
ジョイコンを片手デバイスで使ってるけど、やっぱりTourBoxの方が使いやすいのかな?
ニンテンドースイッチのコントローラーであるジョイコンは、PCと接続して片手デバイス代わりに使うこともできます。ゲームコントローラーなだけあってボタンの数が豊富で、他の片手デバイスに引けを取りません。
では、ジョイコンが片手デバイスとして機能するのであれば、あえて専用の片手デバイスを用意するのにどんなメリットがあるのでしょうか。
本記事ではジョイコンと、片手デバイスのTourBox Eliteを比較し、それぞれの良い点・悪い点を解説します。
両方の使用経験に基づいて考えをまとめていますので、これから片手デバイスの購入を考えている方の参考になれば幸いです。

スペック紹介
TourBox Elite | ジョイコン | |
外観 | ![]() | ![]() |
寸法 | 116 x 101 x 44mm | 102 x 35.9 x 28.4mm |
重量 | 376g(電池除く) | 49g(左) 52.1g(右) |
ボタンの数 | 11個+ノブ・ダイヤル ・スクロール | 10個+スティック |
接続方法 | 無線(Bluetooth5.0) 有線 | 無線(Bluetooth3.0) |
カラーバリエーション | トランスルーセント (半透明の黒) クラシックブラック アイボリーホワイト | グレー ブルー ネオンレッド ネオンピンク ネオンブルー ネオングリーン ネオンイエロー ネオンパープル ネオンオレンジ |
対応環境 | macOS 10.11以降、 Windows 7以降 | (JoyToKey使用時) Windows Vista以降 |
公式ストア価格 (2022/12/13時点) | 39,960円 | 4,114円 |
比較その1: 価格
ジョイコンは正規で購入できれば4,000円台であるのに対し、TourBox Eliteは4万円弱と片手デバイスの中では非常に高価です。
定価で購入するには高すぎるため、TourBox Eliteはセール時の購入を前提に考えたほうが良いでしょう。これまでのセールでは20%引きで31,968円になることが多かったので、とりあえずはこの価格に見合ったデバイスなのかどうかが判断のポイントになります。

正直言って3万円でもまだ高いですよね……有線でいいなら、2万円前後で買える下位モデル「TourBox Neo」という選択肢もあります
比較その2: カラーバリエーション

ジョイコンは元々ゲームコントローラーなので、おもちゃ感のあるポップなカラーが採用されていることが多く、片手デバイスとして作業机で使うには派手な印象です。無難な色となるとグレーしかなく、ブラック・ホワイトは少なくとも通常のラインナップには存在しません。

一方TourBox Eliteは数こそ少ないものの、ブラック・ホワイト両方を取り扱っている点が大きく、特にホワイトはデスク周りを白で統一したい人にとって嬉しいポイントではないでしょうか。
よってラインナップの豊富さという点ではジョイコンに軍配が上がりますが、インテリアとの親和性という点ではTourBox Eliteのカラーの方が良いように思います。

白で揃えるのはおしゃれだけど難しいという話を聞きます。自分で白に塗装する人もいるとか。
比較その3: ボタン
ボタンの数に関してはどちらも優秀で不足はないため、ここでは形状や種類に注目してみましょう。普通のボタン以外だとジョイコンにはスティックが、TourBox Eliteにはノブ・ダイアル・スクロールの3つが存在します。

ジョイコンのスティックは上・下・右・左・押し込み・斜め入力それぞれに割り当てが可能で、スティック1つでかなりの数の操作を扱えるのが魅力です。しかし実際に使ってみると誤入力してしまうことが多く、結局斜め入力には何も割り当てなくなりましたね。

ゲームのように上下左右をスムーズに入力する必要があるならスティックの強みが出ますが、ツールを割り当てる場合には十字キーの方が使いやすいです。

一方でTourBox Eliteのノブ・スクロール・ダイアルはそれぞれ、時計回り(奥へスクロール)・反時計回り(手前へスクロール)・押し込みの割り当てが可能です。
割り当てられる数で言えば同等(スティック9つ = ノブ・スクロール・ダイアル各3つ)ですが、回転で入力する点がスティックとの大きな違いになります。
回転で入力が行われるということは、通常のボタンでは扱いづらかった操作、例えばイラストソフトならキャンバスの回転や拡大・縮小、ブラシサイズの調節などを文字通り滑らかに行えるようになるわけです。
比較その4: 持ち方
ジョイコンは手に持って使い、TourBox Eliteは机に置いて操作します。
手に持つスタイルは腕を自由に動かせるのがメリットで、膝の上でも頭の上でも寝転がっていても操作できる気楽さが魅力です。

欠点を挙げるとすれば、置くという動作が必要になるせいでキーボードへの切り替えがスムーズにできないことくらいでしょうか。
となると、机に置いて操作するTourBoxは逆の使用感と言えるかもしれません。操作中は手の位置が机の上で固定される一方で、手をパッと離して別のことに使える良さがあるというのは置くタイプならではの特徴です。また地味ではありますが、持つのと比べて腕が疲れにくい点もメリットと言えます。
比較その5: 接続
ジョイコンの接続はBluetooth3.0による無線のみなので、Bluetooth通信ができないPCは別途アダプターなどを用意しないと使えません。
TourBox EliteはBluetoothによる無線とUSBケーブルによる有線接続が可能です。USBケーブルが標準で付属していないのが残念なものの、PCがBluetoothに対応していないのが買った後で判明したり、有線の安定性が恋しくなったときなどに有線接続の選択肢があると安心できます。
また、TourBox EliteはただのBluetoothではなく、ダブルBluetoothを搭載している点も魅力。2つのデバイス間を再ペアリング無しで切り替えられるのは便利です。Bluetoothの規格もジョイコンより新しいBluetooth5.0が採用されており、接続の安定性が高く遅延も少なくなっています。
比較その6: システムの互換性

ジョイコンを片手デバイスとして使うには割り当て用のソフトが必要で、対応OSは使うソフトに依存します。例えばJoyToKeyというソフトを使う場合はWindows Vista以降に対応しているのみで、macOSは非対応となります。
スマホやタブレットのようなAndroid・iOS環境ではジョイコンに操作を割り当てる手段がなく、接続できてもアプリ側が対応していない限りは使えません。

スマホ版のクリスタにはショートカットキー設定が存在しますが、筆者のAndroid環境ではジョイコンの入力を認識してくれませんでした。あくまでもキーボード用と考えた方が良さそうです

TourBox Eliteへの操作の割り当てには、専用のソフトであるTourBoxコンソールを使用。対応OSはmacOS 10.11以降、Windows 7以降となっており、両方とも使えるようになっています。ちなみにダメ元でAndroidとの接続を試してみましたが、ペアリングすることすら不可能でした。おそらくiPadなどのiOS環境でも使えないと考えた方がよいでしょう。
比較その7: バッテリー
任天堂公式ページ掲載の仕様によると、ジョイコンのバッテリー持続時間は約20時間、充電は約3時間半となっています。筆者の場合は毎日ガッツリというよりは空いた時間でお絵かきする感じだったので、バッテリー持続時間が気になることは無かったです。

ただし…うっかりジョイコンの電源を切り忘れてしまうと、すぐにバッテリーがなくなります
ジョイコンは持続時間よりも充電まわりが厄介で、通常ジョイコンを充電する際はニンテンドースイッチ本体に取り付けなくてはなりません。これはつまり、
- 充電が終わるまで使えない
- PCとのペアリングをやり直さないといけない
といった問題に直面することを意味します。

そのため片手デバイスとしてジョイコンを使うなら、充電しながら使えるグリップも用意しておきたいです。

これで充電時の再ペアリングは不要になりますが、ニンテンドースイッチで遊んだ時に再ペアリングが必要になる点は変わりないので注意を。
一方でTourBox Eliteはというと、こちらは充電式ではなく電池式となっています。電池が必要な代わりに長期間の使用が可能で、ジョイコンと同様の使い方をしても2ヶ月ほどは交換要らずでした。

電池式は持続時間の長さ以外にも、
- 完全にケーブルレス化できる
- 内蔵バッテリーの寿命を気にしなくていい
- 交換すればすぐに満タン状態で使い始められる
- 買い替え・処分の手間は充電池で解決できる
といったように、交換の手間を考慮しても電池式であるメリットは大きいと考えています。また、電池を入れることで重さが増えますが、置いて使うTourBox Eliteなら問題ありません。
まとめ
以上7つの項目にわたってTourBox Eliteとジョイコンを比較してきました。それでは各デバイスがどんな人におすすめなのか、筆者なりの考えをまとめます。
なぜニンテンドースイッチを所持していることが条件にあるかというと、ジョイコン単品で購入する場合、同じ価格帯でまともな片手デバイスが購入できるためです。加えて充電用のアクセサリーを購入する場合、片手デバイスとしての用途だけで考えるとコスパが悪くなってしまいます。
そのため、元々持っていたニンテンドースイッチのジョイコンを使うか、壊れたときのスペア&片手デバイスとして購入するような場合に限りおすすめです。
個人的にジョイコンからTourBox Eliteに乗り換えて良かったと思う点は、「割り当てられる操作の多様化」と「充電(電池交換)頻度の大幅な改善」の2つでしたね。
ジョイコンもボタンの数が多く様々な操作が可能でしたが、TourBox Eliteでは回転式の入力があることでジョイコンで使いづらかった操作も無理なく割り当てられるようになりました。

キャンバスの回転やブラシサイズの変更、ツールの切り替え、不透明度の調整といったように、イラストソフトには回転系の入力と相性の良い操作が多いです。
ただ、片手デバイスとしての優秀さはTourBox Eliteに軍配が上がるとはいえ、ジョイコンも十分な働きを見せてくれることは確かです。
本記事を参考に、自分に合った片手デバイスを見つけていただけたらと思います。
