先日の記事ではクリスタ用のTourBoxプリセットを紹介しましたが、今回はAdobe Illustrator用プリセットの紹介です。
私の場合、Illustratorはブログのアイキャッチ画像やストックイラストの制作に使用しており、プリセットにはそれらでよく使う操作を割り当てています。
Illustratorの使用目的は人によって様々なため、プリセットをそのままマネするというより、どうやって割り当てを決めているのか参考にしていただきたいです。
本記事でも配布プリセットをいくつか紹介していますので、自分の用途にあったプリセットがあればぜひ試してみてください。
※TourBoxのプリセットを作成する方法は、こちらの記事で解説しています。
筆者のIllustrator用プリセット紹介
それでは私が今使っているIllustrator用のプリセットをご紹介します。
前述の通りブログのアイキャッチ画像・ストックイラスト用に作成しているため、あくまでも一つの参考として見ていただけたらと思います。
ちなみに本プリセットは後々紹介するWonvyさんの配布プリセット(英語版)をアレンジして作成しました。画像だと元の設定を使った部分が英語表記になっていますので、日本語で見たい場合は表をご覧ください。
またノブ(プレス)やダイアル(プレス)の操作は画像のガイド内には表示されていないため、これらの確認をする際も表を見るようお願いします。
ノブ部分

ノブ | ズームアウト ⇄ ズームイン |
ノブ(プレス) | Delキー |
ノブ+トール | グループ化を解除 ⇄ グループ化 |
スクロール | [Mouse]マウスホイール(逆方向) |
スクロール(プレス) | アートボード全体を表示 |
スクロール+トール | 行間を広げる ⇄ 行間を狭める |
スクロール+ショート | フォントサイズ縮小 ⇄ フォントサイズ拡大 |
スクロール+トップ | 文字間を狭める ⇄ 文字間を広げる |
ダイアル | Shift+Tab ⇄ Tab |
ダイアル(プレス) | Escキー |
筆者の場合はアートボードを拡大・縮小する頻度が多いため、ノブに割り当て。
スクロール部に割り当てることも考えましたが、とりあえず慣れるまではマウスと同じ操作にしておこうということになりました。
その代わり拡大・縮小のリセットに使う「アートボード全体を表示」はスクロールのプレスに割り当てています。
ダイアルにはShift+TabとTabを設定していますが、これはAltキーと組み合わせて他タスクとの切り替えを行うためのものです。

(特別割り当てたい操作がなかった)
ノブとダイアルのプレスにはそれぞれDelキーとEscキーを割り当てています。
オブジェクトの削除や操作の取り消しなどに使うキーで誤操作を防ぎたかったため、比較的押し心地が硬いノブ・手の位置的に押しづらいダイアル部分に設定しました。
トール・ショートボタンと組み合わせた各種操作は元々の配布プリセットからそのまま使用。
グループ化はおまけ感覚なので消す可能性が高いですが、文字ツール関連の操作は今のところ好感触なのでもうしばらく様子見です。
メインボタン部分

トップ | Shiftキー |
トップ(2回押し) | シェイプ形成ツール |
サイド | Spaceキー |
サイド(2回押し) | 自由変形ツール |
トール | Ctrlキー |
トール(2回押し) | 連結 |
ショート | Altキー |
ショート(2回押し) | はさみツール |
サイド+トール | 別名で保存 |
サイド+ショート | スクリーン用に書き出し |
トップ+トール | Shift+Ctrl |
トップ+ショート | Shift+Alt |
トール+ショート | Ctrl+Alt |
まずはトップ・サイド・トール・ショートによく使う修飾キー(Shift・Space・Ctrl・Alt)を配置。
同時押しが機能するように、トップ+トール・トップ+ショート・トール+ショートにそれぞれ修飾キーの組み合わせを設定しました。
一方で、サイド+トール・サイド+ショートは同時押しで使うことがないため書き出し系の操作にしています。
各メインボタンの2回押しには、十字キーに登録するほどではないけど比較的使うツールを割り当てています。
キットボタン部分

Tour | 保存 |
上 | ペンツール |
下 | 変形の繰り返し |
左 | ダイレクト選択ツール |
右 | 選択ツール |
上+トップ | 文字ツール |
下+トップ | 直線ツール |
左+トップ | 長方形ツール |
右+トップ | 楕円形ツール |
上+サイド | 最前面に貼り付け |
下+サイド | 切り取り |
左+サイド | コピー |
右+サイド | ペースト |
C1 | 取り消し |
C2 | やり直し |
C1+トール | グループ化 |
C2+トール | グループ化を解除 |
C1+ショート | ロック(選択) |
C2+ショート | すべてをロック解除 |
Tourボタンはサイズが小さく、あまり届きやすい位置でもないため、保存を割り当てています。
十字キーには組み合わせも含めてよく使うツール・操作を片っ端から入れました。
トップボタンと組み合わせたら図形または文字ツールが、サイドボタンと組み合わせたらコピー&ペースト系の操作ができるようにまとめてあります。
取り消し・やり直しは、クリスタの場合だとトール・ショートに割り当てていましたが、Illustratorではクリスタほど頻繁に使わないためC1・C2に配置。
グループ化はトールとの組み合わせ、ロックはショートとの組み合わせで。また、どちらも有効化はC1で、解除はC2で行うように統一して覚えやすくしています。
使いやすいIllustrator用プリセットを作るコツ
Illustrator用プリセットを作成するにあたって、筆者が意識していた4つのポイントを共有します。
クリスタ版の記事を読んでいる方は重複している部分もありますので、必要に応じて読み飛ばしてください。
- よく使うツール・操作は押しやすい位置に設定する
- 同じ系統の操作(例: コピー・ペースト)は固めて配置する
- キーの形や位置に近いボタンがあればそこへ配置する
- 他のソフトのプリセットと共通のキー・操作があった場合、使いやすさと覚えやすさどちらを優先するか考えて配置する
1.よく使うツール・操作は押しやすい位置に設定する
元々TourBoxのボタンはどれも無理なく指が届くようにはなっていますが、より快適に使いたいのであれば、よく使うツール・操作を手から近い位置のボタンに割り当てましょう。
TourBoxに手を添えると、無意識に触っているボタンやノブがあるはずです。
頻繁に使用する操作をこれらのボタン・ノブに設定しておくことで、スムーズに押せるようになります。
2.同じ系統の操作(例: コピー・ペースト)は固めて配置する
「トップボタン+十字キーは図形ツール」「サイドボタン+十字キーはコピペ」といったように、同種の操作は固めて配置するようにしています。
この方が覚えやすいですし、前述のような複数のボタンを組み合わせた操作でも指の動きを最小限に抑えられ、操作速度の向上や誤操作の防止になって便利です。
3.キーの形や位置に近いボタンがあればそこへ配置する
キーボードのキーの位置関係や形を基準にTourBoxのボタンを割り当てる方法も覚えるのに有効です。
例えばShiftキーやスペースキーは横長い形をしているため、TourBoxのトップボタンに割り当てることで「横長いボタン=Shiftキー(スペースキー)」という関連付けができます。
これはスクロール部分も同様で、TourBoxを使い慣れていないソフトの場合はとりあえずマウスホイールと同じ操作を割り当てておくと、少ない違和感で使えるはずです。
4.他のソフトと共通のキー・操作があった場合、使いやすさと覚えやすさどちらを優先するか考えて配置する
もし他のソフトのプリセットと同じキー・操作を割り当てる時は、もちろん同じボタンに設定すると覚えやすくはなりますが、それが最適な配置であるとは限りません。
これは同じ操作でもソフトによって使用頻度が異なるのが理由で、使いやすさを重視するのであれば一度別のボタンを検討してみましょう。
すぐ使える! おすすめのIllustrator用配布プリセット
Illustrator用は他言語含めても配布プリセットが少なく、今回は4種類の紹介になります。日本語のプリセットがないため、少しでも読めそうな言語のプリセットがあれば試してみてください。
どうしても読めない操作があった場合でも、少なくとも登録しているキーは分かるのでIllustratorのショートカットキー設定と見比べてみましょう。
Illustratorのショートカットキー設定は、「編集」タブ内の「キーボードショートカット(Alt+Shift+Ctrl+K)」から確認できます。
※掲載したプリセットは公式ページのシステム欄にMacと記載がありますが、筆者のWindows環境でも使用できたのでMacOSでなくても大丈夫みたいです。
▶Wonvy さん(英語版)



▶Wonvy さん(中国語版)



▶Studio mei design さん(英語版)



▶Studio mei design さん(韓国語版)



まとめ
以上、Adobe Illustrator用のTourBoxプリセット紹介を行いました。
紹介したプリセットや考え方を元に、ベストな設定を見つけていただけたら幸いです。
プリセット作りはすぐにできるものではありませんので、各々無理のないペースで改良を続けていきましょう。
今回紹介した筆者のプリセットもそうでしたが、一から作るのに自信がない方はぜひ配布プリセットを活用してみてください。使わない操作を入れ替えるだけでも十分実用的になるはずです。