板タブ・液タブ

板タブと液タブの違いを比較解説! 初心者におすすめなのは…

液タブvs板タブ
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板タブと液タブどっちにしよう?

見た目からして使用感が違う板タブと液タブですが、どちらが自分に合っているかを判断するのは難しいものです。

特にこれから始める初心者はペンタブの使用経験自体が無いため、なおさら大変なのではないでしょうか。

こんにちは、絵描きの京時ロメ(@kyotoki_OX)です。

本記事では板タブと液タブそれぞれの特徴を比較し、どのような違いがあるのか解説していきます。

今まで板タブ4台と液タブ4台の計8台を使用・レビューしてきた筆者の経験を元に、板タブ・液タブそれぞれのメリット・デメリットを挙げてみました。

ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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板タブのメリット・デメリット

板タブ(ペンタブレット)の参考画像

メーカーやストアによってはペンタブレットと表記されることもありますが、ここでは板タブと呼ぶことにします。

▷メリット1: 液タブで描くよりも姿勢が楽

原則PCモニターを見ながら描くため、手元へ視線を落とさずに作業できます。健康面でのメリットが大きく、液タブと比べて首や肩、腕などへの負担が軽くなるので、長時間の作業とも相性が良いです。

▷メリット2: コンパクト・軽量で場所を取りにくく、持ち運びが簡単

液タブにも小型・軽量なモデルが増えてきたとは言え、やはり持ち運びやすさでは板タブに軍配が上がります。必要なケーブルが1本で済み、片手で簡単に持てる軽さであるため、使いたい時にサッと取り出すような使い方が可能です。

▷メリット3: ワイヤレス対応モデルがある

ワイヤレス対応の機種がある点は、液タブにはない大きなメリットと言えます。ディスプレイから離れた場所での作業も可能になるほか、ボタン一つ押すだけで接続できるので非常に快適です。

ワイヤレスは遅延や接続の安定性といった問題がよく挙げられますが、最近の機種においては体感できないレベルにまで改善しています。

▷メリット4: キャンバス(画面)が手で隠れない

画面に直接描く場合は手元が隠れて見づらくなってしまいますが、板タブなら画面と分離されているおかげで常に視認性が高い状態でお絵かきできます。

▷デメリット: 見る場所と描く場所が違うため慣れが必要

手元で引いた線がディスプレイに表示されるため、どうしても慣れるまでに時間が掛かってしまいます。特に今までアナログ(手描き)で描いていた人は強い違和感を覚えるでしょう。

筆者の板タブ評価・用途

筆者はワイヤレスの板タブをサブ機として使用していますが、液タブよりもコンパクトで軽量、ケーブルいらずで小回りが利く点を気に入っています。

液タブでの作業に疲れた時や、お絵かき用じゃないPCでちょっとしたメモや落書きをする時に便利です。

板タブ特有の使用感は使っていくうちに慣れたものの、やはり液タブと比べると思い通りの線が引きにくいように感じます。

余談ですが、小型の板タブは頻繁にポチポチするようなブラウザゲームなどの用途にもおすすめです。

筆者自身もブラウザゲーム(グラブルの古戦場など)を周回する際にマウスと板タブを交代して使っていたことがあります。結構手が楽になりますよ。

こんな人におすすめ!
  • 使わない時はどっかに収納しておきたい
  • コードがごちゃつくのは嫌だ
  • 健康面が気になる・疲れにくい姿勢でお絵かきがしたい
  • 手頃な値段で本格的にデジタルイラストを始めたい

液タブのメリット・デメリット

液タブの参考画像

▷メリット1: 紙に近い感覚でお絵かきができる

板タブでは描く場所と表示される場所が違いましたが、液タブは描いた場所と表示される場所が同じになります。ほぼアナログと変わらない感覚で描けるので慣れるのも簡単ですし、思い通りの線が引きやすいです。

▷メリット2: 別でディスプレイを用意しなくてもお絵かきできる

液タブ本体に画面があるので、ディスプレイを別途購入しなくてもイラスト制作が可能です。ノートPCの場合はディスプレイが内蔵されていますが、必ずしもイラスト制作向けとは限りません。

液タブならどんなに安くても必要最低限のスペックは備わっているので安心して使えます。

▷メリット3: 板タブとしても使える

液タブの画面をディスプレイ側に表示させたり、機種によりますが液タブ本体をペンタブモードに切り替えたりすることで、擬似的に板タブとして使えます。例えば同じ姿勢で作業するのに疲れた場合には板タブへの切り替えが有効です。

▷デメリット1: 板タブと比べて高価

いくら低価格帯が充実したとはいっても、板タブより高いことに変わりありません。安くても2~3万円、標準的な性能を求めるなら4~6万円は用意しておく必要があります。

▷デメリット2: 置き場所が必要

液タブの置き場所
液タブを手前へ動かそうとするとキーボードの置き場所に困る。ケーブルも絡みやすく面倒。

液タブは大きかったり重かったり、ケーブルの付け外しが面倒だったりといった理由から机の上に出しっぱなしで使う場合が多いです。

液タブのためのスペースを確保する必要があり、加えてキーボードやマウスの配置をどのようにするか考えなくてはなりません。

▷デメリット3: 視差がある

液タブの視差

視差というのは、ペン先と画面内に表示されるカーソルの位置がずれて見える現象のことです。

画面内側に描いている時は全く気になりませんが、画面端へ向かうにつれて視差が大きくなり、誤クリックの原因となります。

▷デメリット4: 身体への負担が板タブより大きい

液タブだと絵を描くのに手元を見る必要があるため、どうしても首や肩への負担が大きくなってしまいます。また板タブよりもペンを動かす範囲が広くなり、腕への疲労も溜まりやすいです。

できるだけ負担を軽減できるよう、スタンドなどを用意して高さや角度を細かく調節することを強くおすすめします。

筆者の液タブ評価・用途

板タブよりも高価なだけでなく、大きさも重さも扱いづらいなど色々と欠点はありますが、思い通りに線を引きやすいというだけでメインとして使う価値があります

イメージ通りの線が引けないとそのたびに描き直さないといけないため、その回数が少なくて済むなら喜んで液タブを使いますね。

また、液タブのディスプレイに関してはお絵かきの用途に最低限以上のスペックを備えており、別途ディスプレイを用意する必要がない点も助かっています。

気になる点は、やはり大きいサイズの液タブほど出しっぱなし前提、スペースを取ってしまうため、マウスやキーボードなどの周辺機器の配置にも工夫が必要となることです。

筆者の環境では同じ机でFPSなどのPCゲームもするので、液タブのせいでマウスのスペースが確保できなくて邪魔になっていました。

ただこの問題は、下の画像のようにモニターアーム(VESA非対応の液タブなら+トレイ)を使うことで解決できます。

液タブ+モニターアーム
モニターアームにノートパソコン用のトレイを取付けて使用。
こんな人におすすめ!
  • アナログに近い感覚でお絵かきがしたい
  • 持ち運びよりも描きやすさ重視
  • 細かな描き込みをしたい
  • お絵かき用のモニターを持っていない

初心者におすすめのペンタブはどっち?

初心者には液タブをおすすめします。

先程も述べたように、板タブは手元と画面が離れているためそれなりの期間使い続けないと慣れませんし、慣れたとしても液タブほど思い通りに線が引きにくいです。

もちろん板タブにも安いだけでなく、小回りが利くところや姿勢が楽であることなど長所はありますが、それを考慮しても描きやすさに勝るものはないと考えています。

また、ネックである価格面が改善されている点も理由の1つです。

昔の液タブは10万円以上が当たり前の高級品でしたが、今では安いものだと2万円、平均的なスペックなら4万円程度でも購入できるようになり、大きく敷居が下がりました。

ただ、それでも予算が足りない&すぐに必要な場合には板タブを検討しても良いでしょう。

これを言うと元も子もないですが、結局はやる気次第でどうにでもなっちゃいます。

第3の選択肢 iPad

板タブ・液タブ以外の選択肢としてiPadを使うのもアリです。

特にiPad Proはディスプレイの性能も描き心地も並の液タブを超えるほどで、お絵かきのためだけに買う価値があります。

また将来的にお絵かきをやめてしまうことがあっても、高性能なタブレットとしていくらでも使い道があるため、初心者におすすめです。

ペンが別売りになる点や、画面サイズの大きさを気にしないのであれば板タブ・液タブを押しのけてiPad Proを選んでも後悔はしないでしょう。

ただ近年のiPad Proは価格が高騰して買いづらいため、代替品として予算8万円程度で買える、XP-Penのお絵描きタブレットもおすすめです。

板タブと液タブの違い まとめ

ここまで板タブと液タブの違いを解説しましたが、改めて表にまとめると以下のようになります。

板タブ液タブ
描きやすさ慣れが必要直感的に描ける
値段安い(数千円~)高い(2万円~)
持ち運び快適小型: 可能
大型: 困難
必要スペース狭め広め
身体への負担小さい大きい
その他の特徴ワイヤレス対応機がある
手を大きく動かさずに描ける
ディスプレイ代わりになる
板タブみたいに使える

視差がある

表を見る限りでは板タブの方が優れているように思えますが、実際は描きやすさの重要度が大きいため液タブの方をおすすめします。

また、PCを持っていない人はお絵かき用の適性が高いタブレットを購入するのも一つの手です。

なんにせよ快適さはモチベーションに直結するので、どの機材が自分の環境に合っているのか慎重に検討していただければと思います。