ジョイコンを片手デバイスで使ってるけど、TourBoxならもっと快適になる?
こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。
ニンテンドースイッチのコントローラーであるJoy-Con(以下、ジョイコン)は、PCと接続すれば片手デバイスとしても使えます。
ゲームコントローラーなだけあってボタンの数が多いため、人によっては「これで十分じゃね?」と思うかもしれません。
では、ジョイコンが片手デバイスとして機能するのであれば、あえて専用の片手デバイスを用意するのにどんなメリットがあるのでしょうか。
本記事ではジョイコンと、私が今使用している片手デバイス「TourBox Elite」を比較し、それぞれの良い点・悪い点を解説します。
両方の使用経験に基づいて考えをまとめていますので、これから片手デバイスの購入を考えている方の参考になれば幸いです。
スペック紹介
TourBox Elite | ジョイコン | |
外観 | ||
寸法 | 116 x 101 x 44mm | 102 x 35.9 x 28.4mm |
重量 | 376g(電池除く) | 49g(左) 52.1g(右) |
ボタンの数 | 11個+ノブ・ダイヤル ・スクロール | 10個+スティック |
接続方法 | 無線(Bluetooth5.0) 有線 | 無線(Bluetooth3.0) |
カラーバリエーション | トランスルーセント (半透明の黒) クラシックブラック アイボリーホワイト | グレー ブルー ネオンレッド ネオンピンク ネオンブルー ネオングリーン ネオンイエロー ネオンパープル ネオンオレンジ |
対応環境 | macOS 10.11以降、 Windows 7以降 | (JoyToKey使用時) Windows Vista以降 |
公式ストア価格 (執筆時点) | 39,960円(本体のみ) | 4,114円(片側1個) |
比較その1: 価格
ジョイコンは正規で購入できれば4千円台であるのに対し、TourBox Eliteは4万円弱と片手デバイスの中では非常に高価です。
定価で購入するには高すぎるため、TourBox Eliteはセールまで待つのも良いでしょう。過去のセールでは20%引きの3万円台前半まで値下がりしていました。
3万円でもまだ高いと感じたかもしれません。有線でいいなら、2万円台前半で買える「TourBox Neo」や、1万円台前半で買える「TourBox Lite」という小型モデルもあります
当然ですが、10倍の値段を払えば作業スピードも10倍もなるとは限りません。TourBox Eliteは、点数で言うところの80点では満足できないような人が買うものだと考えています。
あとはイラスト制作以外で使うかどうかも、この製品の価値を左右するポイントとなるでしょう。
様々な形の入力がある分、どんなソフトにも対応できる……どころか最適解になり得るため、作業ごとに片手デバイスを用意するよりもTourBox Elite1台買った方が安く済む可能性が高いです。
一方のジョイコンは、片手デバイスを持っていない人がとりあえずで揃える分には良いと思っています。
片手デバイスを持っているのと持っていないのでは大きく違いますからね。
ただここで注意していただきたいのが、低価格帯の片手デバイスはジョイコン一択ではないということです。
4千円台という値段は他の片手デバイスが選択肢に入ってきますし、ジョイコンがそれらを押しのけるレベルというわけでもありません。
また、ジョイコンは充電まわりのアクセサリーを用意しないと不便なので、その分の費用も含めると実際のコスパは微妙です。
ジョイコンの片手デバイス化は、あくまでもニンテンドースイッチを持て余してる人用の手段だと考えた方が良いでしょう。
比較その2: カラーバリエーション
ジョイコンは元々ゲームコントローラーというのもあってか、おもちゃ感の強いポップなカラーが展開されています。
後からパステルカラーが追加されたことで、より自分好みの色を選びやすくなりました。
一方で無彩色はグレーのみとなっており、ブラック・ホワイトの単品販売は確認できていません。
有機ELモデルのニンテンドースイッチだとホワイトが選べるみたいですね
TourBox Eliteの方は3色とバリエーションこそ少ないものの、ブラック・ホワイト両方を取り扱っている点が大きいです。
デスク周りを白で統一したい人にとって、ホワイトが選べるのは嬉しいポイントではないでしょうか。
白で揃えるのはおしゃれだけど難しいという話を聞きます。自分で白に塗装する人もいるとか。
よってラインナップの豊富さという点ではジョイコンに軍配が上がり、インテリアとの親和性という点ではTourBox Eliteの方が良いように思います。
比較その3: ボタン
ボタンの数に関してはどちらも優秀で不足はないため、ここでは形状や種類に注目してみましょう。
普通のボタン以外だとジョイコンにはスティックが、TourBox Eliteにはノブ・ダイヤル・スクロールの3つが存在します。
ジョイコンのスティックは上・下・右・左・押し込み・斜め入力それぞれに割り当てが可能で、スティック1つでかなりの数の操作を扱えるのが魅力です。
しかし実際に全部割り当てて使ってみると誤入力しやすいのが致命的で、結局は斜め入力に何も割り当てないという形で落ち着きました。
ゲームのように上下左右をスムーズに入力する必要があるならスティックの強みが出ますが、ツールを割り当てる場合には十字キーの方が使いやすいです。
一方でTourBox Eliteのノブ・スクロール・ダイヤルはそれぞれ、時計回り(奥へスクロール)・反時計回り(手前へスクロール)・押し込みの割り当てが可能です。
割り当てられる数で言えば同等(スティック9つ = ノブ・スクロール・ダイヤル各3つ)ですが、回転によって入力できるという点がスティックとの大きな違いになります。
通常のボタンでは扱いづらかった操作、例えばイラストソフトならキャンバスの回転や拡大・縮小、ブラシサイズの調節などを円滑に・直感的に実行できるようになるため、あるとかなり便利です。
欠点を挙げると、操作によっては何度もグルグル回さないといけない時があって大変なのですが、これに関しては入力の間隔(感度)を設定ソフトから調整することで改善できます。
比較その4: 持ち方
ジョイコンは手に持って使い、TourBox Eliteは机に置いて操作します。
手に持つスタイルは腕を自由に動かせるのがメリットで、膝の上でも頭の上でも寝転がっていても操作できる気楽さが魅力です。
欠点を挙げるとすれば、置くという動作が必要になるせいでキーボードとの行き来がスムーズにできないことくらいでしょうか。
となると、机に置いて操作するTourBoxは逆の使用感と言えるかもしれません。
操作中は手の位置が机の上で固定される一方で、手をパッと離して別のことに使える良さがあるというのは置くタイプならではの特徴です。
また地味ではありますが、持つのと比べて腕が疲れにくい点もメリットと言えます。
デメリットは、小さいとはいっても机のスペースを占有するという点です。液タブやキーボード、マウスなどで圧迫されていた机が、より窮屈になってしまいます。
比較その5: 接続
ジョイコンの接続はBluetooth3.0による無線のみなので、PCがBluetooth非対応だと別売りのアダプターなどを用意しないと使えません。
Bluetooth3.0だからといって目立つような遅延や切断は体験しなかったですね。さすが純正のゲームコントローラーなだけあって十分機能してくれます
一方でTourBox Eliteは、Bluetoothによる無線とUSBケーブルによる有線接続が可能です。
USBケーブルが標準で付属していないのが残念なものの、PCがBluetoothに対応していないのが買った後で判明したり、有線の安定性が恋しくなったときなどに有線接続の選択肢があると安心できます。
またTourBox EliteはダブルBluetoothを搭載しており、2つのデバイス間を再ペアリング無しで切り替えられるのが便利です。
Bluetoothの規格もジョイコンより新しいBluetooth5.0が採用されており、接続の安定性が高く遅延も少なくなっています。
比較その6: システムの互換性
ジョイコンを片手デバイスとして使うには割り当て用のソフトが必要で、対応OSは使うソフトに依存します。
例えばJoyToKeyというソフトを使う場合はWindows Vista以降に対応しているのみで、macOSは非対応となります。
スマホやタブレットのようなAndroid・iOS環境ではジョイコンに操作を割り当てる手段がなく、接続できてもアプリ側が対応していない限りは使えません。
スマホ版のクリスタにはショートカットキー設定が存在しますが、筆者のAndroid環境ではジョイコンの入力を認識してくれませんでした。あくまでもキーボード用と考えた方が良さそうです
TourBox Eliteへの操作の割り当てには、専用のソフトであるTourBoxコンソールを使用。対応OSはmacOS 10.11以降、Windows 7以降となっており、両方とも使えるようになっています。
ちなみにダメ元でAndroidとの接続を試してみましたが、ペアリングすることすら不可能でした。おそらくiPadなどのiOS環境でも使えないと考えた方がよいでしょう。
比較その7: バッテリー
任天堂公式ページ掲載の仕様によると、ジョイコンのバッテリー持続時間は約20時間、充電は約3時間半となっています。筆者の場合は毎日ガッツリというよりは空いた時間でお絵かきする感じだったので、バッテリー持続時間が気になることは無かったです。
ただし…うっかりジョイコンの電源を切り忘れてしまうと、すぐにバッテリーがなくなります
ジョイコンは持続時間よりも充電まわりが厄介で、通常ジョイコンを充電する際はニンテンドースイッチ本体に取り付けなくてはなりません。これはつまり、
- 充電が終わるまで使えない
- PCとのペアリングをやり直さないといけない
といった問題に直面することを意味します。
そのため片手デバイスとしてジョイコンを使うなら、下の画像のように充電しながら使えるグリップなどを用意しておきたいです。
これで充電時の再ペアリングは不要になりますが、ニンテンドースイッチで遊ぶ時に再ペアリングが必要になる点は変わりないので注意を。
一方でTourBox Eliteはというと、こちらは充電式ではなく電池式となっています。
電池が必要な代わりに長期間の使用が可能で、ジョイコンと同様の使い方をしても2ヶ月ほどは交換要らずでした。
電池式は持続時間の長さ以外にも、
- 完全にケーブルレス化できる(充電ケーブルすら使わない)
- 内蔵バッテリーの寿命を気にしなくていい
- 交換すればすぐに満タン状態で使い始められる
- 買い替え・処分の手間は充電池を使えば解決できる
といったように、交換の手間を考慮しても電池式であるメリットは大きいと考えています。
また、電池を入れることで重さが増えますが、置いて使うTourBox Eliteなら問題ありません。
まとめ
以上7つの項目にわたってTourBox Eliteとジョイコンを比較してきました。それでは各デバイスがどんな人におすすめなのか、筆者なりの考えをまとめます。
なぜニンテンドースイッチを所持していることが条件にあるかというと、前述したようにジョイコン単品と同じ価格帯でまともな片手デバイスが購入できるためです。
ジョイコンだけならまだしも充電用のアクセサリーも購入するとなれば、片手デバイスとしてのコスパは悪くなってしまいます。
またPCとニンテンドースイッチ本体とで使い回す場合、ジョイコンの再ペアリングが面倒です。今後ニンテンドースイッチで頻繁に遊ぶようなら避けた方が良いでしょう。
個人的にジョイコンからTourBox Eliteに乗り換えて良かったと思う点は、「割り当てられる操作の多様化」と「充電(電池交換)頻度の大幅な改善」の2つでしたね。
ジョイコンもボタンの数が多く様々な操作が可能でしたが、TourBox Eliteでは回転式の入力があることでジョイコンで使いづらかった操作も無理なく割り当てられるようになりました。
キャンバスの回転やブラシサイズの変更、ツールの切り替え、不透明度の調整といったように、イラストソフトには回転系の入力と相性の良い操作が多いです。
片手デバイスとしての優秀さはTourBox Eliteに軍配が上がるとはいえ、ジョイコンも十分な働きをしてくれますので、もし前述の条件に合うようであればぜひとも試してみてほしいです。