの詳細な設定をしたいならツールプロパティの出番です。
ブラシの描き味や描画する図形の形、定規の設定などをここで指定するほか、ブラシサイズもここで調整できます。
サブツールパレットの隣に置いておくと「切り替え→調整」の流れをスムーズに行えて使いやすいです。
カラーサークル (or カラースライダー)
見ての通り、色を設定するのに使います。
カラーサークルなら直感的に色選びができ、カラースライダーなら各種パラメーターをいじることで色を作れます。
初心者はカラーサークルの方が使いやすいと思いますが、各人の好みで使い分けて下さい。
私の場合はすぐに切り替えられるよう、両方を一箇所に重ねてタブ化しています。
レイヤー
レイヤーの順番や合成モード、不透明度などを設定するのに使います。
デジタルイラストでは欠かせない機能とも言えるレイヤー。その操作のほとんどがこのパレット内に凝縮されています。
ショートカットでもある程度操作できますが、意図しないレイヤーで描いて(塗って)しまうトラブルを防ぐためにも表示しておきましょう。
レイヤープロパティ
このパレットでは、選択中のレイヤーに対して様々な効果を付けることができます。
自分でやると面倒な、縁取りやトーンなどの処理を施す際に必要です。
レイヤーパレットに隣接させるのがおすすめですが、利用頻度によっては別のパレットとひとまとめにして適宜切り替えるようにしても問題ありません。
素材
自作・アセットストアからダウンロードした各種素材を使う時に必要なのが素材パレット。
クリスタを使う以上、豊富な素材を利用しないのはもったいないです。
ただし、開きっぱなしだとスペースを取るので、普段は上の画像のようにアイコン表示にするか最小化しておきましょう。
あると便利なクリスタのパレット
これが無いとまともにイラスト制作できなくなる…とまではいかないけれど、使えるなら使いたいパレットは7つ。
- ナビゲーター
- サブビュー
- ヒストリー
- ブラシサイズ
- カラーセット
- クイックアクセス
- オートアクション
これらについても軽く解説します。
ナビゲーター
キャンバスの操作や全体確認ができるパレット。
上下・左右反転して絵のバランスを見たり、キャンバスをズームしたり回転させることもできます。
特にキャンバスを拡大することが多い人なら、絵全体の印象をこまめにチェックできるよう残しておきたいです。
サブビュー
資料を表示するためのパレット。
デフォルトだとナビゲーターパレットとひとまとめにされているため、気付かない人もいるかもしれませんね。
サブビューじゃなくても資料を閲覧する方法があるという理由から、必須としませんでした。
ただ、ディスプレイに余裕がない人は積極的に使いましょう。
スポイト機能で資料から色を取れるのが便利です
ヒストリー
操作の履歴が記録されているパレット。
表示されている操作の項目をクリックすると、その時点まで戻ることができます。
取り消し・やり直しと役割が似ていますが、ヒストリーならどういう操作をしたかが文字で分かりますし、戻したいところまで一気に戻せて地味に便利です。
また、キャンバスを見てもどこが変化したが分からない時に、どんな操作をしたのか文字で確認できる点もヒストリーパレットならではと言えます。
ただ場所を取るため、普段は別パレットと重ねて隠しておき、必要に応じて表示させるくらいがおすすめです。
ブラシサイズ
ブラシサイズを変更するためのパレット。
ツールプロパティパレットやショートカットで変更可能なため必須ではありません。
それらに慣れていないうちは表示しておくとよいでしょう。
カラーセット
あらかじめ作られた色を使いたいならカラーセットパレット。
キャラクター専用のカラーセットを作っておけば、同じキャラを描く際に配色を再現できます。
色選びに慣れていない初心者も、最初から入っているカラーセットや、公式が出しているアセットがあるのでおすすめです。
公式アセット2つのリンクを貼ってますので、ぜひ試してみてください。
クイックアクセス
初心者は混乱しやすいので後回し推奨。
よく使用するツールやメニューコマンドなどを登録できるパレット。
特定のツールを多用している人は第2のショートカット感覚で使うとよいでしょう。
使い方次第では表示するパレットの削減にも貢献します。
オートアクション
こちらも初心者は後回し推奨です。
名前の通り自動で複数の操作を実行してくれる「オートアクション」機能を管理するパレットになります。
いわゆるマクロに相当する機能です。
毎回同じパターンで行う面倒な操作があったなら、ぜひオートアクションを作ってラクしちゃいましょう。
快適な配置にするためのポイント
パレット選びが終わったら、今度考えなくてはいけないのが配置。
イラスト制作が捗るような配置にする上で、3つのことに気をつけています。
- 利き手側によく使うパレットを配置する
- 近い役割のパレットはまとまりを作る
- スクロールはできるだけ回避する
①利き手側によく使うパレットを配置する
色やレイヤーのような操作の頻度が高いパレットは、利き手側に配置して手の動きを小さく抑えます。
ただし、ショートカットで代用できるなどの理由であまり使わないパレットは、利き手の反対側へ配置した方がいいでしょう。
というのも、利き手側ばかりにパレットが寄ると、今度はキャンバスが利き手側から離れてしまうからです。
必要なパレットに絞って配置するように心がけましょう。
②近い役割のパレットはまとまりを作る
サブツールとツールプロパティ、レイヤーとレイヤープロパティなど、役割が近いパレット同士は隣接して配置しておきましょう。
ひとまとめにしておけば場所を覚えやすいですし、操作面でも「ツール切り替え→ツールの調整」といったことをスムーズに行いやすくなります。
③スクロールはできるだけ回避する
項目を全部表示しきれないパレットはスクロールして操作する必要が出てきます。
スクロールの手間を挟んで無駄に操作のスピードを落としたくないので、
- パレットは十分なサイズか?
- アイコンなどの表示方法は適切か?
- そのパレットが本当に必要なのか?
といった点を考慮しながらワークスペースを作りましょう。
例えばサブツール・レイヤー・ヒストリーなどの数が多くなりやすいパレットなら、縦長にスペースを取りたいですね。
作るのが面倒!→配布のワークスペース使ってみて
自分であれこれいじるのが面倒くさいという人はアセットストアからダウンロードしちゃいましょう。
プロの方が公開しているワークスペースもありますし、参考にして自分に合ったワークスペースを作るのも全然OKです。
ダウンロードしたワークスペースの使い方
素材パレットからキャンバスにドラッグするだけです。
ウィンドウが出てきたらそのままOKを押して下さい。
この操作は初回だけでよくて、以降は「ウィンドウメニュー>ワークスペース」からいつでも読み込めるようになります。
公式配布のワークスペースがおすすめ
ユーザーが公開しているワークスペースも良いものがありますが、最初は公式のワークスペースを試してみるのがよいでしょう。
下に5つほどワークスペースアセットへのリンクを用意しました。
redjuice先生のワークスペースはショートカットの使用を前提とした作りになっているので、初心者の人は注意。
即実践できる! キャンバスを広く使えるショートカット
ワークスペースづくりとは別で、キャンバスを画面いっぱい使う方法があります。
覚えるのは2つのショートカットキー。
- Tabキー・・・表示されている全てのパレットを最小化する
- Shift+Tabキー(2回)・・・タイトルバーとメニューバーを非表示にする
これでワークスペース関係なしに広々と描けるようになります。
解除したい時は同じショートカットキーを実行すればOKです。
まとめ
クリスタのワークスペースづくりのポイントまとめです。
ワークスペース次第でクリスタの使い心地は大きく変わります。
試行錯誤を繰り返して、自分だけの最適なワークスペースを見つけましょう。