PC選びにおいて、ある程度高いスペックが必要なときに選択肢となるのが、クリエイターPCとゲーミングPCです。
この2種類は見た目以外の違いが分かりづらく、どちらにするか決めかねている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、クリエイターPCとゲーミングPCの違いについて解説していきます。
ゲーム・クリエイティブ作業のどちらか、もしくは両方をやりたいと考えている方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
ゲーミングPCとクリエイターPCの基本的な違い
PCを選ぶ際に重要なのは、「主な用途」に合った性能を選ぶことです。
以下の表は、クリエイターPCとゲーミングPCの主な違いをまとめたものです。
項目 | クリエイターPC | ゲーミングPC |
---|---|---|
主な用途 | 写真編集、動画制作、 3DCG制作など | 最新ゲーム、eスポーツ、 VRなど |
CPU | 多コア高性能CPU | 高クロック・キャッシュ容量 重視のCPU |
GPU(グラボ) | 高精度な描画が可能な プロ向けGPU | 高フレームレートに特化した ゲーミングGPU |
RAM(メモリ) | 32GB以上推奨 (作業の安定性重視) | 16GB~32GB (快適な動作重視) |
ディスプレイ | 色精度重視(AdobeRGB対応など) | 高リフレッシュレート(144Hz以上) |
価格 | エントリーモデル:20万円~ ハイエンドモデル:50万円以上 | エントリーモデル:15万円~ ハイエンドモデル:30万円以上 |
ただ、ここで挙げた違いが必ずあるとは限らず、販売店やスペック帯によってはガワや名前を変えただけで内容が同じ場合もあります。
特にGPU(グラボ)は、最近だとクリエイターPCでもゲーミングPCでも同じパーツが採用されていることが多いですね。
またここでは違いを強調していますが、高性能なモデルであるほどもう片方の用途も高い水準でこなせるようになります。
そのため「どちらもやりたい!」という人なら予算は多めに確保しておきたいです。

ここからは主な違いについて見ていきます!
違い1:CPU

クリエイターPCとゲーミングPCのCPUは、求められる性能が大きく異なります。
クリエイターPCでは、多コア・多スレッド性能のCPUを重視し、動画編集や3DCG制作などの並列処理が必要な作業に最適です。
具体的には、AMD Ryzen 9やIntel Core Ultra 9(またはi9)、Ryzen Threadripperのような高性能CPUが選ばれることが多く、大量のデータを効率的に処理できます。
一方、ゲーミングPCのCPUは高クロック性能やシングルスレッド性能を重視し、ゲームの動作を滑らかにし、高フレームレートを実現することが求められます。
また近年では、AMD Ryzen 7 7800X3Dのように大容量キャッシュを搭載したCPUが「ゲーミングCPU」として人気を集めるようになりました。
このキャッシュによって、ゲームデータへのアクセスが高速化し、フレームレートの安定性や応答性が向上するので、ゲーミングPCを買うなら積極的に検討すべきでしょう。
このようにクリエイターPCは並列処理、ゲーミングPCはリアルタイム処理を重視したCPUが使われており、それぞれの用途に応じた選択が重要です。
違い2:グラボ

クリエイターPCには業務向けのグラフィックボードが採用された製品がある点も、違いの1つです。
Nvidia社なら(Geforceではない)RTXシリーズ・Tシリーズ、AMD社ならRadeon PROシリーズが該当します。
これらは高い互換性と信頼性を誇り、CADや3DCGなどの幅広い制作・設計に最適です。

一応ゲームも遊べますが、それだけが目的ならおすすめしません。
ただ最近では、Geforce RTXシリーズやRadeon RXシリーズのようなゲーミング用で賄えることが増えてきました。
現時点だとクリエイターPCであっても、明確な理由がない限りは幅広い用途に対応できるゲーミング用のグラボをおすすめします。
違い3:画面(ノートPC)


デスクトップPCはモニターが独立しているので、ここではノートPCにおける違いとしています。
ノートPCでは各用途に適したモニターが採用されており、ゲーミングPCとクリエイターPCで大きな違いがあります。
ゲーミングノートPCにはリフレッシュレートの高いモニターが、クリエイターノートPCには色の再現性・精度が高いモニターが採用されていることが多いです。
デスクトップPCのように、別でモニターを用意するなら大して問題ではないですが、もしノートPCのモニターをメインに使っていきたいなら必ずチェックしておきましょう。
クリエイター用のモニターについては、下の記事を参考にしてみてください。
違い4:接続端子(インターフェース)まわり

クリエイターPCの特徴として、SDカードスロットやUSBポートなどが豊富に搭載されていたり、高速で万能なThunderbolt端子を採用していたりすることがあります。
外部の機器と頻繁にデータをやり取りするのであれば、接続端子はできるだけ多いに越したことはありません。
一方でゲーミングPCはというと、クリエイターPCほどの対応力は期待できないものの、USBに関しては十分なポート数を備えていることがほとんどです。

ゲームでもUSBを使う周辺機器は多いですからね
また、もし足りなくなってもUSBハブやカードリーダーを追加することでカバーできるため、特にゲーミングPCでも困ることはないと思います。
違い5:PCケースのデザイン

(画像参照元: マウスコンピューター)
クリエイターPCは実用性を重視したケースになっており、外観が控えめになっていることが多いです。
例えば上の画像の製品は、仕事現場での移動を想定してハンドルやキャスターが標準で装備されています。
他にもケース内の熱を効率よく排気できるように通気性が高められていたり、将来のパーツ追加を見越して高い拡張性を備えていたりと様々です。

(画像参照元: マウスコンピューター)
一方でゲーミングPCのケースは、RGBライティングやコラボデザインが目を引きます。
冷却性能が確保されているのはクリエイターPCと同様ですが、見た目の華やかさにもこだわっているのはゲーミングPCならでは。
ただし装飾に凝っているほどコスパが悪くなるため、もし派手に光るPCがほしいのであれば十分な予算を用意しておきたいです。
まとめ
以上がゲーミングPCとクリエイターPCの違いでした。改めてまとめると、以下の通りです。
クリエイターPC
- CPU:多コア・多スレッド重視
- GPU:業務向けがある
- 画面:発色・正確性重視
- 端子周り:充実
- ケース:実用性重視
ゲーミングPC
- CPU:クロック・単スレッド性能重視
- GPU:ゲーミング用一択
- 画面:表示の早さ重視
- 端子周り:十分
- ケース:見た目重視
クリエイターPCとゲーミングPCは、それぞれ異なるニーズに応じて設計されています。
自分が「何に最も時間を使うか」「何を重視するか」をよく考えた上で選びましょう。
両方の用途をこなしたいのであれば、以下の方法がおすすめです。
- クリエイターPCを選択し、ゲーミング性能を補う(GPU性能が高いため対応しやすい)
- BTO PCショップなどに依頼して、自分に最適なスペックを構築
また前述したように、ここで紹介した違いはどのPCショップにも必ずあてはまるとは限らないため、ぜひ自分の目でご確認をお願いします。