こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。
今回レビューするのは、新製品の「SOUNDPEATS Clip1」です。ありがたいことに、前回に引き続きSOUNDPEATS様から案件をいただきました。
「SOUNDPEATS Clip1」は耳を塞がないオープンイヤー・イヤーカフ型のワイヤレスイヤホンで、快適な着け心地から家事・仕事中のながら聴きにピッタリです。
本製品はLDACに対応し、ハイレゾ認証も取得するなど、高品質な音楽体験への追求が徹底されています。
また、従来製品で得られたユーザーの声を反映し、装着感・操作感も改善されているとのことです。こちらについても、実際の使用を通して皆さんに感想をお届けします。

オーディオマニアではない一般人の視点からレビューしていきます。
本記事では、前回レビューした『SOUNDPEATS CC』との比較も行っていますので、購入時の参考になれば幸いです。
SOUNDPEATS Clip1のスペック&仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | SOUNDPEATS Clip1 |
| カラー | ブラック |
| Bluetoothバージョン | 5.4 |
| 対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
| ハイレゾ認証 | ◯ |
| 最大再生時間(イヤホン単体) | 約8時間(音量60%) ※LDAC使用時は約4時間 |
| 最大再生時間(ケース込み) | 約40時間 |
| 充電時間 | イヤホン本体: 1時間 ケース: 2時間 |
| 急速充電 | ◯(10分充電で約2時間再生可能) |
| 充電端子 | USB Type-C |
| 防水性能 | IPX5(水の噴射を直接浴びても動作する) |
| 重量(片側) | 約5g |
| 操作方法 | タッチセンサー |
| マイク | 片側1基 |
| 通話用ノイズキャンセリング | ◯(AI駆使) |
| 風切り音低減 | ◯ |
| マルチポイント | ◯(2台同時接続可能) |
| ゲームモード | ◯ |
| ムービー&音楽モード(Dolby Audio) | ◯ |
| 左右自動識別 | ◯(ケース収納時に自動切替) |
| 装着検出 | ◯ |
| 落下検出 | ◯ |
| 専用アプリ | あり(PeatsAudio) |
| 付属品 | 充電ケース、USB Type-Cケーブル、日本語取扱説明書、アプリガイドカード、ステッカー |
| 価格 | 9,980円(通常価格) |
▶主な特徴
- 耳をふさがない、軽くて快適なイヤーカフ型・オープンイヤー設計。メガネやマスクとも干渉しない。
- 耳にフィットしやすく高耐久な独自のワイヤーを採用。
- Dolby Audioにより立体感のあるサウンド体験が可能。新開発のドライバーが、映画やライブの音声に圧倒的な没入感を加える。
- ハイレゾやLDAC、Dynamic EQ Proで、オープンイヤーならではの伸びやかで広がりのあるサウンドがよりリッチに。
- 最大約8時間・ケース込みで約40時間使い続けられる高いバッテリー性能。
- 独自の音漏れ防止設計×AeroVoice風切り音低減テクノロジーで外使いも安心。

音へのこだわりがすごい印象ですが、個人的にはつけ心地やバッテリー性能の改善が嬉しいポイントですね
内容物・外観
まずは製品の開封レビューを行います。外箱は白をベースとしたシンプルなデザインです。

蓋を開けると、イヤホンケースと紙類が現れます。

ケースは横に長く、安定感がある形となっています。質感はほどよい光沢感で安っぽさは感じませんでした。

残りはユーザーガイドとアプリの案内、ステッカー。

ユーザーガイドは日本語にも対応していました。

改めてイヤホンを見てみます。
ケースを開けると本体がこのように収納されています。ケース内側は結構プラスチック感が強めです。

充電口はケースの後ろ側に付いています。充電中も安定感のある姿勢を維持できる点が同社製品のCCと比べて優秀です。

一方で、市販のUSBケーブルだとケースの充電口に挿さりきらない場合があるのが気になりました。
ケースのカーブにぶつかって届かないんですよね。
付属のケーブルが短いので、延長ケーブルを用意するなどの対応が必要になる点は注意しましょう。
スマホやPCへの接続には他のワイヤレスイヤホンと同様、Bluetoothを使用します。
各デバイスの設定から「SOUNDPEATS Clip1」を選択し、ペアリングを完了させると使えるようになります。

装着方法・着け心地

SOUNDPEATS Clip1は楕円形と球体がアーチでつながっている形状をしており、球体の側から音が出るようになっています。
装着時は丸型の方が耳の穴に来るように装着します。一目でどちらを前にすればいいのか分かるのが良いですね。
また、左右の自動識別ができるので、どちらが左耳・右耳用か気にしなくていい点もストレスフリーです。
SOUNDPEATS CCと比べると、耳に触れる面積が増えた分、装着時の安定感が増したように思いました。
腕を上げた時などに軽く当たった程度なら、ズレたり角度が変わったりすることがありません。
それでいて装着の快適さも両立できており、バッテリー減少のガイド音声が流れるまで着けっぱなしで使い続けることができました。

耳の形によるところもあるかもしれませんが、痛みや痒みを感じることなく使い続けられるのは非常に好印象でした。
寝ホンとしては、やはりアーチが邪魔で横を向けないため不向きです。イヤーカフ型である以上、これは仕方がありません。
音質のレビュー
リスニング時の音質と、通話時のマイク音質のそれぞれを確認してみました。
リスニング時(音楽・動画鑑賞時)の音質
デフォルトの状態でも音の輪郭がしっかりしています。
SOUNDPEATS CCと同様に、設定から「ダイナミックEQ」を有効化することで、低音域の音が補強されて厚みのある音楽を聴けるようになりました。
本製品の特徴であるDolbyAudioですが、こちらは状況や好みに応じて使い分けるといい感じでした。
例えばYouTubeで動画を見る時に有効化しても、ただ音が空間で反響しているように聞こえるだけです。
一方で、音楽鑑賞やストーリー重視のゲームで使用すると、ライブ感や壮大さが出て、通常時とは違う特別な視聴体験ができました。
また、通常時と違って「耳に直接音を浴びる」ような感覚が弱くなるため、長時間の使用による聴き疲れを防ぐのにも良さそうだと思いました。
ただ、「ダイナミックEQ」と併用できないのは惜しいポイントですね。
本製品は他にもLDACという技術に対応しており、より情報量の多い音楽データをやり取りできるようになっています。

LDACを使用すれば、いわゆる「ハイレゾ音源」と呼ばれる高音質な音声の再生を、ワイヤレスでできるようになります。
実際にどのような違いがあるのか、SONY(ソニー)公式サイトで公開されているサンプル音源2種(圧縮・ハイレゾ)を使って聴き比べをしてみました。
念のためLDAC有効前に圧縮音源・ハイレゾ音源を聴き比べて、この時点では違いがないことを確認しています。

で、LDACを使用した結果ですが、圧縮音源では若干ぽわんとして締まりのなかった音だったのが、ハイレゾ音源では一つ一つの音にキレが出ているように感じられました。
本来の楽器や声に近い音質になる、というのはこういうことなのかもしれません。
とは言ったものの、私は耳が肥えているわけではないので、この感覚が正しいのかは正直自信がありません。記事を執筆している今でも
(プラシーボ効果なのでは?)
という考えが頭をよぎっています。
何度も交互に聴き比べて、なんとなく違うなぁと感じたレベルだと伝わってくれれば十分です。
また、高音質で聴けるのは基本的に良いことですが、LDACに関しては必ずしも使い得というわけではありません。
私の場合、
- LDAC有効時はバッテリーの減りが早くなる
- LDAC使用中はマルチポイント接続が使えない
- ゲームモード・ダイナミックEQ・Dolby Audioと併用できない
- 自分のPCがLDACに対応していない
- スマホは対応しているが、スマホでLDACを使用してまで楽しみたいコンテンツが少ない
といったデメリット・事情があって、普段はLDACをOFFにして使っています。こちらも状況に応じて使い分けるのがベターですね。
通話時のマイク音質
本製品のスペック表に「通話用ENCノイズキャンセリング(AI駆使)」とあったので、その実力を試してみました。
↓はWindows11のサウンドレコーダーを使用して録音した音声になります。
※(注意)筆者の声が入っています
エアコンやPCの駆動音がある部屋の中で録音しましたが、通話するには十分聞き取れるレベルだと感じました。
各種機能・アプリのレビュー
次は音質以外の部分についてレビューします。
本体の操作性(タッチ操作)
SOUNDPEATS Clip1ではタッチ操作の範囲が全面に拡大、適当な場所をタッチすれば音楽の再生/停止などが可能です。
SOUNDPEATS CCはどこをタッチすればいいのか分からなくなることがあったので、これは良い改善だと思いました。
一方で、反応に関しては若干鈍く、強めにタッチしないと反応してくれないことがあります。

「トントン!」くらいの、イヤホンが少し揺れるくらいの力加減を意識するといいです。
遮音性
イヤーカフイヤホンに遮音性を求めるのはお門違いなので、どのくらいの騒音までなら聞こえるか(どういう環境に向いているか)、という話をします。
人の話し声がまばらに聞こえるオフィスのような場所では、問題なく使用できます。
屋外では、閑静な住宅地域を散歩する程度ならOKですが、頻繁に車両が行き来する道路のそばだと聞き取りづらくなります。
家の中ですと、料理や洗い物の音であればそこまで妨げにはならず、程よいバランスで両方の音を聞けます。掃除機を掛けている時はさすがに聞こえないですね。
音漏れ
音楽を音量50%で再生して、音漏れをテストしました。テストにはフリー音源の「野良猫は宇宙を目指した」を使用しています。
録音にはスマホを使用し、腕がまっすぐに伸びるまで耳元から離していきます。録音時の環境は、エアコンやPCの駆動音が聞こえる程度の静かな室内です。
図書館などの静かな場所にいて、すぐ横に誰か座っている状況でもなければ、気にしなくても良さそうです。
昔私が使っていた骨伝導イヤホンは家族に音漏れを指摘されるほどだったので、それと比べたらずっと良いと言えます。
専用アプリ
SOUNDPEATS Clip1は、専用のiOS/Androidアプリ『PeatsAudio』から様々な機能にアクセスできます。
イヤホンの機能をフルに使いたいなら、アプリのダウンロードは必須です。
アプリのGoogle Playストアでの評価はあまり芳しくないようですが、私が使った限りだと特に不便なく使えています。
日本語訳もしっかりしていますし、モードの切替やタッチ操作の変更、ファームウェアのアップデートに至るまで問題なく行えました。
↓の画面では、本体・ケースのバッテリー確認や各モードの切替、タッチ操作の変更が可能です。


次はタッチコントロールの割り当てとイコライザーの設定画面です。


画像のタッチコントロールの割り当てはカスタマイズ後のものになります。SOUNDPEATS CCでできていたシングルタップでの操作ができないのは個人的に残念だったポイントです。
これについて担当者の方へお伝えしたところ、「シングルタップの操作は誤操作の可能性があるとして、一時的に無効化されている」とのこと。
タッチ範囲が全面に拡大したことが影響しているのかもしれませんね。改善できる可能性は0ではないらしいので、上手くいくことを願っています。
イコライザーについてはデフォルトの「SOUNDPEATS クラシック」を使用していますが、ダイナミックEQを有効化していれば私はそれだけで満足ですね。
最後に「その他の機能」画面です。ここでファームウェアのアップデートを行えます。また「イヤホンを探す」や「排水機能」もここから利用します。

音声ガイダンスの音量調整ができる点がグッド。
また、ガイダンスの言語は日本語版もありますので、英語だと分かりにくいと感じる方はこちらも変更しておきましょう。
遅延(ゲームモード)
通常モード時の遅延は、一般的なワイヤレスイヤホンと同じくらいです。
映像作品を鑑賞したりゲームを遊んだりする際には、映像とのズレが少なくなるゲームモードを利用しましょう。
一応FPSゲームでも使用してみましたが、0.◯秒レベルの勝負をするようなシチュエーションでなければ、十分受け入れられる範疇だと思います。
感想だけというのも分かりづらいと思ったので、Bluetooth5.3環境にはなりますが、Androidスマホで遅延を計測してみました。
表の秒数は、音が鳴ってからボタンを押すまでの時間です。スピーカー使用時との差を遅延として出しています。
※AAC接続時
| ※各10回計測 | スピーカー(基準) | ノーマルモード | ゲームモード |
|---|---|---|---|
| 平均値 | 542ms | 812ms(270ms遅延) | 751ms(209ms遅延) |
| 中間値 | 543ms | 797ms(254ms遅延) | 762ms(219ms遅延) |
ノーマルモードは約0.26秒、ゲームモードは約0.21秒の遅延が発生しているようです。LDACに関してはノーマルモードと同等の遅延だったので省略しています。
ノーマルモード時の遅延が同社製品のCCと比べて小さくなっているのが嬉しい反面、ゲームモードの効きが弱いように感じます。
商品説明でもそこまで大々的にアピールしていない点からも、あくまでも本製品は音楽体験に重きを置いたものだと考えたほうが良さそうです。

このあたりも今後のアップデートで改善されるといいですね
↓遅延チェックに使用させていただいたサイトです。
バッテリー・充電
SOUNDPEATS CCから改善されているバッテリー性能を試してみました。
満充電の状態から充電のアラート音声が流れるまでずっと身に着けて、音楽や動画の音声をいつも通りの頻度で再生しました。
結果、午前9時ごろから使い始めて、午後4時半まで使用することができました。だいたい7時間半といったところでしょうか。
アラートを無視すれば、公称値の約8時間には届きそうです。
休憩時間などにケースへ収納しておくとさらに長い時間使い続けられるので、本製品のバッテリー持ちは非常に満足できるレベルだと言えます。
マルチポイント接続
SOUNDPEATS Clip1はマルチポイント接続に対応しており、デバイス2台へ同時にペアリング(登録)できます。
手順は以下の通りです。
- 1台目のデバイスとペアリング。完了したらデバイスのBluetoothをオフにして切断
- 2台目のデバイスとペアリング
- 1台目のデバイスのBluetoothを再びオンにする
- (以降は自動で接続されるように)
2台接続時の挙動を説明しますと、片方のデバイスでメディアを再生している時にもう片方で再生を始めた場合、先に再生していた方が優先されます。また、同時に再生はされません。
自動接続の安定性についてはほぼ満足です。
接続までの時間が左右で数秒ほどバラつくことがある点は若干気になりますが、評価を下げるほどの問題は今のところ起きていません。
SOUNDPEATS Clip1 vs CC
最後にSOUNDPEATS Clip1とSOUNDPEATS CCを比較してみます。

| Clip1 | CC | |
|---|---|---|
| 音質 | ◯+ DolbyAudioなど 選択の幅が広がった | ◯ ダイナミックEQオンなら十分 |
| 装着感 | ◎ 長時間装着でも違和感なし | ◯ 不満なし |
| 操作性 | △~◯ タッチ範囲拡大を評価 | △ タッチ操作に難 |
| 機能性 | ◎ CCの機能+装着・落下検出など | ◯ 左右識別・低遅延モードなど |
| バッテリー性能 | ◎ 本体8時間 ケース込40時間 | ◯ 本体6時間 ケース込24時間 |
| カラー | ブラック | ブラック・ベージュ・ホワイト |
| 参考価格 | 9,980円 | 7,280円 |
全体的な性能はやはり新型であるClip1が優位です。
個人的に装着感やバッテリー性能の強化が魅力に感じましたし、音質面もDolby AudioやLDACのように様々な楽しみ方ができるようになりました。
装着検知に対応した点や、タッチ操作の範囲が全面に拡大した点も評価に値します。
一方でカラーバリエーションや価格面ではSOUNDPEATS CCに分があります。
それ以外にもClip1では無効化されているシングルタップ操作ができますし、最近ではLDACに対応しているモデル(ブラックとベージュ)も登場しました。
SOUNDPEATS CCもこれはこれで高品質なので、見た目の好みや、価格面を優先したいのであれば、今でも選択肢に入るでしょう。
まとめ:音楽好きだけでなく長時間使いたい人にもおすすめ!
Dolby Audio・LDAC・ダイナミックEQといった機能を、用途やコンテンツに合わせて上手く使い分けられるとSOUNDPEATS Clip1はより輝くことができます。
装着検知に対応したり、より良くなった装着感、長時間使えるバッテリー持ちも魅力で、今からCCとどちらか1つを買うとしたら、この価格差だと自分はClip1を選ぶことでしょう。
音質とコスパ両方を求める人にはもちろん、日常生活でイヤーカフ型イヤホンを使い倒したいというヘビーユーザーの方も、ぜひClip1を検討してみてはいかがでしょうか。
ただ、SOUNDPEATS CCもこれはこれで丸っこい見た目やカラーバリエーション、価格面など、Clip1とは違う魅力があることも確かです。
音質もダイナミックEQオンにすれば十分満足できるレベルですし、まだまだおすすめできる商品だと言えます。

Clip1はバッテリーの持ちが改善し、使い勝手がさらに良くなったのが個人的に嬉しかったですね。一方で、ソフトウェア面ではまだ伸びしろがあることから、評価は4.0/5とさせていただきました。



